ecofriend.com

電気自動車が800km走る!IBMの新リチウム空気電池

IBMは、電池技術のブレイクスルーまであと一息のところに来ているかもしれません。これが成功すれば電気自動車を800㎞走らすことができ、電気自動車採用の障壁となる走行距離の不安を克服します。空気を取り込む電池はリチウムの正極と炭素系負極を持っています。電池は、電力供給あるいは放電を行い、炭素ベースの負極が、正極のリチウムイオンと反応した空気から酸素を吸収し、過酸化リチウムをマトリクスに放出します。バッテリーが充電されると、酸素は大気中に放出され、リチウムイオンは正極に戻ります。プロトタイプは2013年には完成し、技術の商業化は2020年になる予定です。

Lithium air battery prototype in 2013

リチウム空気電池技術は新しいものではなく、構想は1990年代からありました。2000年代のナノ素材技術の発見により、この技術への関心も刷新されました。リチウム空気電池は、ガソリンに匹敵するキログラムあたり13kWHのエネルギー密度を持つ可能性があるからです。これは現在電気自動車に使われているリチウムイオン電池の5から10倍です。言いかえれば、リチウム空気電池は同じサイズのリチウムイオン電池に保存されたエネルギーの5倍を保存できます。 もしくはバッテリーのサイズを大幅に小さくできます。電気自動車では、より大きなエネルギー保存装置には関心が集まり、その他の電池駆動電子機器では小さなサイズが好まれます。

リチウム空気電池の開発は、いくつかの障害に阻まれてきました。例えば、リチウム正極が、空気からの水蒸気によって爆発性になるという問題です。これは正極をセラミックの防壁で覆うことで解決しました。また空気を吸収した炭素の負極が詰まるという問題もありました。これも、いくつも空気の通り道のある、人間の肺に似たマトリクスを作ること解消しました。そのため、酸素が機構の中の様々な道を通ることができます。IBMはさらに、充放電サイクルの問題を克服する新しい電解質を同定したと発表しました。電解質の組成は現在は企業秘密です。

500マイル走行できる電池の発見が、電気自動車の受容を促進することは間違いありません。走行距離が100マイルから150マイル(160㎞から240㎞)にしかならないことが、長距離の都市をまたぐ移動には電気自動車を使わないという障害に繋がりました。電池の充電ステーションは、州をまたぐ道路では極めて少なく、また充電は3時間から8時間かかります。ハイブリッド車という代替はCO2排出問題を部分的にしか解決しません。長距離走行の電池と電池交換が組み合わされれば、石油価格が上がり続ける限り、電気自動車の方がよりよい選択になる可能性があります。

出典:CNET

Today's Top Articles:

Scroll to Top