ほとんどの地域で真水が枯渇してきていることは、もはや誰もが知るところであり、淡水化プラントの価格は下がることはありません。しかし各地の革新的頭脳は、簡素、低価格、ローテクそして低負担な方法を使って、真水問題を抱えた経済的に困窮している人々を助ける優れた装置を生みだしました。ここでは、こうした装置がどのように生まれそして作動するのか、また、この設備を利用するにはどのような投資が必要なのかを見てみましょう。繰り返しますが、かなり低価格なため何も心配はいりません。
塩水を飲料水に変えるEliodomestico
EliodomesticoはGabriele Diamanti氏が提案したデザインであり、現在は試作模型にもなっています。この装置は費用効率が高く移動が可能であり太陽発電によって作動します。そして、1日に最少5リットルの飲料水を供給することができます。Prix Emile Hermesコンペティションの出品作として生まれたEliodomesticoは最終選考に残るための資質を全て備えていました。利用しやすく手入れが楽なこの装置は、一般に手に入りやすい素材から作っているだけではなく、フィルターがないことや電力不用な設計によって一般市民にとって気軽な淡水装置であることからヒット商品になる可能性をひめています。
Waterconeー塩水を真水に変える独創的な方法
この特定のコンセプトはそれ自体が多くを語っています。紫外線抵抗性プラスチックを使用して作った円錐体は塩水や泥水の入った平鍋の上にかぶせて使い、1日に最少1リットルの真水を作るのに役立ちます。この円錐体を鍋に入った水の上にかぶせて太陽の下に放置すると鍋の中の水分が蒸発して円錐体の内表面に溜まります。そして、その蒸気は凝縮しボトル内に貯まります。これがこの装置の仕組みです。また、軽量で水に浮くことができるため実際は皿や鍋を必要としません。この装置は直接水に浮き凝縮が始まれば水を収集できます。革新的だと思いませんか。革新的である以外にも、20ユーロという価格そしてプラスチックは約5年間使用できることから費用効率の高い製品です。
塩水を真水に変えるSlingshot
言ってみればこの装置は驚異だと思われています。Slingshotというこの装置は蒸気圧縮蒸留法によって作動し、塩水だけでなく化学廃棄物や下水でさえ完全に飲用に適した水に変えると言われています。この機器を創ったDean Kamen氏はSlingshotの店頭販売開始時期については多くを語っていませんが、1つだけ確かなことがあります。それは、きれいで良質な飲料水の不足に影響を受けてきた全ての地域にとっては注目すべきものがあるということです。
ハイチのDesal-A-Nation
どちらを向いても水ばかり、ただ飲むものは一滴もない。これはコールリッジの船上での言葉ですが、これはハイチ人の言葉でもあります。彼らの島は水に囲まれてはいますが、皮肉なことにハイチ人は新鮮な飲料水の不足に苦しんでいるからです。そこでJoe Kasper氏は上述の装置に非常によく似た、蒸発を利用して塩水から真水を作りだす構想を思いつきました。この装置は上下に重ねた2個のビンから成り、下のビンは太陽光線からの熱をより吸収するように黒く塗ってあります。水はそれぞれのビンで1度づつ計2度蒸発し、凝縮した後真水となって出てきます。
海水を飲料水に変えるSea Kettle
Sea Kettleは単に淡水化装置の1つであるだけではなく、救命ボートでもあります。聞いた所では、この救命ボートは海水から1日に3リットルまでの真水を作る装置を備えているということです。そのコンセプトは淡水化装置の1つであるWaterconeのコンセプトと非常に似ているようです。