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未来完了形:家を冷やすために太陽を使う

Using the sun to cool your home

今何が起きているのか?

夏の期間、気温が上がり始めるにつれ、エアコンの使用もまた増えます。これがエネルギー需要の急増につながり、公益事業はしばしば対処するのが困難となっています。2006年の4月を例にすると、テキサスでは、夏の気温が例外的に高かったとき、大規模な停電がありました。ですからそれ自体が住宅を冷却するのに使うことができる太陽の放射という解決策を検討するのはとても魅力的なのです。

エアコンについて考え始める前に、自分の家を、ほとんどお金をかけず、エネルギーを使わずに涼しいままにするためにできる、必須のステップががいくつかあります。そういったものの中には、窓を、東に面しているものは朝閉めたままにしておき、午後には西に面している窓を閉めたままにし、窓の色調を明るいものか、太陽を反射する色にする、といったことが含まれます。天井に取り付けられている扇風機(ファン)は、部屋の空気を循環させるのに役立ち、室温を3度から5度まで下げることができます。

床にすえつけられているものや、テーブルトップの扇風機(ファン)は、効果は天井のものよりも劣りますが、座る場所やダイニングエリアといった、部屋の特定の場所を快適にするのには適しています。乾燥した気候のエリアでは、“スワンプ・クーラー” (ミスト散布する装置)のような、蒸発冷却が有効です。そうした装置では、空気を吹き出す扇風機の後ろのバッフルに連続して流れるように水がくみ上げられます。その空気は水を蒸発させ、空気からその水が奪った熱はエアコンの効果と同じような涼しい空気の流れを作ります。

このシステムは、水が蒸発せず、より高い湿度がその条件を一層抑圧的にするので、海岸近くのような湿度が高い地域では同じような快適さを提供することはできません。一旦これらの低エネルギーの代替品が適用されれば、他の選択肢はエアコンです。 エアコンのほとんどは、後に空気を吹き出すファンの上のクーラーのチューブに膨張する、冷媒ガスを圧縮するための、モーターで作動するコンプレッサーを使用しています。

この涼しい空気は家の中を循環します。現在のエアコンは、以前に作られたものより、ずっと省エネですが、冷暖房は、家庭の電気使用のおよそ50%に相当していることを覚えておくことが大事。ソーラーエアコンは普通の電気を使う代わりに太陽光発電の電気で家を冷房するというシステムの総称です。2007年米国のエネルギー独立性及び安全保障法は、ソーラーエアコンや、一般の電気を使うエアコンを使っている私達の選択肢を増やすような幅広い新製品の開発をサポートするために資金提供をしています。

傾向

1. コロラド大学の学生、太陽から氷を作る

Ice from Sun

2007年のソーラー十種協議で披露されたこのコンセプトでは、学生からなるチームが、この1400平方フィートの住宅が、8.8KWの太陽光パネルを屋根に設置して電機を生成することができることを実証しました。それに加え、その太陽光エネルギーは、屋根の上にあるタンクの水を加熱します。冬では、このお湯がラジエーターコイルを通り、家を暖房してくれます。 お湯を貯めるタンクは容量が十分あるので、太陽光エネルギーで水が加熱されない夜の間でも、お湯が家を循環することができます。夏は、そのお湯は空気を冷やす、蒸発冷却システムを稼動させるために使われます。

屋根の上の水のタンクは夏に家を涼しい状態に保つ、更なる利点としての役割があります。ところで、太陽からの氷作りは、サンホセ大学のチームによってなされており、湾曲した太陽光反射材がエネルギーを、氷を作るために冷媒で一杯になっているチューブに送りこむことで氷を作ります。

2. スマートな家のための、ソーラーエアコン

Solar Powered air conditioning

ソーラーエアコンの、シンプルな適用とは、従来のコンプレッサーで作動するエアコンを動作させることのできる太陽光発電パネルから電力を作ることでしょう。12フィート×12フィートの部屋の冷房に使う、1トンの容量を持つ典型的なエアコンは、およそ1.5KWの電力が必要です。

より高度なアプリケーションは、太陽光エネルギーが水をあたため、その熱源が冷却システムを作動させるものとして機能する蒸気吸収冷却をつ合うことです。太陽光で水を温めるということは、その水が約70度程度までしか加熱できないので制限があるのですが、吸収式冷却装置だと約88度である必要があります。 これには一般の電気による補助的な過熱が必要です。

