近頃のデザイナーたちは、私たちのデザインや家具に対する常識に挑んだり、それらを再検討させるような大胆で新しい方法を実験的に用いてきますよね。ミニマリスムが流行として受け入れられるようになってきて、「より少ないもので、より多くを伝えること」というのがクリエーションの目指すところとなっています。このことは自然資源にとっても本質的にとても良いことです。なぜなら原料をあまり必要とせず（ときには例外もあるでしょうが）、貴重な資源を節約することができるからです。さて、韓国出身のデザイナーであるスン・ヨン・ソン氏は、自身が発明した家具と照明からなる「ダミ・シリーズ」で、常識をくつがえすことに挑んでいる一人です。
「ダミ」は韓国語で「〜に入れて」を意味し、まさにこの作品シリーズが表そうとしていることです。中にいろいろな物を収納することができます。すべての家具と照明はバルクロマットという環境に良い素材を用いて作られており、格子柄のようなデザインは従来のデザインと比べてたくさんの原料が保護されていることが分かります。「ダミ・シリーズ」は一見しただけでは、そのデザインと格子柄が馴染みのあるものなので想定内のデザインに見えて、決して革新的ではないように思えます。
しかし、使われている素材の性質と、製造工程に用いられている技術こそが「エコ的に最先端」なのであり、デザイナーが誠意をこめて目指そうとしてきたところでもあります。その見た目とは裏腹に、ダミの家具はとても頑丈にできていて、その照明器具はユニークなデザインが目にとまります。
参考サイト：Contemporist
