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環境に優しい自動車:Rinspeed社のDock + Go

グリーンマシーン   

Rinspeed社はDock+Goと呼ばれる新しいモジュラーモビリティシステムの構想によって、都市における移動性にまつわる多くの問題に対応するものとしては初となる革新的解決策を発案しました。現在のSmartForTwo車両を基にしたFrank M. Rinderknecht氏の設計による新たな構想は、この小型電気自動車に取り外し可能な3本目の車軸を加えたものです。この設計により収納用の空間を増やし電気自動車の走行距離を伸ばしています。この第3の車軸は制限のある電気推進エンジンの動力には頼らず、バッテリーまたは水素燃料電池エンジンから動力を得る自家動力型です。この仕様は基礎車両のバッテリーへの再充電も助け、かなりの長距離移動も可能にしました。このスイスのコンセプト自動車メーカーによれば、Dock+Goの構想は将来的に他の小型電気自動車全てに適用することができます。

Dock + Go Concept by Rinspeed

グリーンファクター      

21世紀の過密な都市空間においては、最も環境に優しい選択肢として電気自動車の人気は既に上昇してきています。Dock+Goの登場により電気自動車の環境対応車としての特性は多くの面でさらに進歩するでしょう。最初に、再充電ごとの走行距離を、現在の60キロから70キロ、から120キロまで伸ばします。これを可能にするのはDock+Goが装備している、バッテリーまたは水素燃料電池によって作動する付加的エンジンを持つ『エネルギーパック』です。次に、この第3の車軸は基礎車両の第2の車軸を動かし、搭載したバッテリーに再充電するのに役立ちます。最も重要な特徴である3つ目は、第3の車軸は電気に頼って作動するのではなく、その代わりに太陽光を利用してバッテリーに再充電します。この再充電は第3の車軸を取り外し太陽光の下に置いておくだけなので自宅で行えます。このため、家庭の電気代を節約できるだけでなく、全く二酸化炭素を出さない自動車の実現に役立つでしょう。さらに第3の車軸を水素燃料電池によって動かすタイプは大気中に酸素を放出します。

パワートレイン    

Dock+Go構想は既存のあらゆる電気自動車に適応できるため、基本のパワートレインは基礎となる車体によって違います。設計したFrank M. Rinderknecht氏が『バリオ・ハイブリッド』と呼ぶこの構想は電気自動車の走行距離を伸ばし、荷物収容能力を高め、空間を拡げ、速度を上げます。Rinspeed社は現時点で2人乗り電気自動車Smartを使ってDock+Goを試した所であり、同社が公表した情報によれば、第3の車軸を取り付けたことによって再充電1回分で120キロ走行しました。この距離は現在の2人乗り電気自動車の再充電毎の走行距離である60キロから70キロに比べると著しい向上です。

利点        

この新たな構想の利点は、過密な都市空間での移動時に直面する問題を背景にして見る必要があります。この問題というのは、車両による過度の温室ガス(GHG)排出、駐車スペース不足、交通渋滞そして燃料の高価格に関連しています。こうした問題点を踏まえれば、小型電気自動車が現時点の状況下での最も好ましい選択肢であると記者たちの多くはみています。しかし、電気自動車には無数の肯定的な評判にもかかわらずその人気を危うくしてきたいくつかの制限があります。こうした制限とは、遅い速度、小さいサイズ、短い走行距離、少ない充電所そして家庭の電気料金への上乗せなどです。また、電気自動車はGHGを排出する発電所の電気にほぼ頼っていることから、GHG排出問題に対して結果的にはあまり貢献しないとも言われています。

上述の電気自動車に関する制限のほとんどはここで示した構想によって取り除く見込みがあり、速度や走行距離そして室内空間を向上させることができます。付け加えた空間は少人数家族の長距離週末旅行以外にもさまざまな使い道があります。例えば都市部でのファストフードの配達や宅配業務に使用できます。また、第3の車軸は不要時には取り外して自宅車庫に残しておくこともできます。短距離移動の際に、小型の車体は交通量や駐車スペースに負担をかけません。

欠点    

今の所この構想の欠点は見当たりませんが発売後に分かってくるかもしれません。

価格と入手可能性        

この新しい構想の価格と入手可能性についての情報はまだありません。Rinspeed社は、2012年3月のジュネーブモーターショーにおいて初披露すると言っています。

ウェブ周辺の言葉     

Car MagazineのTim Pollard氏の言葉、

Dock+GoはSmartシティーカー用にあつらえたトレーラーを付け加えて、標準のSmartよりも2人余分に乗車して町へ出かけたり、持ち物をトレーラーに詰め込んで海辺へ旅行にでかけられます(ただし2人限定、家族連れは子供たちをトランクの中に平らに詰め込まない限りむりですが)。

CNET ReviewsのWayne Cunningham氏の言葉、

現在の電気自動車技術の最大の問題は走行距離の限界です。消費者は電気自動車が現実的に走行できる80マイルよりも長く走ることを求めています。Rinspeed社はその解決策を提示しています。

AutoblogのNoah Joseph氏の言葉、

Dock+Goモビリティ構想と呼ばれるRinspeed社の設計は、近年の問題に対する興味深い取り組み方を提供しています。シティカー(この構想の基礎となるSmart ForTwoのような)は密集した都市部に住む人々にとって現実的な解決策かもしれませんが、こうした車種は長期の旅行に必要な収容能力を備えていません。Rinspeed社の解決方法はシティカーを大きくするのではなく、第3の車輪列と拡張した荷台によってシティカーを拡張可能にするというものです。

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