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太陽光発電による温室で、灌漑用に海水を脱塩

不十分な灌漑用の 真水 に頼らない作物生産システムが、南オーストラリアの奥地で活動する国際的科学者のグループによって開発されました。エンジニアリングと水の専門家のチームが、サンドロップ農場のフィリップ・ソームウェーバーによってポート・オーガスタ外部に集められていました。それにしても、乾燥した奥地で、太陽から電力を供給し、灌漑を塩水のみに頼っている芸術的な温室を目にするのは珍しい光景ですが、実際、フィリップによれば、これは他に類のない設備で、彼のチームの知る限りでは、これまでにこのようなことを、あるいはこれに似たようなことでさえ行なった人は誰もいないそうです。

Unique greenhouse could spur outback growth

厳密にいえば、太陽熱は、このチームによって、栽培者が野菜や果物を供給できるように、冷房や暖房、電力を作り出すために海水から塩分を除去するのに利用されています。70メートルの長さのソーラー・パネル の中央を通る、熱媒油で満たされた黒い配管は、これらのパネルで集められたエネルギーを用いて摂氏160度まで加熱されます。その後、油は配管を通して貯蔵室に送り出され、そこでは、貯水システムがその熱を利用します。その熱がどのように利用されるかは制御機構によって決定されますが、その大部分が海水の脱塩化のために用いられ、一部は温室の温度調節のために、また一部はその設備に電力供給するために用いられます。一度その熱が脱塩装置に伝わって、比較的冷たい海水に触れれば、その温度差のために凝縮が起きて作物用の真水が作り出され、その一方で、海水は池へと移され、そこで、副産物としての塩が抽出されます。

フィリップ以外のチームの他のメンバーは、オランダ出身で土木工学の経歴を持ち、水管理の修士でもあるライナー・ウォルタービークとカナダ出身で温室管理の専門家であるデイビッド・プラットです。化石燃料で電力供給されている温室と比較して、5~15%の節約が実現できると考えられています。夏場は完全に太陽光発電に頼ることができますが、冬場は、20%の時間のための解決策がディーゼル発電ということになります。明らかに化学肥料が標的とされている温室だからこそ管理がうまく行くこともまたチームによって指摘されていますが、害虫や病気などの管理が簡単な上に、灌漑用の水も蒸発しません。実験用に作られた温室は2000平方メートルですが、しかし、3千万米ドルをかけて8ヘクタールの商業用温室を現在の用地に作るという計画案が地方審議会に提出されています。

出典:ABC

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