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バクテリアを環境保全に利用する賢い方法

バクテリアという言葉を聞くと大抵は病気を引き起こす原因と連想してしまいがちです。確かに破傷風や腸チフス、ライ病にコレラなどはバクテリアによって引き起こされますが、バクテリアは全種類が人体に悪影響を及ぼすものではないのです。なかには私たちの暮らしに好影響を与えてくれるものもありますから、ここではそれら5つのケースを見てみることにしましょう。

漏れたオイルをきれいにする

バクテリアのなかには海洋オイル汚染の清浄化にとても役立つものがあります。原油はバクテリアの食物の宝庫ですし、炭化水素で汚れたエリア(オイル漏れのケースでは原油に相当)にニトロゲンやリンが加わるとバクテリアにとっては繁殖にもってこいとなるのです。このようにしてオイルをきれいにした後にバクテリアは自然死しますが、このことによって自然環境に悪影響を及ぼすことは全くありません。これまでにもメキシコ湾やペンシルバニア州デラウェアでのオイル漏れの際にもバクテリアが海面清浄化のために用いられました。

環境汚染を清浄化し発電効果も与える

科学者たちは長期にわたってそれぞれ環境汚染を清浄化することの出来るバクテリアと電気を発電させることのできるバクテリアについて研究してきましたが、このたびその両方の効果を持つバクテリアを発見しました。デサルフィトバクテリアと呼ばれるバクテリアはプリント基板などの汚染物質を自然に分解し同時に電気を発電することが出来ます。もうひとつのシェワネラと呼ばれるバクテリアは深海の低酸素エリアに生息し、発電能力を持つことが知られています。これらのバクテリアは定期的に食物を与えてやることで継続的に発電をすることが出来るのです。

メタンをメタノールに代謝変換させる

地球が直面している大きな問題の一つは温暖化です。これは運搬用や発電用の燃料の燃焼によってつくられる温暖化ガスによる影響によるものですが、なかでも温暖化に大きく影響を及ぼしているのがメタンガスです。科学者たちはメタンを代謝させて大気中のメタン量を減らすことができるように研究を続けてきましたが、ついにメタンを重金属の銅などを介してメタノールに変換することの出来るバクテリアの発見に成功しました。このバクテリアには3つの長所があります。一つ目は大気中からメタンガスを除去することで、二つ目は人体に影響を及ぼす重金属の量を削減、三つ目は生成されたメタノールは燃料として利用できるという点です。このバクテリアはメタノトロフスという名で知られており、メタンガスをメタノトロフスの入ったフィルターを通して発散させて、それにより発生したメタノールは付属の容器に入れて保存しておくことが出来るという仕組みです。

新聞紙を生物燃料に変える

化石燃料が急速に枯渇していくなか、これが解決策となるかも知れません。ここで触れる特殊バクテリアはTU-103と呼ばれ、ニューオーリンズのトゥレーン大学においてデイビッド・ミラー助教授によって発見されました。このバクテリアはセルロースをブタノールに変換できますが、なんといってもセルロースはオーガニック体の中にはほとんど入っているものです。紙・ガラス・葉・コーン・砂糖精製の残りかすなどがその一例で、この発見により生物燃料作成の費用を削減できて農家にとっても生物燃料用作物の栽培に必要な土地の使用もなくなり、関連したプレッシャーからも開放されます。バクテリアは対象の素材をかなり分解できるため埋立地の使用スペースも大幅に軽減でき、ブタノールから発生する有害ガスの濃度はガソリンに比べてかなり低くなります。

うつや心配性の治療用

バクテリアの中には私たちの体の中に共生して歯の健康や食べ物の消化に一役買っているものもあります。これらは有益バクテリアとして知られ、最近ではカナダのマクマスター大学の研究チームがこのバクテリアの新しい利用方法を発見しました。彼らは実験用マウスの一つのグループにラクトバシルスJB-1を投与し、もう一つのグループにはただのスープを与えました。その結果、JB-1を与えられたマウスは不安・うつ・ストレスに関する行動が見られにくく、ストレス性ホルモンのコルチコステロンに至ってはただのスープを与えたグループのマウスに比べて明らかに少ない量が観察されました。したがってこの実験結果が人間の精神性障害に新しい解決を与える基盤になる可能性が期待できます。

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