自然の波は再生エネルギーの宝庫です。波から2-300万メガワットの電気が発生するそうです。ただ単に海の上に発電機を取り付ければいいだけですが、発電した電気を送るのは問題です。波の高さや速さなども頭に入れる必要があります。加えてこの波力発電は比較的遅れている分野ですから、可能性は長いこと知られていたものの実例が少ないのです。
この記事では色々な問題点などを掘り下げてみてみます。
良い点
海の波は自然に起きます。地球上の3分の2は海だということを考えれば世界中に当てはまる可能性のある再生エネルギーです。ソーラーパワーや風力発電は広い発電所用の土地を必要としますが、波力発電は海岸線を使えば簡単に発電所が建築できます。また発電にもエネルギーが必要となりません。今のところ実験的に建てられているのがポルトガルで行われているアグカドラ波力発電所とスコットランドのプロジェクトウェーブスイング、そしてノルウェーのオスモティック発電所、さらにはアメリカのオレゴンにあるリードスポット発電所です。
向上の余地は?
まだまだありますが技術開発において多くの努力が必要です。マサチューセッツ工科大学の調査によると1キロメートルあたりの波力で約1000メガワットの電力が発電可能ですが、現在の実験施設ではこのポテンシャルにまで行き着いていません。
悪い点
波の力を有効利用するという技術においてはまだまだ開発が必要です。今のところはほんのわずかな電力しか生み出せていません。コストが高いのは言うまでも無く、強力な波がコンスタントに確保できるかも問題です。エコロジストの中には波力発電所は海の生態系を崩しかねないと指摘する向きもあります。また、発電機器はレーダーなどに探知されないで船舶が衝突することにもなりかねません、
この問題は避けられるのか?
現在はまだ実験段階ですから可能性はあります。そのためにももっと深い研究が各方面において求められているのです。
最悪な点
現在のデザインでは大変稼動音がうるさく、見た目も良いものではありません。周辺の景観にマイナスの影響をもたらすことは避けられませんし、観光業界にとっては大きなダメージになります。
なぜこれほど批判的なのか?
波力発電に対する実験は1970年代に始まりましたがそれ以降余進展していないのが実情です。その理由としては、再生エネルギーの焦点が主に太陽エネルギーと風力エネルギーに集中しているからで、一般的な興味関心も薄いのです。
基本線
多くの課題を抱えているのは確かですが、もう少し意識をこちらに傾けて政府と一丸になった研究が進めば問題点は解決されるでしょう。地球上の問題はすでに与えられているもので解決できるはずなのです。一般燃料が枯渇して価格が高騰していく時には特にこれが重要となってきます。