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環境に優しい原料と有機物質から作られる石膏ボードとドライウォール

何世紀にも渡って壁や天井にはしっくいが使われ、その上に塗料が塗られています。しっくいは粉末の石膏や石灰、セメントをペースト状にしたもので、水と混ぜてを壁に塗っていきます。水と混ぜることにより発熱し、ペーストを凝固させます。1950年代に登場したドライウォールや石膏ボードが従来の壁つくりのやりかたを変えました。シートロック(石膏ボード)とも呼ばれるドライウォールは、粉末石膏を紙やガラス繊維で挟んだ、建物の内壁として使われる既成の壁です。

製造方法

ドライウォールはスタッコ(しっくい)作成、配合、形成、乾燥、仕上げの5段階を経て製造されます。石膏は短時間焼成し、ある程度乾燥させます。粉末は紙パルプや繊維、または他の添加剤と混ぜ合わせられ、耐火性、防湿性、防音性等、それぞれの目的に合う特性のものを作ります。このスラリー(液体と不溶性の固形物をまぜたもの)に水を加え、空気を混入させるための活面活性剤を加えることにより、板を切ったり合わせたり、釘を打ったりできるようになります。そしてスラリーをベルトコンベアの上の長い紙のロールの上に注ぎ、その上から別の紙のロールを載せて挟みます。紙で挟まれたスラリーは圧縮され、用途に合わせた厚さと角に成形されます。そしてパネルのサイズにカットし、炉に入れて乾燥させます。

種類と取り付け

ドライウォールは大まかに耐火タイプ、防水タイプ、その他のタイプに分類されます。一般的なサイズは幅48インチまたは54インチ、厚さ1/2インチまたは5/8インチで、高さは様々です。取り付けは非常に簡単ですが、最大の課題は天井です。重要な部分の作業が終れば、作業全体は1~2日ですべて行うことができます。パネルを希望の大きさにカットし、ねじを使って壁や天井に取り付けます。継ぎ目はジョイントテープでしっかりと固定します。

原料の組成

ボードの主な原料は石膏と紙です。石膏は世界中でふんだんにん入手することができ、また排煙の脱硫処理の副産物としても組成されます。この副産物は合成石膏と呼ばれ、純粋な石膏と様々な割合で配合してドライウォールの原料となります。また使用される紙はほとんどが再生紙です。トウモロコシやでんぷん等再生可能な原料を結合剤として使用しており、ボードのタイプによって選ばれる添加剤をごく少量加えます。

ドライウォールは、火がつくと破壊され気化して延焼を防ぐため、受動耐火素材と言われています。

塗料や塗装剤に含まれる有機化学物質である揮発性有機化合物(VOC)は、環境や人体に多くの害を引き起こします。室内で使う材料のVOC排出量を減らすことは、環境に優しい建築物を建てるためにまず考えなければならないことです。石膏ボードはVOC排出量が少ないと考えられています。現在、大半のドライウォールは再生原料から作られています。石膏自体は無害で環境に有益であると考えられています。また製造過程におけるエネルギー消費や二酸化炭素発生量を減らすための改良が継続的に行われています。

素材が元来もつ性質と、その製造工程から、石膏ボードは環境に優しい建材であると認められています。

ドライウォールのリサイクル

頻繁な立て直しや改装で廃棄されるドライウォールが増えています。以前は廃棄場に捨てられ、不適切な廃棄は環境へのダメージを引き起こしました。そして政府や環境活動家により廃棄されたドライウォールのリサイクルへの取り組みが始まったのです。取扱いや廃棄について、数多くの研究調査が行われました。ドライウォールを粉砕すると、石膏、裁断された紙がおよそ90%、少量のごみになります。石膏は土壌処理や、新たなドライウォールの材料として使われます。

 問題

今世紀初頭、アメリカの建築業界はドライウォールの急激な需要増加に直面し、中国から多くを輸入しました。アメリカのある地域では硫黄排出量の増加が認められ、それにより多くの健康問題が発生しました。銅の腐食や悪臭への苦情が寄せられ、後にこれは特定の地域においては黄鉄鋼硫黄が硫黄成分の放出させ室内の空気環境を悪化させたこということが分かったのです。

その他には、それほど深刻な問題ではありませんが、古くなった水道管がドライウォールにカビを生じさせる原因となること、防火性に対する過信や天井に使われた場合のたるみなどがあります。場所や天候、建物の種類に応じて適切なタイプのドライウォールを選び、取り付ける前に注意深く設計する必要があります。内装は、環境に優しく快適な環境を作るために非常に大きな役割を果たします。

 

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