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高度風力発電法のいろいろ

私たちが代替エネルギーと言って真っ先に思いつくのが太陽発電と風力発電です。太陽発電の利用はは過去10年ほどで飛躍的に伸びたものの、風力発電に関してはまだまだマイナーなイメージが付きまといます。2000年には17.4ギガワットの発電総量が2010年にはそれまでの10倍にものぼる175ギガワットまで飛躍したのにも関わらずこの状態なのですが、それには理由があります。太陽発電は予測が可能で計算しやすい一方、風力発電は季節や一日の気候の流れに左右されやすいのです。

信頼性が代替エネルギーの実用化には不可欠で風力発電はここに欠点があるのです。しかし高度風力発電(HAWP)はこの不確かさを改善して風力発電に明るい未来を示してくれそうです。高度の上空では風量も強く一定で地上での16倍もの電力の発電が可能です。地上のステーションを通して電力を供給することで地球全体を風力発電でまかなうことも夢ではないという声もありますが、果たしてそうでしょうか?

次代を担う大きな夢

エアボーン風力発電機

アルタエロ・エナジー社が開発を進める最先端の空飛ぶ風力発電機です。構造は見た目と違っていたってシンプルで、ヘリウムガスを含んだ風船のようなもので高度も自由自在に調節可能です。同社はプロトタイプのテストに成功しており上空高度350フィートで発電を成功させています。一刻も早い実用化が待たれます。

空飛ぶ発電機

スカイ・ウィンドパワー社によって作られたスターウォーズに出てきそうな発電機はH字型の基盤に羽が付けられて、風の一番良い状態を求めて上空15000から30000フィートで漂いながら発電します。基盤にはそれぞれ4つの回転羽が付いており地上とつながったアルミのケーブルで地上へ送電します。同社は一部の上空エリアを借り切ってたくさんのこのような発電機を上空に設置させたい意向です。

発電凧

マカニパワー社は高度発電に対してよりシンプルなアプローチをしています。それは巨大凧で発電しようとするもので、地上のロボットによって繋ぎ止められる仕組みです。どうやって発電するのかは具体的になっていませんが昔ながらのスタイルで行くのは確かなようです。

NASAの提唱するT-wind

高度発電にはNASAも感心を示しており、特に海上での利用によって商業用一般飛行機や空軍の邪魔をしないように気を使っています。しかし発電した電気をどうやって地上に送るのかが問題となるのですがこのT-windに代表されるように対策が練られています。このシステムは2つの巨大風船に、帆が付けられ上空2600フィートで発電しながらナノチューブケーブルを使って電力を送ります。

追い風の点

すでに触れたように高度の高い上空では発電に適しています。一番大事な点は一定の発電量が確保できる点で、年間を通し同じ量の電気を発電することができます。地上での風力発電に比べても10倍の発電量を誇り、高度が上がるにつれて風速が3倍になると発電能力は27倍になります。また地上の設備がほとんど必要ないのも利点です。

逆風の点

大きな難点といえばまずは上空スペースの確保でしょう。加えて上空での発電と地上への送電の効率化においていくつかの技術革命が必要です。コスト面も高く、政府の金銭面でのバックアップが必要となります。

この先の展望

統計だけ見れば高度風力発電のみで地球全体の発電をまかなうことが可能になります。しかい現実的には実用的な発電量を実現するのに向けてもまだまだ時間がかかります。科学的進歩と高度風力発電推進の動きが合わされば向こう数十年でより実用的になることは期待できます。最初の一台が稼動に成功すれば、すぐに多くが追随することでしょう。

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