プラスチック製品が環境に与える悪影響はわれわれにとって大きな悩みのタネです。いろいろな形で利用されるプラスチックの中でも、クレジットカードはとくに問題です。カードといえば銀行のATMや各種会員証など、私たちの身の回りで多く利用されていますが、有効期限が切れると使い物にならなくなってしまうという点がどのカードにも共通しています。そのような有効期限切れのカードは結局、ゴミ埋め立て地に運び込まれる運命にあります。というのも、クレジットカードに代表されるタイプのカードは利用されるプラスチックの特性上リサイクルが大変難しいのです。したがって、およそ50万枚にも及ぶ(近代社会においては少なく感じるくらいの数値ですが)このようなカードが重さ1200ポンドものゴミとなってしまいます。そこでその問題を解決すべく、この「MTVグリーン」の登場となるのです。
さて「MTVグリーン」とはそもそも何なのか、、、答えはズバリ!使用済みや期限切れのカードからギターピックを作り出すことの出来る機械のことです。利用の仕方もごく簡単で、カードを挿入口に差し込んでレバーを引くだけでギターピック状にカットされたプラスチックカードの一部が出てくる、という仕組みです。環境にやさしいパッケージ製品を製造するバイオフィーナグループは、これこそまさに「お役立ちマシーン」の典型的な例だと絶賛しています。考えてみれば、「プラスチックの無駄」をテーマに音楽が作られることはあっても、無駄になるはずのプラスチックを用いて音楽が奏でられることは今までにない面白い現象ですね!
エコフレンドリー社会の推進には創造力をふんだんに用いることが求められます。黙っていればただのゴミとして扱われてしまうものも、アート作品やお役立ちアイテムとして生まれ変わることが出来るのです。使用済みクレジットカードをギターピックに変えるアイデアもそのような中から生まれました。ギターを「ピック(弾く)」するために自然にやさしいオプションを「ピック(選択)」したMTVの目の付け所には頭が下がります。