ecofriend.com

風力エネルギーの未来を救う、圧縮空気システム

Wind Turbines

再生可能資源からのクリーンエネルギーに対する需要が急増する中、エネルギー使用量を節約し、エネルギー効率をさらに改善することは、常に最優先事項です。化石燃料の枯渇や、環境問題などを考慮し、ウエストレバノンに設立されたこのサステインX(SustainX)社は、風車によって生成された風力エネルギーを蓄積し、ピーク時の風力エネルギーを保存するのに有効な圧縮空気技術を利用することになりました。圧縮空気技術は、新しい概念ではありませんが、サステインXは、それを商業的に実現可能にするために大きな計画を打ち出しています。

風車で発生する風を圧縮し、地下洞窟や枯渇した油田に一時的に保存します。そして、エネルギーの需要が高い時間帯に電力を生成するために取り出します。これは、化石燃料への依存を軽減することになります。

風力エネルギーを保存することは問題ですが、政府が再生可能エネルギーからの最大電力活用に厳しいルールを課すことになり、この再生可能な資源の地下保存は、今まで以上に需要が高まってきました。サステインXは、40キロワットのプロトタイプを示すことに成功して、現在、1メガワットプロジェクトの仕上げに取り組んでいます。

圧縮技術の最大の利点は、風のない日でも保存されている風力エネルギーから電力を発生させることができます。圧縮空気は、タービン翼を回転させ、需要に応じて電力を送出する仕組みです。圧縮空気エネルギー貯蔵(Compressed air energy storage、略称CAES)は、数十年に渡り技術者の間では、注目すべきコンセプトでした。しかし、技術的な難しさとコストが大きな障害でした。現在、エネルギー価格の上昇に伴い、クリーンエネルギーの需要が増すことになり、圧縮空気技術を実践することになったようです。

大規模な電力を生産するためには、圧縮空気を保存するのに十分な収納場所が必要であり、その不足は大きな問題です。サステインXは、地上貯蔵システムを採用することで、この問題を解決しました。従来のタービンシステムは、地上貯蔵タンクでは稼働しませんでしたが、サステインXは、ピストンを導入しました。これは、コスト効率もよく、しかもより良い圧縮能力を持ちます。そして、より多くのエネルギーを保存することができます。したがって、地上貯蔵タンクは、同じ容量の地下の洞窟よりも多くのエネルギーを保存することができます。さらに、タンクの圧力が低く、タービンが稼働しない場合でも、ピストンは、より広い範囲の圧力で機能することができます。

空気の圧縮は大量の熱が発生し、減圧には熱を必要とします。圧縮時に発生する熱は殆ど無駄にされます。圧縮時に発生する熱を保存することができれば、CAESの効率を向上させることができます。サステインXは圧縮の際、発生する熱を吸収するため、シリンダー内に水のスプレーを導入し、減圧時にその温水の熱を利用しました。これでエネルギーの無駄使いを無くし、エネルギー効率を54%から95%まで引き上げました。サステインXは、貯蔵シリンダーでピストンを稼働するために電気を使用しています。エネルギー放出の際、減圧された空気はピストンを動かし、発電機が稼働するようになっています。

サステインXは、より良いエネルギー効率のために等温圧縮空気技術に取り組んでいます。しかし、地上貯蔵タンクは電力生産量が限られるため、地下貯蔵洞窟の方が経済的に実行可能とみなされています。

 

Via: Technologyreview

Today's Top Articles:

Scroll to Top