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微生物燃料電池で駆動する環境に優しい製品

私たちが知っていること

増大するエネルギー需要と既存の資源の欠乏は、科学者たちを様々な代替原料への研究へと向かわせています。確実で持続可能なエネルギーを生産するための様々な研究が活発に行われています。微生物燃料電池(MFC)技術は、エネルギー生産のためのそうした卓越した代替技術の一つです。MFCは、生分解可能な化合物からエネルギーを生産する方法であり、天然のバクテリアが電力を発生させる反応を模倣した生物電気化学技術で、廃水に含まれる炭水化物と複合体基質に作用します。

MFCは、新しいコンセプトではありません。驚くことに、この技術が発見されてすでに1世紀なのです。ダーラム大学の植物学教授、M. C. Potterが大腸菌から電力を発生させることにはじめて成功しました。その後、1931年にバーネット・コーエン(Barnet Cohen)らの研究者たちがバクテリアを使って発電する同様の実験を行いました。コーエン氏は、彼が開発した微生物電池で35ボルト以上を発生させることに成功したのです。しかし、その電力はわずか2ミリアンペアでした。

微生物燃料電池が電力を生産させる方法として開発されたのは、ごく最近のことです。しかしそれはMFCが現在、持続可能なエネルギーとして確立されたということではありません。研究者たちはこの技術を改良するために研究を重ねており、将来的には素晴らしい代替電力となることが間違いありません。

現在のところ、MFC技術はエネルギーを生物学的に変換可能な基質に含まれるエネルギーを直接電気に変換します。この現象はバクテリアが硝酸塩や酸素といった天然の電子受容体からMFC陽極をはじめとする不溶性受容体に変わるときに発生します。この過程では、いくつかの段階を経てエネルギーが作られます。この過程で発生する排気ガスは主に二酸化炭素を含んでいます。

 

変化に必要なこと

エネルギー需要量は日々急騰しています。エネルギー危機に瀕した今、研究開発に待ったはありません。そしてエネルギーは農業廃棄物や一般廃棄物、飲食店から出される廃棄物などの様々な有機原料に大量のエネルギーが存在しています。こうした廃棄物を電気に変えることを考えるべきです。これは環境への配慮であるだけでなく、安価に電気を作ることが可能になります。さらに微生物燃料電池技術を用いた発電システムは、廃棄物処理の懸念も減らすことができます。下水や尿、豚の糞、牛の第一胃など、生分解可能な廃棄物は大量に存在しています。今急がれるのは、MFC技術を用いてエネルギーを生産するハイテク施設の確立です。

 

その次は?

微生物燃料電池技術は、様々な目的のために電気を生産するいくつかの機器において既に使われています。そして研究者たちは個人で、またはチームでMFCを使ったより高度な機器を開発するでしょう。しかしこの技術を用いた発電は、もっと大きな規模で取り組むべきプロジェクトです。ここでは、微生物燃料電池を使った興味深い4つのプロジェクトをご紹介しましょう。

1) ノマディック・プランツ(Nomadic Plants)

Nomadic Plants

デザイナーのGilberto Esparzaは、微生物燃料電池を使って汚水からエネルギーを採取する「ノマディック・プランツ」という名前のロボットを考案しました。このロボットは植物と微生物を共生させることにより、汚水の処理とエネルギー生産を行います。このロボットを汚れた川に入れると、装備された微生物燃料電池が起動してこのロボットを機能させるためのエネルギーを作り出します。

2)ボルトポット・コーヒーテーブル・プランター(VoltPot coffee table planter)

VoltPot coffee table planter

ネクター・デザイン社(Nectar Design)がこの「ボルトポット」という、室内用のプランターにもなるコーヒーテーブルを開発しました。この「ボルトポット」が素晴らしいのは、埋め込まれた微生物燃料電池により、プランターの土からエネルギーを作ることができるという点です。ネクター社は、電気機器の充電を行うことができるテーブルとして、このボルトポットを考案しました。

3) 土で光るランプ(Soil Powered Lamp)

Soil Powered Lamp

オランダ人デザイナーのMarieke Strapが、ソイル・ランプ(土ランプ)を作りました。このランプは、伝導板を使って鉄や銅、そしてもちろん微生物燃料電池などの伝導金属が豊富に存在している土壌からエネルギーを作ります。このランプにはLED電球がついており、微生物燃料電池や、その他の原料から作られたエネルギーを使って点灯します。

4) 肉食の家庭用エンタテインメント・ロボット(Carnivorous Domestic Entertainment Robot)

CARNIVOROUS DOMESTIC ENTERTAINMENT ROBOTS

肉食の家庭用エンタテインメントロボット(Carnivorous Domestic Entertainment Robot)は、微生物燃料電池を使ってエネルギーを作る、スタイリッシュなロボットです。驚くことに、 ここでは MFCが一般家庭のゴミとして存在するバイオマスからエネルギーを生産します。この家庭用ロボットは、見た目にも、機能的にも、従来のロボットの概念を完全に覆すものです。

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