グリーンの自動車:
BYD社は、東南アジアで急成長しているグリーン・エネルギー関連の企業です。しかし、これらの中国の自動車メーカーはつらい時代を迎えています。伝説の投資者ウォーレン・バフェット氏のバックアップがあっても、売上の35～65パーセント下落しています。今年のBYDの救世主と成りえるのが、新しい全電気e6です。この自動車は、大量生産された電気自動車中で最速の186マイルを出すことができます。
待望の自動車は2010年にアメリカで最初に販売されました。BYDは、プラグ・インのハイブリッド・セダンであるBYD F3DMがハイライトされましたが、これは世界初のプラグ・イン式のハイブリッド車両です。中国は日本を抜いて世界で最大の自動車市場となり、2015年までに100万台の電気自動車が路上を走行するようになります。電気自動車は、確実に中国の空気汚染と環境問題を減らす手助けとなるので、市場での競争率が高くなることでしょう。
グリーンの要因:
BYDは環境にやさしいバッテリー生産の技術で知られていますが、これは電気自動車を製造する際の利点となります。BYD電気自動車は、リチウムイオン電池より安全であることが証明されたリン酸鉄バッテリーを使用しています。充電中や放電中でも発火することがなく、極端な温度差があっても取り扱うことができます。第一鉄イオン・バッテリーは、有毒なコバルトをベースとしたリチウムイオン電池に代わって使われています。さらに、商品寿命が長いことでも知られています。第一鉄は豊富にあるので製造原価が低く、今後の自動車の価格競争につながるでしょう。バッテリーに動力を供給する化学物質はすべて再利用することができます。
パワートレイン:
2010年に、BYDは全電気バスをチャンシャー市とシェンチェン市で発売を開始しました。シェンチェンでは既に約50台の電気自動車が使用されています。ある自動車の走行距離は440万kmを越えており、そのうちの1台は150,000kmをクロスしています。バッテリー容量は140～185 Ahで75kWの出力があります。最高速度は87mphで、最長距離は186マイルです。加速は14秒で0～60mphです。バッテリーの充電サイクルは6000回まで使用することができます。潜在的購入者の安心感を得るため、10年の保証が付いています。同社は、プリペイドの充電ステーションをシェンチェンに作る予定です。
良い点:
リチウム電池は、電解質としてレアメタルが使用されているので高価なことが知られています。対照的に、この第一鉄は安くて豊富にあります。新しいBYDは特に「i」システムに多くの突破口となる技術を盛り込んでいます。これは、スマートフォンとクラウド・コンピューティングを運転の補助機能として使用することができることを意味しています。スマートフォンで自動車をロックしたり解除したり、リアルタイムで情報を探索したり、事故が発生した場合には、サービスコールセンターに即座に連絡することができます。それはモバイルのデジタルTVやDVD、そして音声ナビゲーション・システムなどの機能があります。ITは、移動通信ネットワークにもインターネットにも常に接続されているので、あなたが電話やダッシュボードなどから操作しなくても様々な機能を利用することができます。また自動車の位置やフライト・スケジュール、株式市場や天候を自動車に座ったままで知ることができます。ITは、装置との安全なドッキング・リンクを作り、それらは「自動車をネットワーキングする」インフラストラクチャーとして呼ばれています。186マイルの走行距離は、全電気自動車の中で最長距離です。
悪い点:
主な不便さとしては、家庭用のソケットから充電することができないということです。BYDは中国政府に働きかけ、充電ステーションの数を増やすための手続きをしています。しかし、その進行状況は極めて遅く、また、技術者と同様に政府は、電気自動車についての考えを、一般大衆に浸透するような作業を行わなければなりません。BYDは、現在別の中国の会社、チャイナ・サザン・グリッド社と自動車を自宅で充電できるようなキャビネットを開発しています。
価格と供給力:
e6の価格は、約56,900ドルですが、政府から18,000ドルの補助金があるので、実際価格は38,430ドルを予定しています。価格と機能は、日産やゼネラル・モーターズのような大手企業との競合によって設定されます。BYDは世界で重要な自動車とテレコミュニケーション技術のメーカーになることを目指しています。