カナダは、地球上のタールサンドまたはオイルサンドの埋蔵量が世界一です。タールサンドは、粘土、砂、水、瀝青の混合物で、カナダの製油とその関連製品に重大な役割を果たしています。カナダではカルガリーに、炭化水素の埋蔵量が豊富にあります。ただオイルサンドの原油は、米国の製油所でも利用されつつあります。ユタにもタールサンドの埋蔵地がありますが、量ははるかに少なく、カナダにあるものに比べ性質も異なります。
カナダのオイルサンドが米国の製油所へ流入することによって、2025年までに二酸化炭素、その他の炭素由来の汚染物質の排出が大幅に増えることが懸念されています。科学者と統計局による数理モデルとデータに基づく最新の予想では、5.4 ％から9.3％の間で炭素排出が増加すると予想されています。ただしこの増加は複数の要因に由来します。
これはカナダのタールサンドが米国の製油所に流入しているせいだけでなく、低硫黄軽油を義務付ける新基準の施行により、硫黄分を激減させるために更に精製させなければならないことが理由です。さらに、現在と比べ、2025年には製油所が消費するエネルギー量にも増加が予想されています。10～20％の増加になるということです。初期のモデルでも、炭素排出の増加が18％前後になると予想しているものもあり、そのため予想を続けても、現実的にはエコロジーへの悪影響が増大するだけということも考えられます。
もちろん、希望的観測としては、精製技術が更に省エネになり、米国がグリーン技術やバイオ燃料の使用が増えてガソリン依存が減れば、排出量も統制できるかもしれません。
出典: Greencarcongress