屋内にとどまることが無公害の状態を保つ最良の方法だと考えているかもしれませんが、それは大変な間違いです。調査によれば、特に扉や窓がほとんど閉まっている冬の間は、屋内の空気は屋外の空気よりも30パーセント余分に汚れています。屋内汚染はぜんそくやアレルギーを誘発し、その要因の1つでもあります。屋内に見る主な汚染物質はベンゼンとホルムアルデヒドそしてトリクロルエチレン（TCE）です。しかし、緑の屋内植物があれば、その汚染物質を吸収する特性のおかげで屋内汚染物質への暴露は大幅に削減できます。ここでは屋内の空気を浄化し清潔な休息地をつくりだす屋内植物10例を紹介します。
1. アレカヤシ
アレカヤシは非常に人気の高い屋内植物であり、屋内空気の解毒において最も優れた植物としての試験結果が出ています。アレカヤシは羽根のような葉状体を持ち、小さな木か低木のように見えます。ヤシは薄暗い場所では育たず下部の葉状体が衰弱してしまうため、ある程度の太陽光が必要です。この植物には半日向が最適です。アレカヤシは水分を保持することができますが、夏の間は土が乾燥するため多めの水が必要です。ただ、余分な水には敏感であり結果的に根腐れの原因になるため水のやり過ぎには注意してください。秋期の肥料供給は理想的ですが、肥料の与え過ぎは緑色の葉群を黄色く変えてしまうため適量を守ってください。アレカヤシの葉状体はクモが好むためきれいに保つようにしてください。
2. 観音竹
中国南部に起源をもつ観音竹は世界中で愛されている優れた屋内植物です。観音竹はさまざまな土壌や環境そして気候に順応する上に長命な植物です。また、屋内空気の質を高めるのに最適な植物の1つであり、育てるのも簡単です。この大型ヤシは、光沢のある分厚い葉が構成する扇形をしており、華氏20度から100度までの気温で繁茂します。この植物はゆっくりと成長するため肥料の必要量は極少量です。また、コナカイガラムシやハダニがつきやすい植物です。水の与え過ぎに敏感なため極めて少量の水のみ必要とします。観音竹は直射日光にあてると葉が退色したりまだらになることがあるため、柔らかい太陽光が適しています。
チャメドレアは低価格な屋内植物であり、屋内空気の質を大幅に改善します。この植物は「リードパーム」としても知られ、あまり世話がかからず水道水よりも雨水を好みます。コナカイガラムシやハダニがつきやすいため清潔に保ってください。間接的な日光にあてるように注意を払い、水やりは控えめにしてください。
4. インドゴムノキ
インドゴムノキは丈夫な屋内植物であり、最少の光によって生存することができて冷温にも耐える資質を持っています。ただ、半日陰または半日向の場所がこの植物にとっては最適です。特にインドゴムノキは空気中から化学的毒素を吸収することによって有名であり、育てるのも簡単です。6フィートから10フィートの高さにまで成長し剪定することもできます。大きくて革のような、艶のある葉を持ち、その色はさまざまな濃い緑色をしています。活発に成長する時期には特に頻繁な施肥の必要があります。この植物にも過剰な水やりは問題であり、コナカイガラムシの発生につながります。1つだけ注意しなければならないことは子供たちが白い粘着性の樹液に触れないようにすることです。この樹液は口にしたり触れたりすると胃感染症や皮膚の炎症をおこすことがあります。
5. ドラセナ
ドラセナはさまざまな色や濃淡が揃っている素晴らしい屋内植物です。「幸福の木」としても知られるこの植物はオフィスまたは自宅のみずみずしい財産となります。ドラセナは東南アジアやアフリカそして中米を起源としており、基本的に砂漠地帯に生息します。最も人気の高い「ドラセナリッキー」は深い緑色の葉を持ち、「ドラセナマルギナータ」は縁の赤い葉を持っています。また、「ドラセナフラグランス」は黄色の縞が入った緑色の葉を持ち、「ドラセナデレメンシス」は縞模様の葉を持っています。ドラセナは極めて育てやすい植物ですが、余分な水に弱いため堆肥は水はけが良くピートを主成分にしたものを使うように気を付けてください。この植物に関しても直射日光にあてることは適切ではなく、だいたい2週間ごとに必ず施肥をしてください。菌核病は過剰な水やりが原因で起こる問題の1つです。適当な量の水を与えるように気を付けてください。
6. イングリッシュアイビー
研究によれば、イングリッシュアイビーは効果的に空気中の有毒化学物質を浄化し呼吸を楽にすることが証明されています。この研究では、さらに動物の糞便やカビなどの各種アレルゲンもイングリッシュアイビーが浄化すると明言しています。この植物は低価格な天然空気清浄機です。ただ、イングリッシュアイビーには毒性があるため、子供／動物の手の届かない場所に置いてください。
7. ミニチュアナツメヤシ
ミニチュアナツメヤシは最少のナツメヤシ種であり、コンテナの中で育てることができます。この種のヤシの幹は直径10センチから15センチの太さがあり、その幹からは根元にとげのあるダイヤモンド型の葉が生えます。このヤシは高さ4フィートまで成長すると幹ができ始めます。アフリカと熱帯アジアを起源に持ち、高温や高湿度にも耐えることができます。ミニチュアナツメヤシには間接日光が最も適しています。この植物は有毒キシレンやホルムアルデヒドそしてキシレンを空気から一掃するために効果的です。
8. フィーカスイーリー
フィーカス「イーリー」はハワイ語で『王』を意味し、下向きに垂れる濃い緑色をした細い葉を持っています。この植物はゆっくりと育ち、活発に成長する時期には深い緑色を背景に際立つピンク色の若葉が生えます。フィーカスイーリーは東南アジアや南アジアそしてSouth-West Milanesa（オーストラリア）産の植物です。ラテックスアレルギーの人は手袋を着用して手入れをしてください。また、剪定をする際には目を守るために保護メガネを着けてください。また、ラテックス（液状ゴム）が付くことがあるため家具や床を覆うようにしてください。万が一ラテックスが家具表面などにたれてしまった場合は速やかに拭き取り、皮膚に付いてしまった場合はアルコールに浸した布で取り除いてください。過剰な水やりを防ぐために水やりの前には常に水分量を調べます。フィーカスイーリーは「ボトリティス・シネレア」と呼ばれる灰色かび病や炭疽病という病気そして別のかび病「ホモプシス」に感染しやすい植物です。
9. ボストンタマシダ
ネフロレピス・エクサルタータとしても知られるボストンタマシダは空気中から有毒なホルムアルデヒドを吸収する能力に非常に長けています。この植物は大きく広がりますが、かごに収容できます。ボストンタマシダの葉は長さ3フィート幅6インチにまで成長します。人気のあるこの植物は本質的に無毒ですが、ペットによってはアレルギーをおこすことがあります。また、過度な水やりにも強く湿度の高い環境でも丈夫に育ちます。屋内でこの植物を育てる際は半日向または明るい間接光の当たる場所が最適です。
10. スパティフィラム
スパティフィラムには多様なサイズが揃い数多くの花と豊富な緑の葉をつけます。ただ、過剰な水やりと高温にさらすこと、そして肥料の与え過ぎには注意が必要です。スパティフィラムの最も特殊な性質は、たった一度花をつけた後は緑の葉だけが残るところです。花の咲き終わりにはその色を失い緑色に変化します。植物に元気がなくなってきたら水やりが必要なしるしです。
