知ってのとおり
今の時代は再生エネルギーは世界全体の発電量のおよそ19%を占めています。数字的には大したこと無いように見えるかもしれませんが、このまま順調に伸びていけばかなり期待がもてる数字になることも予想されます。事実、再生エネルギー総量が2011年には一時期原子力発電総量を上回ったこともあります。これに関連して風力発電においても技術進歩が見られ、1996年には6.1ギガワットだったのが2011年には2000ギガワットを超えました。
変化の必要
風力発電の市場規模は2018年には8%を超える勢いですが、問題点としては量というより技術の質にあるのです。設置まつわるメカニズム自体がタービンの厄介なところで、実用性から見た目の影響までいろいろ問題があるのです。例えば設置にお金がかかりすぎることや広い敷地の必要性、さらにはカミナリや台風などにもしっかり耐えられなくてはいけません。さらに大きなタービン羽は50-60デシベルと騒音公害の原因にもなっています。
次の動き
このような状況下では風力発電に対してもよりフレキシブルで経済的なアプローチが必要とされます。数字をあげるだけでなく、商業的な面を含めて基盤をしっかりとする必要があります。幸いにも多くの実用性豊かなコンセプトアイデアがデザイナーから発信されています。
1.モーター式ミクロタービン
特長
一般風力発電の成果についてみるときに都市部においてはそのエコ的効果はあまり重要視されません。そこで、香港大学とルシエン・ガンバロータモーター社が共同で開発した「モーターウインド」は軽量ミクロタービン(直径25cm)を並べてできています。洗濯物を干すように並べられたこれらのタービンは$150で秒速2mでゆっくり回りながらもなかなかの量を発電できるということです。
違いは
この製品は風力の比較的弱い都市部での適用を念頭に置き、テストによって平均時速5キロの風速で毎時131キロワットを発電しました。さらに商業用として軌道に乗れば経済サポートが得られることになりますので、一般消費者向けのエコ電力オプションとして期待が高まります。
2.グアテマラ発、低価格風力発電機
特長
デービッド・フィッシャーによって考案されたシンプルさが特長のタービンです。メカニズムは効率的で必要を押さえたデザインで曲面羽根と垂直に延びた支柱が特長です。もっと大切なことは建築素材は低価格のプラスチックで、電磁発電機とのセットでできています。
違いは
より地域密着型として定着が期待されるみごとなメカニズムを備えています。このようなシンプルかつ低価格風力発電機は、発展途上国においてはエコシステムに上手にマッチするでしょう。
3.学生が作ったリサイクル低価格風力発電機
特長
ついに現れた労働力問題を解決するデザインは、デザイン専攻の学生マックス・ロブソンの見事なタービン案に見て取ることができます。完全にリサイクル素材からできていて幅1.8mと比較的コンパクトなプロトタイプは最大11.3ワットの発電を可能にし、少なくとも63時間照明をつけるだけの電力になります。
違いは
デザイナーによると必要コストはわずか$37で、さらに開発途上国でレプリカを作る際にはコストはもっと下がるということです。特に技術の無い労働者でも地元で集められる素材を使って1日以内で作ることができます。
4.ウィンドベルト
特長
本当の素晴らしい発明というのは資源があふれているからではなく、限られた予算だからということで生み出されることが多いのです。カリフォルニアの28歳の発明家、ショーン・フレインが作り出したこのタービンがその良い例です。同じような形の小型タービンに比べて10~30倍も効率的であり主要部分はしっかり張られた膜が一対の磁石に取り付けられ、メタル製コイルの間で振動するようになっています。
違いは
このコンセプトは石油からできるケロシンランプの代用として最適だということです。クリーンに発電された電気は小型LEDを通して伝えられ、フレイン自身は先進国でこの製品を使う事で得た利益を発展途上国におけるグリーンエネルギー関連事業に回すという青写真を描いています。