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次は:CO2の収集・集積

Carbon capture and storage

気候変動と炭素排出の関係は、今日明らかになりました。ただ一つ残る議論は、深刻な結果がもたらされるのはわずか50年以内であるのか、それともそれよりも先であるのか、ということです。その間、発展途上国が生活水準を向上させようとするのに合わせて、世界中で発電所や精製所、製錬所そしてセメントキルンの建設が続けられねばなりません。

クリーンな技術が開発されるまで工業発展の進歩を遅らせたり取りやめることはできないと、発展途上国は主張しています。

チェンジが必要

CO2を生み出す製造プロセスに代わる即時の措置がないため、 CO2を大気圏に送る代わりに、排出時にCO2を捉える試みがされています。このプロセスは非常にコストがかかります。例えば、燃料ガスから CO2を取り除く機械を石炭火力発電所に据えつけるために、20億ドル近くのコストがかかり、発電された電力の最大40%を要すると見積もられています。安全な蓄積スペースに CO2を輸送するパイプラインにも、1kmあたり約170万ドルが必要になります。このような非現実的なコストに関わらず、世界中ではいくつかのプロジェクトが、多額の金を使って進行しています。これは、気候変動の脅威にかかるコストが、それよりも高くつく可能性があるからです。

CO2が集められ輸送された場合にも、どこにCO2を安全に集積しておくかという問題が依然としてあります。もし集積所から漏洩があれば、CO2を集め蓄積した全ての労力とコストが無駄になってしまいます。深海など海底の枯渇した油井やガス井戸において、CO2蓄積が試みられています。

自然石群におけるCO2蓄積の新プロジェクトも進行しています。世界中が、解決案が現れるのを願ってこれら試みの結果を心待ちにしています。

次は?

1. 炭素集積プロジェクト

carbon storage project

次は?

ケヴィン・ドームは、モンタナ州(アメリカ)にある自然多孔質岩群で、何百年も前から火山活動によって排出されるCO2を蓄積してきました。岩群は、700平方マイル(約1120平方km)にわたっています。モンタナ大学の研究員たちは、自然岩群が人口CO2を集積できるかどうかを検証するプロジェクトを開始しました。このプロジェクトは、米エネルギー省から6700万ドル、個人投資家から1700万ドルの補助金を受けています。計画は、試験井戸を掘って岩群に貯められている自然CO2を逃がし、それをパイプで岩群の北側に運び、新たな穴にCO2を入れ、不浸透のカバーで塞ぐというものです。この試験により、多孔質岩は、CO2を集積することができ、カバーはCO2を包んで大気圏中への漏洩を防ぐということが分かるでしょう。

どんな影響を生む?

初期試験が成功すれば、計画では毎年12万5000トンの人口CO2が蓄積され、プロジェクト全体では総量100万トンに上ります。漏洩をチェックするため、蓄積場やカバーには圧力変換機が搭載されます。この実験で満足のいく結果が出れば、ケヴィン・ドームは、発電所や地域の産業プロジェクトから生まれたCO2の多大な集積場となるでしょう。このデータは、二酸化炭素蓄積に発展できる類似した特徴をもつ世界中の岩群の場所を特定するのにも役立ちます。

問題点

8年間を要するこのプロジェクト期間は、CO2を集積する場を探すのに長い時間がかかることを示唆しています。8年間をかけてたっだ100万トンのCO2の集積場所を探していますが、世界規模では年間何十億トンものCO2が排出されているのです。

2. カーブフィックス

CarbFix

新たな点

カーブフィックスは、地下の自然岩にCO2を集積する試みの一つです。この実験は、アイスランドのレイキャヴィークにある地熱発電所で行われています。地熱エネルギーは、火山活動によって生まれた地下の温泉を活用しています。温泉のお湯を表面に運ぶために掘られた井戸は、地下に貯めてあるCO2を逃がす働きもします。アイスランド大学とコロンビア大学による国際共同チームが、このCO2を収集して玄武岩質岩へ送り込んでいます。岩中で酸はカルシウムに反応し、自然中によく見られる不活性物質の炭酸カルシウムを形成するのです。科学者たちは、炭酸カルシウムの形成が6~12ヶ月の間に起こることを期待しています。

どんな影響を生む?

自然中の炭酸カルシウムの形成のプロセスは遅く、CO2の溶け出した大気圏の雨水が、何年にもわたって岩を風化させます。科学者たちは、プロセスの速度の加速を望んでいます。蓋をした井戸でのCO2の集積には、蓋いの損傷や地質活動による漏洩というリスクが常に付きまとっています。良性炭酸カルシウムへの変換により、そういった不安は解消されます。

問題点

その他の化学実験と同様に、プロセスは長く、この技術が適用可能な場所を世界中で探すというj課題があります。

3. アブダビにおけるCO2収集・集積プロジェクト

Abu Dhabi's Carbon Capture & Storage Project

新たな点

アブダビで行われるこのプロジェクトでは、将来建設されるアルミニウム製錬所、鉄工場、水素発電所の3つの工場から排出されるCO2を収集して、これを300 kmのパイプラインで国営石油会社ADNOCへ輸送する計画が立てられています。石油会社は、CO2を自社の油井に輸送し、生産高を高めようとしています。CO2は、石油備蓄場に永久的に蓄積される予定です。このプロジェクトは、年間500万トンのCO2を集積することを目標にしています。

どんな影響を生む?

アブダビ・プロジェクトは、未来の産業工場の建設位置に配慮した先駆的なプロジェクトです。CO2が石油備蓄場や地下鉱山などポテンシャルのある場所に集積されれば、CO2収集・集積のサイクルが比較的低いコストで達成されることになります。

問題点

このプロジェクトで集積される500万トンのCO2は、アブダビだけ排出されるCO2全体のほんの一部にすぎません。産業工場の建設場所は、原材料、資源そしてインフラの可用性といった要因によって決定されます。CO2集積という新たな要因が追加することで、より複雑さを増すことになります。

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