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クモの糸から作られたヴァイオリン弦が奏でる華麗な音色

クモの糸はクモがつくる、驚くべき特性を持った希少なプロテイン繊維です。 クモの糸が持つ力学的特性により、特にこの後にご説明するドラグライン絹(しおり糸 / dragline silk) などで、何千年にも渡って利用されてきました。この有機原料が持つ非常に優れた特性に惹かれて、アイオワと日本の研究者たちが大規模な研究を行いました。そして、日本の研究者たちは10年に渡り、クモの糸からヴァイオリンの弦をつくる研究を行ってきました。彼らは、この弦から奏でられる音は非常に素晴らしく、無比の華麗さを持っていると述べています。

 

Spider silk spun into superior violin strings

奈良医科大学の大崎茂芳教授によれば、クモの糸のドラグライン絹は高純度の合金と同等の抗張力を持ち、密度は金属に比べておよそ1/6です。また延性に優れており、もとの長さの4倍まで切れることなく伸ばすことができます。

これらの特性をふまえ、大崎教授は飼育・繁殖させた天然の織工であるクモからドラグライン絹を作ろうと決めたのです。まず3000~5000本の糸を寄り合わせ、そうしてできた3本をさらに寄り合わせて1本の弦を作りました。

こうして出来上がった弦からは、柔らかく深みがあり、生き生きとして心地よい音が奏でられました。この評価は、研究者が本能的に述べたことではありません。大崎教授はこの弦を、スチール製やガット、ナイロンで作られたものと比較して、このような声明を発表しました。

また同時に、アイオワ大学の准教授Winwei Wangとその研究チームは、クモの糸の伝導性は絹織りに比べて1000倍、他の有機原料に比べて800倍優れていることを発見したと発表しました。

クモの糸が人工的に生産されるようになるまでには、もう少し時間がかかるでしょう。それまではこのヴァイオリンの音色を聴き、この弦の深遠さを感じていましょう。

Via: CNET

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