3. NRELによる省エネエアコン

Energy-saving air conditioning by NREL

2010年に、国立再生可能エネルギー研究所( NREL )は、“スワンプ・クーラー”の蒸発を超え、大幅に進歩した新しいエアコンのシステムの開発を発表し、DEVap(乾燥剤で強化された蒸発冷却という意味)と名づけられました。その名前が示すとおり、空気が冷却される前に、空気から水蒸気を除去するのに乾燥剤を使うのです。こうすると、湿気の多い気候においてでさえも、蒸発冷却装置を使うことができるようになります。乾燥剤は水蒸気を吸収させる素材で、産業の用途で使われています。また、それは湿気を防ぐために私達が買う、電子機器の中に見つけることの出来る、小さな袋に入った素材でもあります。

NRELは乾燥剤として、高濃度の塩化リチウム、もしくは塩化カルシウム塩溶液を使います。これらは、空気中の水蒸気を膜の表面にしずくとして堆積させるように、薄い膜と共に使われます。除湿された空気はそれから蒸発冷却プロセスで冷却されます。上の写真で、赤のパッチは熱く、湿った空気で、それが涼しく、乾燥した空気を示すブルーのパッチに変わります。“スワンプ・クーラー”が従来のエアコンより使う電力が50%から90%少ないため、湿気の多い気候での、蒸発冷却の制限という問題を解決するこの新たな開発は、省エネエアコンの導入において、重要な前進なのです。

4.ハロルド・ヘイによるスカイサーム

Skytherm

ハロルド・ヘイ氏は1960年代に、電気を使わずに家の暖房・冷房をする、シンプルな屋根の池のシステムを提案しました。彼は自身の考えを実証するために、カリフォルニアに家を建てました。その考えは驚くほどシンプル。家には波型の金属屋根(トタン屋根)があり、そこには水で一杯のビニール袋が置かれています。水の深さは一般的には4インチから10インチ。

その水が入った袋の上には、モーターで作動する、断熱屋根が置かれます。家に冷房が必要な夏には、断熱屋根が水の入った袋を覆い、水が温められるのを防ぎます。水は金属屋根を通して、家から出る熱を吸収します。外の空気が涼しくなる夜には、断熱屋根は収納され、水は熱を空気中に放出し、金属屋根と家を冷却します。 このコンセプトは、タールで舗装された道が、日中には暑くなりすぎて、夜には冷たくなるのと同じコンセプトです。

家に暖房が必要な冬には、断熱屋根は開けられたままになり、水が太陽熱で温められてその熱を金属屋根に送るようにします。夜は、水の熱を保持するために、断熱屋根は閉められます。ヘイ氏のコンセプトは水が熱を吸収する能力を使います。 当初、この考えは変人の考えとして却下されましたが、その後、研究者たちはこの屋根の池が実行可能な解決策であることが分かったのでした。

5. ソーラーファン

Solar Fan

英国のバーミンガムを拠点とする発明家、スチュアート・ジェームス・シャープルズ氏によるソーラーファンは、車の中や、オフィス、家などで、個人的に冷房として使うことのできる小さな扇風機です。扇風機には内蔵された太陽光電池パネルと4つの吸盤があって、窓ガラスや他の、太陽の光を捉えることのできる表面に取り付けることができるようになっています。 扇風機自体はネックに取り付けられており、空気の流れを調節するのに傾けることができます。

コンセプト

夏に冷却するための、3つのアプローチは、受動的な冷却、太陽熱冷却、太陽光冷却ということができます。受動的な冷却の方法は、サンシェードを使うとか、木や植物を使ったり、熱を反射する塗料やタイルなどを使うといった、真っ先に取られるべき常識的な手段を含みます。

太陽熱冷却の方法は、“スワンプ・クーラー”や屋根の池といった、より革新的なアイデアを含みます。太陽光冷却はもちろん、従来のエアコン機器を作動させるのに太陽光エネルギーを使うというものです。 冷暖房が、家庭の電気使用の50%程度を占めるため、このことに、いかなる注意も払う必要があるといえるのです。

利点

受動的な冷却と、太陽熱冷却を家の設計に取り込めば、1年のうち数ヶ月間は(夏のピーク時の数ヶ月を除いて)集中的なエアコンの使用は避けたり、減らしたりすることができます。これらのオプションを考えずに建てられている住宅を改造するよりも、コストを減らすため、これらの方法はあらかじめ家の設計に組み込まれる必要があります。

影響

太陽は、私達の冷却に必要とするエネルギー全てを提供することのできる、クリーンなエネルギー源です。省エネな冷却の方法を取り入れるのは、私達の電気代を減らすだけでなく、また、需要の高いピークの日でも電気を提供し続けるために、“待機”する能力を持たなければならない従来の電気を節約することができるということなのです。 資本集約である以外にも、こういったスタンバイの能力を持たせるということは、しばしば化石燃料を燃焼させ、更なる温室効果へとつながっているのです。私達の冷却のために、太陽光エネルギーを導入することは、私達の二酸化炭素排出量をコントロールする、重要な一歩となることでしょう。

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