80年代あたりから今日に至る数十年間は、テクノロジーブームによって科学がもたらしてきた快適さに助けられると同時にその一方で科学が引き起こしてきた破壊には怒りをも覚えています。この地球規模の技術革新の時代には、エレクトロニクスや小型装置そして自動機械の世界に熱狂する人を多数見受けます。彼らが作るロボットに彼ら自身がなって行くようです。ただ、この偏執状態をやわらげるための刺激になりそうな愛すべき自然愛護派の人々が存在します。彼らは、世界全域を効率的に維持するためには自然の摂理や自然がもたらす再創造そして自然にまつわる生態学的環境保全が不可欠であると信じています。彼らの革新的頭脳がどのようにして母なる地球の美を人工の発明品に融合させようとしているのかを知ることは興味深いところです。
1. グリーンハウス
これは生態学上の温室のことではありませんが、それと同じくらいに環境に優しいものについての話です。「緑化屋根」として普及しているこの家は、防水した基礎を植物によって覆った屋根を持っています。こうした家は適切な排水のために付加的な灌漑装置を備えていることもあります。このような屋根では植物を鉢植えするコンテナガーデンを創ることもあります。
この植物に覆われた屋根は、熱吸収能力、二酸化炭素に代表される汚染物質の濾過、そして音の周波数を下げることによる遮音によって環境維持に大いに貢献します。また、植物を目で楽しむ効用もあります。
こうした緑化屋根はスカンジナビアで生まれ、典型的な田舎家の多くに見られます。
2. 草のオットマン
この草のオットマンは軽量の基礎の上に耐萎縮性のプラスチックを被せてあり、頑丈ですが重くはありません。このオットマンはいかにも庭園用家具ですが、応接間に置いて奇抜な遊び心を加えるのも良いでしょう。特に現代的なインテリアにはよく合います。
もとは、カリフォルニアのメンローパークのプールサイドに設置されていたこのオットマンは景観設計事務所GHdesign社の作品であり、Favier氏が設計しました。
3. グリーンジュエリー
いえ、エメラルドのことではありません。ここで言うグリーンジュエリーとは草や他の植物を使い、人が身に付ける装飾品を意味します。
このコンセプトはデザイナーのJuliusson氏が使い始めました。Juliusson氏はこの発明をジュエリーと園芸の、そしてファッションと自然の融合と呼びます。
デザイナーのColleen Jordan氏もこの独創的な事業に一役かっています。Jordan氏のアイデアは、小さな鉢にひもを通して首に下げ温かい土を詰めて緑の芽をかっこよく着こなす、というものです。Jordan氏自身この作品を「装うプランター」と呼んでいます。
4. Two lives in a pot
two peas in a pod(仲良し2人)のように聞こえませんか。この絶妙な作品は東アジアのSheng Zhe Feng氏とLing Chou氏がデザインしました。
これは植木鉢と水槽を組み合わせたものであり、2種の生物体の間の人工的共生関係を表す優れた実例です。魚が出す排泄物は有機物に富み植物に栄養を供給します。そして、植物に与える水は濾過され魚のために浄化されます。
土は湿り気を持ち水やりの周期をのばします。そして、中間のフィルター層は植物のための理想的な肥料の役目を果たします。
5. 草のベッド
この草のベッドは草から作った実際の寝台です。この草がいかにも魅惑的で快適そうなのでマットレスは追い払い、文字通り母なる自然の育む場所で眠ってください。
この製品には普通のベッドの形と4人を収容可能な星形があります。保守管理は困難かもしれませんが、この草のベッドは部屋の解毒を行い寝室に独創的なタッチを加えます。
6. 草のビーチサンダル
自宅の芝の上をぶらつきたいのに何かの理由によってそれが叶わないとしても、心配は無用です。この芝生ビーチサンダルを履けば、室内に居ながら庭歩きができます。矛盾するように聞こえますが、本当なのです。
驚くべきことにこのサンダルはクリスピー・クリーム・ドーナッツがデザインしました。都会の人々がいつでもちょっとした保養を得られるように、カフェの楽しみの1つとしてこのサンダルを作りました。上手に水やりをすれば、4ヶ月間は着用できます。
7. 枝ぶり本棚
典型的な本棚を考える時、樹木は思いつきません。木材が浮かぶのがやっとでしょう。ツタの枝ぶりから発想を得た本棚は思いつくでしょうか。
手作業によって製作するこの本棚はデザイナーのSebastian E.氏が設計しました。この「変態」と呼ばれる本棚は、通常の本棚の構造からの変化を象徴しており、その長い枝は貪欲な読者たちの増え続ける欲望を表しています。
この製品は全体をカンバ材の合板によって作り、森林破壊に反対する意味を持って樹木形に作っています。
8. グリーンカー
厳密には自転車に限って自然から動力を得ており、ガソリンによって走るこの車は当てはまらないでしょう。しかし、この車の外側は完全に芝で覆われ、緑色をしています。
生態学上の緑に関していえば、この車はより効率の良い冷暖房を可能にしています。ただ、その目的のためにこのデザインをしたのかは未だ不明ではあります。
9. グリーンカード
Jamie Wieck氏のデザインによるこの名刺は、典型的な名刺がポケットの様に開いてその中に小枝や木の葉が詰まっています。
10. Pooktreチェアー
PeterさんとBeckyさんがこの大胆なアイデアを思いつきPooktre Chairは生まれました。そのコンセプトは実際に樹木を家具に形作りそのまま使うというものです。