エコ宇宙旅行
地球の果てまで旅行するのもかなり気合の入った旅ですが、地球を越えて無重力の世界へ飛び出すというのは全くレベルの違う話です。宇宙旅行は夢のような豪華旅行ですが、実際にできるかどうかという話になると一般庶民には現実性の無い、雲をつかむような話です。ほんの一握りの金持ちがスペースシャトルの座席をすでに購入してはいますが、現在の宇宙開発プログラムや経済状況に危険性などを考慮すると、簡単にできるものではないのです。
しかし最新の科学が進む中で徐々に宇宙旅行に対しての垣根が取り払われていき、もう少しで宇宙旅行産業が産声を上げるところまできています。人類の歴史上、われわれの住む現代は宇宙産業が進歩しただけでなくクリーンで効率よく行われるようになった節目として記録されることになるかも知れません。
現在の技術
もし真剣に宇宙旅行の実現化を考えるならば、まず今日の技術はまだまだ未熟ですべてにおいて実現度合いが限られているということに直面するところから始める必要があります。最初に手をつけるべきところは膨大な量を必要とする離陸用ロケット燃料でしょう。エンジンは重く天然素材に悪影響を及ぼし、大気中に汚染の足跡を残しているのです。
現在の技術でははっきり言って宇宙旅行を経済的に行うのは不可能で、旅行者は一度の旅行で＄２０００万を必要とするという事実からも、この「オイル食い虫」の現行型モデルに改良を加える必要があるのは明白です。
この先の展望
スタートラム
このプロジェクトは現行のロケットによる宇宙旅行の形に変わるものとしては最も現実的なオプションでしょう。すでに存在する磁力浮揚技術を用いてバキューム式に山岳地帯に設置されたトンネルを通って大気中に放たれる仕組みです。Ｇｅｎ２トラムデザインに従えば旅行者は低飛行旋回旅行を＄１３０００で実現できるといいます。加えてスタートラムは排ガスなしで再生利用がほぼ可能です。
宇宙エレベーター
これはちょっとにわかには信じがたいアイデアですが絶対に起こらないとも言い切れない面白いものです。日本のチームは２２０００マイルにも及ぶ巨大エレベーターを建設して３０人の旅行者を宇宙空間内に時速１２０マイルで送り出し一週間の旅行を楽しむというものです。やはりちょっと無茶すぎるアイデアですが、実現されられればこの＄１４６０億の計画は面白くなります。
バルーン
ロマンチックに宇宙との境界線まで気球に乗って３６キロ上昇して行こうというものです。重力の限界点まで昇り戻ってくるというものでプロトタイプは現在も実験中で２０１５年には実現化が期待されています。これが成功すれば費用は＄１６００００なります。
宇宙浮遊ホテル
ロシアのホテルが２０１６年完成をメドに
２００マイル上空に浮かぶロシア製の宇宙ホテルの準備が進み、２０１６年の開業を目指しています。＄７８５３００はロケットに乗ってそこに行くまでの値段で、このほかに＄１５７０６０の５泊６日のホテル代がかかります。安くは無いですが、それでも窓から眺める景色は一生忘れられないものでしょう。
銀河系スイートホテル
スペインの会社が経営するホテルは３日間で１５回の日の出を楽しめ、今年の末までにはオープンする予定だということですから、進み具合を見守っていきましょう。この世界唯一の場所でのホリデーは４５０キロ地球の上空に飛び出すことになり、＄３万９千２百万が財布から消えてなくなりますが。
宇宙ホテルプロジェクト
インペリアル大学・ローヤル芸術大学の生徒が考えたコンセプトデザインで、スタイル、機能性、飛躍的デザインのバランスの取れた無重力空間において個人一般の清潔感に重きを置いたものです。宇宙旅行を始めるにあたっては、廃棄物の削減で衛星に戻ってくる際の軽量化からまずは始めていきましょう。
バイゲロー宇宙ホテル
ロバート・バイゲローの設計した宇宙ホテルは宇宙に浮かぶモーテル以上の存在感で、コストを下げてより多くの人がいつかは宇宙旅行をするだけでなくこのホテルに泊まってもっと多く経験してもらいたいという気持ちがこもっています。値段は３０日のステイで＄２８７５万です。この間に宇宙ホテルに滞在しながら惑星間を周回していくことができます。
そもそも宇宙旅行は許されるべきなのか？
宇宙旅行の問題点は体にかかる負担の大きさです。加速時のＧフォースや、無重力、放射能の危険性など考えたら恐ろしくなるものばかりです。景色は確かに比べ物にならないほど素晴らしいですし、行けるものなら行ってみたい気持ちは誰にでもあるでしょう。しかし実際問題として宇宙で生活をする能力というのは簡単に手に入るものではありません。ディズニーランドやラスベガスに行くのとはわけが違うのです。楽しむのに列に並ぶ時間は短いかもしれませんが危険性は大変高くなっています。
さらに、長年にわたる宇宙探査プロジェクトで信じられない量のゴミが地球周辺に散らかっているのです。宇宙旅行が始まったらさらにその状況を悪化させることになるでしょう。スタートラムや巨大エレベーターなどのアイデアが実現しない限り、宇宙旅行の実現は長い長い先の話です。
