人間の排泄物を何かに役立てることはできるのか、考えたことはありますか?ただ考えているだけの時代は終わりました。インペリアル・カレッジ、ダーラム大学そしてロンドンのマンチェスター大学の研究者チームが、人間の排泄物から水素エネルギーを回収し、飲料水を精製する装置を開発したのです。このチームは研究のために、2000もの参加者の中からマイクロソフト社の社長、ビル・ゲイツ基金の助成金を勝ち取りました。開発した技術により、発展途上国において廃棄物やからクリーンな飲料水やエネルギー、持続可能な水素エネルギーによる電気を生み出すことを期待しています。
この装置は持ち運びが可能で、遠隔地や家の中に取り付けることができます。この技術はバクテリアを取り込む多孔質の骨格と金属ナノ物質を基本としています。スラッジがこの骨格を通るときに漉しとられ、老廃物に反応して使用可能、または貯蔵可能な再生資源が生まれるのです。
このプロジェクトの初期段階では、チームは独立式の衛生機器を開発します。下水システムが無い発展途上国でこの技術を使うには、その方が安価で使い安いものになると考えたからです。下水システムがある地域においては、この機器は下水システムに組み込むことが可能です。
チームはまた、この技術をメタンや電解質、アンモニアといった人々の役に立つ物質を抽出するリサイクルユニットに応用することも目指しています。この装置は現在流通しているものよりもさらに効率のよいものとなるはずです。
こうした革新的技術は、自分が使うエネルギーや、1日に1~2度おこる生理現象から豊かできれいな水を自身で生み出すことができる、よりクリーンな場所へと変えるでしょう。研究者チームは、このプロトタイプを2013年までに開発することを目指しています。
Via: Imperial