デスクトップに「仮想メモリが足りません」というメッセージが急に表示されて驚くことがありませんか?そうなるとなぜか、メモリが足りないためにダウンロードなどができなくなると思います。私たちがコンピュータを毎日使っていると、知らず知らずのうちに文書、ファイル、動画などを絶え間なくダウンロードし閲覧しています。私たちは、一日単位で私たちがどれほどそういったものを使用するのか意識することはほとんどありません。しかしそれらのものは用途もないのにメモリの中にとどまり続けるのです。さらに、意図せず訪れた多くの承認されないサイトで得た、いらないクッキーや臨時ファイルもCPUメモリにたくさん保存されています。
これではコンピュータの効率的な利用ができているとは言えません。電子廃棄物は堆積し続け、貴重なメモリースペースを占領し、データ転送の速度を落としてしまうからです。実社会でと同じように使えなくなったものをリサイクルする、廃棄物管理する方法を使えば、システムが効果的に整理できます。ジョン・ホプキンズ大学のRagib Hassan氏とRandal Burns氏の2人の研究者が、電子廃棄物の異なるレベルを表す5層のピラミッド図を使って、この問題に対するグリーンなソリューションを提供しています。
ピラミッドの最上層にある提言は、インストールしたいソフトウェアとともにダウンロードした不要でいらないファイルの量を減らすことです。ソフトウェア開発者は、ソフトウェアには余分なファイルをできるだけいれないことが推奨されています。過剰なデータダンピングを行ってくれる一種の「パニッシュプログラム」を意図的に入れておくことで実行できます。
また、プログラムを作成する間、複数のプログラムが共通モジュールに関連付けられていることがあります。ほかのプログラムからサブルーチンが呼び出されるたびに、共通モジュールがいちいち参照され、冗長性やデータの重複につながることがあります。同じデータに対して、ふたつ以上のアドレスをメモリーに保存しておくことは無駄です。いっそ、複数のプログラムで同一のデータセットを共有し再利用するべきです。ディスク容量を節約するだけでなく、コンピュータのデータ処理速度も上がります。研究者によればこれが電子廃棄物管理の次善の策です。
ペットボトルやポリ袋など、プラスチック製品のリサイクルについてはご存じだと思いますが、電子廃棄物もリサイクルできます。古いソフトウェアが日々の仕事で役に立たなくなり、交換しなければならなくなることがあると思います。プログラマーは、古いソフトウェアから重要で使える部分を利用し、新しいソフトに効率よく統合します。これは電子廃棄物のリサイクルと呼ばれ、ピラミッドの第三層で提案されています。
ピラミッドの第4層では、リカバリーの重要性が示されています。電子廃棄物のリサイクルもリユースもできない場合にも、データマイニングに使うことができます。データマイニングとは、大量のデータから新しい傾向を発見するプロセスであり、そうすることで統計的な方法や人工知能を使って履歴のパターンの変化を読み取ります。
最後になりましたが、準揮発性の保存デバイスが使えるところでは、廃棄も選択肢の一つです。デバイスは、完全に削除する必要がある廃棄データに仮の保存場所を提供します。クラウドコンピューティングが情報技術の世界に進出しつつあり、大量のデータを移動させるより高速な中央保存デバイスのニーズが高くなっています。したがって、将来的にはシステム全体が堆積した電子廃棄物のために混雑しないで、コンピュータからデジタル廃棄物を消去するグリーンな方法を考えるべきです。これが早く完了するほど将来は明るくなります。
出典:EurekAlert