地球の温室効果排気ガスや、上昇するガソリンの価格は、世界中の自動車業界が電気自動車を導入する、2つのインセンティブとして機能しています。最初の電気自動車はかなり昔の1893年には作られていたのですが、20世紀に入るとガソリンエンジンに対抗できずにすぐ負けてしまいました。低価格なガソリンと、拡大する道路網が、個人の車の所有の急速な拡大につながりました。 1世紀以上も、全ての研究とエンジニアリングの焦点は、ガソリンで走る自動車に当てられていました。新しい電気自動車が道路で走行し始め、走行可能な距離や、バッテリーの充電時間などの問題を解決するために高度な技術が使われることで、ガソリンエンジン車の売り上げは減少することでしょう。しかし、世界中で運転されている何百万ものガソリン車には何が起きるのでしょうか? 引き続き、高くて汚染するガソリンで走るべきか、それともその車が十分使われた時点でスクラップ行きにするべきか? DIY愛好家達は、古い車でも電気自動車に改造することができることを示し、新しい車の改造業界はこの質問に答えを建てるための方法を打ち出しています。
1. アウディTT エレクトリック
ジョージア工科大学で、自身をソーラージャケッツと呼ぶ50人の学生たちからなるグループが、バックヘッドエココレクションイベントでこのソーラー電気自動車を展示しました。学生達はアウディのTTクーペをソーラー電気自動車に改造したのです。改造されたアウディには2つのバッテリーがついています。1つのバッテリーはヘッドライド、ラジオ、パワーウィンドウやブレーキアシストシステムといった、補助的なものを操作し、車のトップの表面に貼り付けられている薄型太陽光電池パネルによって充電されます。ヘッドライト、ラジオ、パワーウィンドウやブレーキアシストシステムといった補助的なものは、車の上の表面につけられているこの薄い太陽電池パネルのフィルムが動力となります。メインから充電される2つ目のバッテリーは62kWのドライブモーターに電力を供給します。このソーラー電気自動車は現在、70マイルの走行可能範囲を有していますが、リチウムイオンバッテリーパックを更に加え、この距離を140マイルまで延ばす予定です。
このソーラーカーはオーストラリアのダーウィンからアデレードまでの1877マイルにかけて行われる2011年ワールドソーラーチャレンジカーレースに出場する予定です。このレースはエンジニアの技術専門学校がソーラーと電気自動車の高度な技術を実証するためのレースです。
2. 1994 サターン
バーリントンのグッドニュースガレージのボランティアにより改造された、この1994サターン電気自動車はおよそ1万ドル程度費用がかかりました。この改造車の最高速度は結構速く、時速65マイル。そして、オール電気自動車の走行可能な範囲はおよそ35マイルです。バッテリーは6時間で再充電することができ。オフィスまでの日常的な通勤にぴったりです。
3. DIY電気自動車は古い鉛蓄電池で200マイル走行する
もう一人のDIY愛好家、David Cloud氏は、古い1997年製のこのジオ・メトロを電気自動車に改造しました。2つの後輪に8インチのADCモーターを使い、12ボルトの鉛蓄電池を動力としました。この車は時速72マイルの最高時速が出るそうで、また、18秒で時速0マイルから時速60マイルに加速することができるそうです。Cloud氏はまた、走行可能な範囲は200マイルであるといっています。これは、ほとんどの電気自動車よりずっと長い走行可能な範囲です。
4. パーデュー大学の学生が1987年製のポルシェをバッテリーで走るように改造
パーデュー大学の2人の2年生が、この1987年製ポルシェ924Sを電気自動車に改造しました。2人はこの古い車を500ドルで買いましたが、エンジンや他の不要な部品を売ったので、その分はすぐに取り戻せました。フォークリフトモーターを使って、それをディープサイクル放電機能（訳注：ディープサイクルとは、フル充電して、バッテリーが空になるまで放電して使う、バッテリーに対しては負担がかかる使い方のために作られたバッテリーのこと）のために作られた、海洋バッテリーを動力としています。
2人は改造に6000ドル費やし、そのうち4000ドルほどを、州が主催する代替エネルギー改造プロジェクトの賞金で取り戻そうとしています。この電気自動車はパーデュー大学のグリーンウィークエキシビションで展示されました。
5. 薄汚いガソリンのバン、スマートなエコバンに変身!
