現在の状況
水素エネルギーの持つ可能性については長いこと議論されてきましたが、実現化するには大きなスケールでの実用が必要になっています。その理由としては水素エネルギーは自然には起きないからです。水素エネルギーを作り出すには技術的にもコスト面でも大きな難関がありますが、現在行われている研究が日の目を見れば数年後には状況は一変するはずだということです。排水からカーボンを発生せずに水素が作られるということもわかっていますので将来の見通しは良好です。
トレンド
１）排水から水素を作るバイオデザイン・インスティチュート
アリゾナ州立大学のバイオデザイン・インスティチュートは、新しく排水を使って水素を作り出す開発をしました。この水素は燃料電池に使えます。関係者によると、排水から電子を自由化させる触媒として微生物が使われるということで、今回の発見で今までの一般燃料へ対する依存が軽減すると期待されています。
２）排水にバクテリアを加えて水素燃料を
ペン州立大学の研究チームは天然バクテリアを使ってきれいな水素を作り出し、近未来水素自動車に使うことを計画しています。研究の中で天然バクテリアは酢酸と反応して電極分子として利用されます。こうしてバクテリアから電子が発せられ酢酸と反応して０．３ボルトの電気を発生します。今回の新発見で水素はどのような生物分解可能素材から作ることができ、次世代のグリーン自動車用として期待がもたれます。
３）途絶えることのない水素を得るには
完全にカーボン無しではないこれらの研究からさらに一歩進んで、ペンシルバニア大学の研究チームはカーボン発生ゼロで排水から水素を取り出す方法を開発しました。このために、オーガニック素材から分解されて生じる水素を作り出す微生物電子を使用しました。こうやって作られる水素は普通最初に電極を挿入する必要があります。ここで新しい方法を利用して電線からの入力を必要としないカタチで新しい電力を作り出すことに成功しました。つまりは塩水と純水の中にあるイオンの違いを利用するもので、これは完全にカーボン生成が無いのです。
４)下水水素給油所
カリフォルニアのファウンテンバレーの特殊地域では世界初の下水を利用した電力・水素発電ステーションを開発しました。３段式のこのステーションは、まずメタンガスを下水から取り出し水素に換え、燃料電池に送り込みます。燃料電池がプラントを動かす電気を発生する一方で、残った水素ガスは水素自動車用に使われるという寸法です。
コンセプト
排水から水素を取り出すというのは全く新しいコンセプトで、基本的には微生物を触媒として利用して排水から電子を取り出そうとするものです。水素は微生物電極セルの中にも作られて、これを通してオーガニック素材の中から水素を取り出すことができるのです。
メリット
排水から水素を取り出すメリットはたくさんあります。
１．排水はたくさんあります。無駄と考えられていたものを利用してグリーンに貢献する形で再利用できるのです。
２．太陽や風も再生利用可能エネルギーとして見られていますが、水素はそのままでガソリンや天然ガスに取って代わることが出来て自動車の燃料として利用できるのです。
３．一般エンジンと違って水素燃料電池は副産物として水と酸素しか作り出しませんので環境に優しいのです。
インパクト
今のところ将来的視野ではいいところしか見えません。これは研究所の中で机上の理論に基づいたところが多いのですが、こうやって排水から発電できるということは科学にとって大きな前進となり将来の自動車の助けになるばかりか、関連分野で雇用機会を増やすことにもつながってきます。