無人飛行機という言葉は、イラクとアフガニスタンの戦場を飛び目標を定めて隠れ家を爆破する無人機を連想させます。無人飛行機は、戦争兵器としてではなく環境調査や地球に優しい方法で偵察を行うツールとして開発されてきました。そこで、地球の空を舞う環境に優しくすばらしい無人飛行機をまとめて列挙します。
HADA Electric UAV
スペインのNational Aerospace Technologyの技術者は、HADAと呼ばれるこの電気無人飛行機を企画しました。この無人飛行機は、どこへでも行けるヘリコプターと長距離飛行のできる飛行機を組み合わせて、両者の良いところを混交しました。こうして、 HADA UAV は電気により作動するので、従来航空機と比較して３分の１の燃料消費で済みます。
Northrop Grumman RQ-4 UAV
アメリカ軍は、爆弾を落として軍を撤退する傾向があることでよく知られています。常識からは一脱することですが、アメリカ軍は数台の無人飛行機Northrop Grumman RQ-4 UAVをNASAに譲渡しました。爆撃やスパイ活動とはかけ離れ、これらの無人飛行機は絶えず惑星をモニターするAURA衛星により記録される大気ガスの測定値の裏付けをしています。軍事技術が良いことに使用されている好例です。
韓国航空大学(Korea Aerospace University)の solar-powered UAV
韓国航空大学と韓国科学技術院の研究者はゼロエミッション無人飛行機をつくるために結集しました。目的を達成するため、４０メートルの無人飛行機は機体上にソーラーパネルを使用しています。このソーラーパネルは、無人機の電動機を数か月間動作するために、電力を発生しリチウムイオン電池を充電します。２０１２年までに研究者はゼロエミッション 無人飛行機をまとまって生産することを目指しています。
Green Falcon
内密にしようとするほど、偵察やスパイ活動には多額の費用がかかります。政府が何百万ドルものお金を節約ができるよう、オーストラリアのクイーンズランド技術大学の研究者達は太陽光で動作する動力付きの無人飛行機を企画しました。Green Falcon,と称されるこの無人飛行機は、その動力に太陽光エネルギーを使用しています。２．５ｍの翼幅を有するGreen Falconは、主に奥地での山火事の監視や環境研究など平和目的用途で設計されています。
Aurora’s Solar UAV
丸五年。これはAurora Flight Sciences’ UAVが連続飛行できる時間です。この無人飛行機がいかにしてこれほどの長時間飛行をするかと思ってしまいますが、太陽光による電力を無尽蔵のエネルギー源とすることによりこの長時間飛行を可能にしています。太陽動力付きの無人飛行機は、日中飛行している間にバッテリーを充電します。再充電されたバッテリーは、夜間には６３ｍ／ｓから４３ｍ／ｓに速度を落として無人飛行機を動作させます。この太陽光動力付きのUAVは、国防高等研究計画局の“ハゲワシプログラム”の一部としてAurora Flight Sciences社により開発されています。
Silent Sentinel Hybrid UAV
Silent Sentinel Hybrid UAVは、Bye Aerospace社とAscent Solar Technologies社によって開発された多目的の無人飛行機です。この太陽光を動力源とした無人飛行機は、翼に取り付けられた光電池セルから太陽光エネルギーを得ています。太陽光エネルギーは無人飛行機を動作させるためにリチウムイオン電池に貯められます。太陽光エネルギーは二次電源であり、Silent Sentinel UAVの一次電源はリチウムイオンに貯められた電力です。また、Silent Sentinel は環境調査などの目的で開発されており、軍用用途ではありません。
燃料電池で電力供給されるＵＡＶ
水素燃料は無人飛行機にも波及してきています。ジョージア工科大学の学生は、水素燃料で飛行する無人飛行機を開発しました。２２フィートの幅の翼を有するこの無人飛行機は圧縮水素を使用するプロトン交換膜（PEM）燃料電池を使用しています。このようにして、水素が推進力となった次世代の燃料を使用している、とてもユニークなゼロエミッション無人飛行機となっているのです。
Ion Tiger UAV
無人飛行機に電力を供給する水素燃料電池は新規のものではなく、水素燃料で丸一日飛ぶ無人飛行機に電力を供給する燃料電池も新規のものではありません。海軍研究試験所の科学者は、550Wの燃料電池により動作しほぼ一日中飛行可能なIon Tigerと呼ばれる無人飛行機を開発しました。これにより、広範囲のカバーとゼロエミッションを完璧に両立させているのです。この Ion Tigerは、２３時間１７分の航行連続記録も樹立しています。
同軸で２つの駆動源を持つUAV ヘリコプター
無人ヘリコプターは世界的に見ても珍しいです。ハイブリッドシステムで動作するのであれば尚のこと珍しいです。今回ご紹介するのは、推進にバッテリーからの電力供給を行ける無人飛行ヘリコプターです。Falx Air’s Helicopter UAV は、メインシャフト軸の方向に沿って搭載される３つのトルクモーターを２セット使用しています。無人ヘリコプターは、小さなロータリーエンジンを使用することにより永久磁石発電機を動かして電気を起こします。発電機が故障した場合、無人ヘリコプターはバッテリーに蓄えられた電力によって安全に基地局へ引き返すことができます。
太陽光パネルから電力供給を受けるDrone
アメリカ陸軍は、微生物で動作する無人飛行機を開発するためにワシントン大学の研究者グループに資金提供をしています。研究者は微生物と同様の用法でエネルギーを生成する工程を複製しようとしています。このため研究者は、エネルギーを生成する工程を複製するための合成染料を開発しています。この染料は、その翼で電力を生成して無人飛行機の推進に使用されることになるでしょう。これまでのところ、アメリカ陸軍はおよそ４５万ドルをこのプロジェクトに費やしており、２０１２年までに生産可能になることを目指しています。
