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災害用エネルギーモジュールパッケージで備えも万端

ノッティンガム大学マレーシア校のチームが、災害発生地域で展開するための20フィート(6メートル)の船用コンテナ収容の災害用電力供給モジュールパケージの設計で、ジェームス・ダイソン・デザインアワードを受賞しました。船用コンテナの側面と屋根に、太陽光電池パネルを取り付けています。船用コンテナの裏側には、ディーゼル発電セットを取り付け、燃料ドラムのためのスペースもあります。リチウムイオン電池パックも内蔵され、太陽光 PV モジュールから生成されたエネルギーを貯蔵しておくので、日没後にも使えます。

Rapid Energy Deployment System (R.E.D.S.)

自然災害の起こる地域で最初に肝心なことは、電力供給の復旧で、それが救援や物資援助を時間通り進める鍵です。このモジュールは、太陽電力とバックアップ用のディーゼル発電機を組み合わせ、モジュールが現場に着いた時点から電力供給が滞らないようにします。約20 TEU のエネルギーモジュールの標準的な船用コンテナの設計なので、運送と荷降ろしは従来通りで、標準的です。このモジュールは、トラックまたは艀、あるいは飛行機などに乗せて、目的地に出荷できます。コンテナは自立型で、ある程度平らな場所であれば荷降ろしでき、すぐに使えます。出荷コンテナは、耐用年数の長い耐食性のスチール製で、手荒く扱っても耐えられる設計です。また設計上衝撃にも強くなっています。

ソーラーモジュールは、積みかえのダメージからモジュールを守るため出荷コンテナの側面に、埋め込み型の溝のなかにおさめます。使われているのは、光が弱いあるいは曇りの日でも電力を提供できる薄膜ソーラーパネルです。薄膜パネルは、従来のクリスタルPVパネよりもル損傷しにくいのですが、耐用年数は短くなります。サイドパネルは、ヒンジつき低圧性油圧式つりあげアームがついていて、パネルは太陽光を受けられるように空けたまま固定できます。ソーラーパネルは、出荷用コンテナの底に取り付けられた高エネルギーのリチウムイオン電池に電力を送ります。蓄電池があるので、ディーゼル発電機への依存が減らされ、現地まで輸送されなければならない燃料を節約します。

高効率のディーゼル発電セットは、コンテナの背面のプラットフォームにマウントされ下に燃料ドラム貯蔵スペースがついています。ディーゼルセットの管理に必要なスペアやツールも保管スペースに入っています。

パネルが展開されると20フィートX 8フィート X 8.5フィートのオープンスペースが、その下にできるので、救援隊の救護センターや事務所としても使えます。 輸送コンテナは重さ20トンほどの荷物を運べるので、ディーゼルセット用の燃料やその他の救援物資を被災地へと運ぶことができます。

「 Rapid Energy Deployment System (R.E.D.S.)」と名付けられたこのプロジェクトは、Dinesh Selvamurthy 氏が主導するノッティンガム大学マレーシア校のチームが携わりました。実社会での人のニーズをみたすために、工学の原理を応用した学生のプロジェクトを対象とした、ジェームズ・ダイソン財団の年次コンテストでは、18カ国500エントリーの一つでした。

実生活の問題に対して工学的な設計の原則を応用した好例が、このノッティンガム大学マレーシア校のチームによるパッケージ化されたエネルギーモジュールでした。納得の受賞です。

出典:jamesdysonaward

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