未来から来たサイボーグが撃たれてもまるで傷ついていないかのように皮膚が元に戻っている、ハリウッドで最も有名なSF映画に出てくる数々のシーンを覚えていますか?その技術は未だ無いかもしれませんが、私達が向かっている方向は確実に、今のハリウッドを現実のものにするかもしれません。その様な未来は遠くても心配はいりません。遥かに先の事で、反抗的なロボットは関っていません。しかしプラスチックの表面を自然に治す性質は既に完成しつつあるようです。
南ミシシッピ大学のモレク・W・アーバン氏は、現在動物や人間の皮膚の様に「血を流し再生する」プラスチックを開発中であると述べました。「血を流す」と言う意味は勿論、構造的に損傷を受けているという意味で特定の損傷の領域をいいます。端的に言うと、傷を受けた場所が赤く変色するのです。
さらに面白い特性は、時間が経つにつれ傷が繋がれ修復することが出来るのです。皮膚は生体組織なので再生することが出来るのは分かっていますが、プラスチックはこれをどう管理しているのでしょう? これには2つの方法が明らかにされています。一つはプラスチックの表面に塗布されたカプセルが損傷した時に、こじ開けられたカプセルが新しい表面の構成を促すことです。もう一つは、熱や光の変化に晒すことによって化学的に結合し再生する為にプラスチックを刺激する事です。アーバン氏の設計による新たな特質として、プラスチックポリマーのチェーンが切れると変色し「出血」する機能が与えられました。
この技術はいつか、スマートフォンやタブレット、車や航空機に使われ損傷した表面を正しく修復することが出来るかもしれません。しかし現在の形態で航空機や潜水艦の様な巨大な運送機の破損を警告することが出来ます。
Via: ポップサイエンス