英国とフランスで、殺虫剤や農薬の蜜蜂への影響について、独自の研究結果が発表されましたが、それは、今まで知られていた事実を改めて証明した事にすぎません。無差別かつ過度の農薬使用は、短期的には、高い農業生産をもたらすかもしれませんが、有毒な化学物質は、生態系を破壊し、地球上の動物に影響を及ぼすという事実です。この最新の研究では、蜜蜂の送粉者が農薬の影響を受けている事実を更なる証拠として突き止めました。
ネオニコチノイドと呼ばれる殺虫剤にさらされた蜜蜂の巣は、通常の8%から12%も小さく、それに伴い蜜蝋、蜂蜜、また巣の構造材料も縮小しています。ネオニコチノイドの一種で顕花植物に広く使用されているイミダクロプリドにさらされた蜜蜂は、食物収集能力が著しく低下し、この縮小の原因となっています。
フランスの別の研究者の追跡装置を使った研究では、蜜蜂が食物を集める為に外に出ている間、殺虫剤に含まれるチアメトキサムにさらされると、通常の蜂に比べて3倍以上も死ぬ可能性が高かったことを証明しました。科学者達は、この理由として化学物質が蜜蜂の帰巣本能を阻害するのではないかと推測しています。野生動物に対する殺虫剤や農薬の影響は、さらなる研究が必要ですが、農業生産を拡大する為に、より安く、より有害な農薬が世界各地で使用されています。
前世紀の後半、世界はDDTの使用について対立しました。毎年のように現れる新しい殺虫剤や農薬は、土壌や水源を汚染し、食物連鎖に入り込み悪影響をおよぼします。理想的には、最小限の化学物質の使用と高い作物収穫のバランスを見い出す事です。しかし、それは長期的な利益のために、いくつかの短期的な犠牲を払わなければならないでしょう。
テレグラフより