英国のDIY愛好家、Peter Perkins氏はこのベッドフォードバンを、ソーラー電気自動車に改造しました。Perkins氏は、3つの異なる方法で充電できるようにリチウムイオンバッテリーをインストールしました。 屋根に取り付けられた200ワットの薄い太陽電池のフィルムパネルは、太陽が出ているときにそのリチウムイオンバッテリーを充電します。オンボードの充電器は、Perkins氏のガレージに車が駐車されるとメインにプラグインされます。三脚に取り付けられ、素早く起動する400ワットの風力タービンは車が開放された場所にとまり、十分な風があるときに機能します。
Peter Perkins氏はこのバンにかれこれ5年間ほど取り組んできました。最初は鉛蓄電池のバッテリーで始めましたが、リチウムイオンバッテリーに切り替えたら、その走行可能な範囲は50マイルにまで拡大しました。
6. 16歳がガソリンで走るトラックが電気自動車に
ミシガン州メイフィールドの16歳、Andrew Angelotti君はこの1998年製マツダピックアップトラックを電気自動車に改造しました。彼は、６０hpのモーターの動力として20個鉛蓄電池を使用しました。このトラックは、時速55マイルの最高速度と40マイルの走行可能範囲を誇ります。すでにこの街道トラックを2500マイルの走行に使用しましたが、大きな問題は特にありませんでした。この改造には6000ドルかかりました。今、彼は1992年製のトヨタのターセルを電気自動車にするというプロジェクトに取り組んでおり、そこではリチウムイオンバッテリーと、より強力なモーターを使い、最高速度および走行可能な範囲をより速く、広いものとする予定です。
7. 1965 シェルビーデイトナ
ソフトウェアのエンジニア、Raul Atkinson氏は、だれも彼の好みの電気自動車を作っていないので、ならば自分で作ろう、と決めました。Raptorと名づけられたこのプロジェクトは、完成におよそ2000時間かかると予想されています。この改造された車は、3段階のAC交流モーターと、290ニッケル水素電池を使用します。 走行可能な最大範囲は1回の充電で約80マイル。Raptorは8秒で時速60マイルに到達でき、最高速度は時速100マイルです。
8. 1996コルベットが低排気量の2011アバターに変身
1996年製シボレーコルベットは、その時代でとても愛された車でした。カリフォルニアのDIY愛好家のWayne Bickley氏は自身のジェットブラックコルベットを、2011年の電気自動車に改造しました。ガソリンエンジンをDC電気モーターに取替え、18の鉛蓄電池を設置し、6速トランスミッションを入れました。 走行可能な範囲はたった20マイルですが、この車は時速85マイルまでまで加速することができます。氏はこの車を2年以上に渡って運転していて、この改造後3500マイル以上走行しています。改造にかかった費用は11,000ドルだろうとのこと。
9. AMPがノーザンライツエナジーにメルセデスベンツの初のオール電気自動車を届ける
車の改造をしているのは、DIY愛好家達だけに限ったことではありません。シンシナティのAMP電気自動車は、アイスランドのノーザンライツエナジー（NLE）のために、1000台のメルセデスベンツML３５０ＳＵＶを電気自動車に改造するという、潜在的に1億ドル以上の大規模な受注に対して配達を始めました。アイスランドは水力や地熱のエネルギー源から余剰の再生可能エネルギーを有しています。 NLEは政府や市当局が使用している車両を電気自動車に改造し、そうした政府や市の施設に充電ステーションを設置して、持続可能エネルギーの使用を促進するように、政府と市当局を説得する予定です。
改造された ML 350は、独自のリン酸鉄リチウム電池から電力を得る、後輪に設置された永久磁石の120kWACモーターを動力としています。走行可能な範囲は100マイルで、最高速度は時速100マイル、時速0マイルから60マイルまでの加速時間は10秒となることが期待されています。バッテリーの充電にかかる時間は6時間の予定です。
10. AMP電気自動車は Equinox EVでプラグイン改造パックをリードする
シンシナティのAMP電気自動車はまた、シボレーEquinox2010モデルを電気自動車に改造するものについても予約の受付を開始しました。同社の顧客は、シェビーEquinoxの新車もしくは中古車を買うことを勧められ、AMPがその車を自社の施設で改造する準備ができるまでそれを運転することが勧められています。改造された車は、顧客が買った状態での機能や付属品等をそのまま有しますが、完全に電気化されることになります。AMPによれば、現在のエネルギーとガソリンのコストで、1ヶ月にEquinoxが1000マイル走行するとすると、改造後にユーザーは年間3000ドル節約することができる、とのこと。
AMPのビジネスモデルは、いくつかのよい車に、人気のある機能をつけることに焦点を当て、OEMのような改造をバックアップサービス機能をつけてすることで、一般のユーザーが改造のプロセスに安心できるようにすることです。
