Home 環境保護の家 日光を最大限に利用する窓の大きさをどうやって決めるのか

日光を最大限に利用する窓の大きさをどうやって決めるのか

by admin

世界中の電気使用量のおよそ1/3を占めているのが、照明です。残念なことに、太陽の光が差し込む日中にも、商業施設の中では多くの電気が使われています。それは、これまで商業施設のデザインには太陽光を取り入れるというアイディアがなかったためです。環境への配慮が高まり、また高い電気代が考えられるようになった今日、商業施設も太陽光を可能な限り取り入れるものに変わり始めました。

Maximizing daylight through windows

ただ建物の壁をガラスに変えればいいというものではありません。壁に取り付ける窓の数には、科学的な裏付けがあります。太陽光を取り入れることにより節約されるエネルギーは、窓から失われる暖房や冷房エネルギーで相殺されます。また窓は、その建物の中で働く人々の心地よさと健康に貢献するという側面もあります。

窓の大きさを決める科学的根拠

太陽光には、太陽からの直接光線と、空から反射される拡散光の2種類があります。密集した繁華街のオフィス街では、この2つに加えて、他の建物からの反射光もあります。こうした建物は直接光線を遮り、空の視界が限られます。建物に必要な窓の数と大きさは、これら3つのパラメーター関数で決められるのです。

建築家たちは、WWR(window-to-wall)比率と呼ばれる基準を使います。WWRは、建物の外壁でガラスが占めるエリアの純比率です。良い設計の建物におけるこの比率は0.25~0.35で、0.35が標準です。0.35という数字の意味は、外壁面積の35%が窓であるということです。

2つ目の重要な基準はOF(Obstruction Factor/阻害要因)と呼ばれ、窓が開くかどうかの基準です。もし90%以上の窓が開かない場合には、OFは0.4になります。また、空かない窓の割合が50%以下の場合には、OFは1.0となります。建築家たちは、周囲の環境を考慮し、精巧な建物のデザインモデルを使ってOFを計算するのです。

窓の大きさを決める3つ目の要素は、ガラス材の選択です。透明な一重窓ガラスの可視光線の透過がもっとも高く、VT値は0.89です。これは窓に降り注ぐ可視光線の89%が、ガラスを透過するという意味です。二重窓を使用した場合には、この値は0.80に下がります。ティンテッド・グラス(薄い色がついた反射ガラス)を使用すると、一重窓の場合は0.70、二重窓の場合は0.65になります。

WWR、OFそしてVTの3つの要素を持つ製品は、太陽光をエネルギー効率よく取り入れるために0.25以上でなければなりません。建築家たちはこれら3つの割合を計算し、それぞれの建物に最適な数値を導きだすのです。

窓の面積が増えると、冬季の暖房や夏期の冷房のエネルギー損失が増えます。このエネルギー損失は、照明のためのエネルギーを節約することにより相殺されるように、最適なデザインを行うのです。

居住快適性における窓の役割

様々な調査により、オフィスビルで働く人々は、自分のデスクから目線の位置に窓がある場合に、快適であると感じることが分かりました。この調査結果により、間仕切りのない執務室を窓のついた外壁に近い方に配置し、ミーティングルームなどをオフィスフロアの中央に配置するオフィスの内装デザインが取り入れられるようになりました。中央部に配置されるミーティングルーム等はいずれかのサイドがガラス張りになっており、窮屈な感じにならないように配慮されています。

これらの調査ではまた、時間につれて変わる窓の外の景色が執務室の快適性を向上させるのに役立つことも分かりました。隣りのビルの壁しか見えない窓には、居住快適性を高める働きはありません。そこで建築家たちは季節ごとや、風によって変わる木を眺められるような位置に窓を配置します。交通量の多い道路をのぞむ窓であっても、いつでも同じ建物のフェンスよりは居住快適性が良いのです。

居住快適性のための窓の設置は、エネルギー保護とのバランスをとらなければなりません。その窓が直射日光を受けるところにあれば、熱とまぶしさで不快になることがあることもあります。建物の東と西にある窓は、特にこのことに留意する必要があり、こうした窓には、太陽光の強度がリミットを超えた場合に自動で動く、ルーバーやベネチアン・ブラインドを設置する必要があります。世界では、これらの要素は季節ごとに変わる太陽の進路によって変わります。たとえば英国においては、ほぼ年間を通して曇っており、直射日光を受けられる日は何日もありません。

バルコニーやオーニング(日よけ)、埋め込み型窓などといった建物外部の機構を窓への直射日光を遮り、まぶしさを減らすために使われることもあります。まぶしさを軽減するため、格子のファサードを設ける建築家も多いです。また、居住快適性のための目線の位置の窓と、小さな明かり取り窓を組み合わせる方法もあります。

最後に

太陽光を取り入れることによってエネルギーを節約するように設計された建物は、居住者の快適性も実現します。建築家やビル建築技術者たちは、太陽光を最大限に利用するための商業ビルや高層アパートの設計に、革新的なアプローチを取り入れています。

 

Today's Top Articles:

You may also like