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着生植物が生い茂るパビリオン – 未来的感覚と有機的な建築を融合させる

Epiphyte Travelling Pavilion

現代では、エコな建築家はシステム全体を健全な自然の状態にしようと(あるいは示唆しようと)しています。この自然状態自体が、生物学的な有機体で見つかる、形状・配列などを模した有機的なネットワークで構成されています。これに関連して、 建築家で工業デザイナーでもあるMarvin Bratke氏が手掛けた、「Epiphyte Traveling Pavilion」 は、作者本人が「自足的な有機体」と表現する、フレキシブルな構造のコンセプトです。

「有機的」という部分が、生きものの感覚的な部分と混同しやすいかもしれません。ですが、むしろそれは有機体が周囲の環境と触れ合うときの、範囲、振る舞い、配列のことを意味します。有機的な建築に潜む興味深く、本質的な発想は、このような自然とのふれあい方を模倣する構造を創造することを意図していて、当然サステナブルな性質を備えることになります。

これに関連して、Epiphyte Pavilionは、周りの都市環境が変わるとともに、実際に交流し成長する、完全に適応型ビルとして構想されました。建物のエコフレンドリーな特徴を反映する意図を持って、グリーンな街であるミュンヘン(2010年Monocle誌上において、最も住みやすい都市に選出されています)という、立地が選ばれました。

構造的な部分を見ると、パビリオンの不均等に勾配のついた形は、未来的感覚を表現しています。そのため、自然との交流の属性を模倣しているにもかかわらず、このオープンな形態は現代のモダンな街並みにもしっくりと溶け込みます。輝くファサードの下に伸縮性のあるボルトシステムがついたベニヤの枠組みを配列することが構想されています。この軽量なスケルトンは、ナノコートな堅牢な15mmのアルミニウムのクラッディングに覆われる予定です。最後に、建造プロセス全体が、解体・運送(個々の部品)・別の場所での組み立てを容易にするためにフレキシブルにされています。

「グリーン」な属性に関連する、建物はたくさんのサステナブルな特徴を盛り込んでいます。ガラスの表面は、実際はクリーンな電気エネルギーを受け取り保存するフレキシブルな薄膜太陽電池(効率約5パーセント) で構成されています。パビリオンの微気候の調整に関して、勾配のついた形は空気力学を利用し、最適化されたクロス通風孔と空気清浄装置で風の自然な流れを促進します。傾斜がパビリオンの屋根の一端に空間的な凸部をつくって(構造内を下向きに突き出して)います。この凸部には、余った雨水を貯水し、ためた水を建物内の冷却用ミストを拡散させる(突き出た凸部から)ウォーターコアシステムとして働きます。

最後に、ビルの機能を見ると、アート作品を展示するための用途を決めない空間になります。水、ミスト、照明が内部で作用し、ユーザーやファンのための非現実的な雰囲気作りに貢献します。ただしBratke氏によれば、より重要なのはこのビルは消費するエネルギーより産むエネルギーの方が多いことです。この事実だけとっても、サステナビリティの未来を見据えた拠り所となる素晴らしい目的の証拠となっています。

出典:MarvinBratke

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