情報工学の発達で、今や世界中の情報をコンピューターの画面で見ることができますが、今でも多くの人々は車を運転して旅をします。先進国においては、車を使うことが空気を汚染し環境保護の妨げになっており、低公害の車への需要が高まり続けています。ここでは、無公害の全天候型車10種をご紹介します。
ヘリオスATV(全地形万能車)コンセプト
ヘリオス ATVを初めて見ると、それがコンセプトカー、またはSF映画に出てくる車だと思われるでしょう。ドイツに住むKim Gu-Hanがデザインしたこの車には、たくさんのソーラーパネルがついており、それらのパネルによりバッテリーを充電します。車を運転するときは、この羽根のように広がったパネルを畳むだけです。しかしこの車の乗車定員が少ないこと、材料費が高いことがネックでした。
RC4 ATV電気コンセプトカー
このKTM RC4 のコンセプトカーは環境に優しい車のコンセプトで知られるデザイナーのトリスタン・ヒップス(Tristan Hipps)により作られました。オールズモビル(Oldsmobile / 1897年にOlds Motor Works社によって作られた自動車のモデル)にどことなく似た外観をもつこの車には、運転者一人しか乗れません。現代の他の車と同様、リチウムイオン電池で動力を供給します。この車の動力源は電気だけなので、炭素排出量はゼロです。小さなボディで、コーナーもスムーズに走行できます。
TRAKROK ATV コンセプト三輪自動車
Trakrokは、アレクセイ・ミハイロフ(Alexei Mikhailov)がデザインした全地形対応型三輪自動車です。車体前部の2つ、後部に1つの動力車輪がついており、全て電力で駆動します。タイヤには特別なゴムパッドがついており、泥や雪等で覆われた路面へのグリップ力を高めます。水素ベースの燃料のためのタンクは車体中央部あたりにあり、重心をとっています。水素は炭素排出がなく、非常に燃焼しやすい性質をもち、高い発電能力をもつのが特徴です。タンクは、耐久性に優れ、厳しい天候条件からタンクを守る陽極酸化加工を施したアルミの筐体で覆われています。
CD2グラスホッパー
Vil Tsimenzinは、代替エネルギー車の分野において、卓越したデザインで知られている工業デザイナーです。このCD2 グラスホッパーは、分厚いタイヤと高い位置にあるシートが特徴的です。充電式バッテリーと屋根部分に取り付けられたソーラー発電の二元動力供給のこの車は、途切れない走行を実現します。。最高時速はおよそ45マイル(約72km)、1回の充電で1.25時間の走行が可能です。またバッテリー内の電気量が変わると、車体の色が変わって残量を知らせます。
電気クワッド
デザイナーのFacundo Eliasがデザインしたこの電気クワッドは、車台を含む全てのコンポーネントが再生プラスチックから作られています。エンジンは48ボルトのモーターを搭載し、発生する750アンペアの電力は完全に無公害です。バッテリーは110Vの電源で最低6~8時間充電した場合、3時間の連続走行が可能です。また走行中に電力が切れてしまった場合は、ドライバーの座席下にあるソーラーパネルを使う緊急充電システムを装備しています。またデジタルディスプレイで車の電力状況など、走行に必要な全ての情報を得ることができます。
ハンビー(高機能多目的装輪車)
名前が示す通り、 ハンビーEVOは環境に優しい全地形対応型自動車で、ハマーに合わせてデザインされた印象的な外観が特徴です。イタリア人デザイナーのMatteo Carneatoが作りだしたこの車は、どんな気象条件にも堪え、川や湖、池なども走行することができます。サスペンションが車輪自体に取り付けられているので、荒れ地や急カーブなどの走行に驚異的な順応性があります。上部のドアから乗りこむと、シートが正しい位置にスライドして移動します。動力はゼロ排出の環境に優しい燃料電池から供給されます。
エルフ(ELPH)
エルフ(ELPH)インドネシアのデザイナー、Rizki Tarisaが2050年に向けてデザインしたこの車は全地形対応型自動車でドライバーの快適性と操作性を実現するものです。空気力学を応用した形をしたこの車は、水素燃料電池を動力源としています。水素燃料電池からは水滴が排出されるだけで、汚染物質の排出は完全にゼロです。ヘッドライトやフォグランプ、LEDのコーナーライトもデザインの一部となっており、交通量が多い道路の走行を楽にします。サスペンションは車輪内にあり、車の騒音や振動を減らします。後部にはトランクスペースもあるのでショッピングにもぴったりです。指紋信号で動く両側の2枚のドアは、楽な乗り降りを可能にしています。
プジョー・カプセル
南米のデザイナー、Alp Germanerがキャンプ旅行用にデザインしたこのプジョー・カプセルは、まだ生産ラインには乗っていません。ほとんど全ての気象条件に対応するこのATV車は、リチウムイオン電池を動力源とし、電池切れの場合にはソーラーパネルを使って充電が可能です。内臓式の収納スペースは取り出してキャンプ場でのテーブルとしての利用や、また荷物入れとしても可能です。タッチスクリーンで全てのコントロールが可能で、またサテライトシステムでの通信もできます。
都市型ATV 未来の車(Urban ATV Futuristic Vehicles)
アルゼンチンのデザイナー、Angela Martinがデザインしたこの都市型ATV は、環境に優しい通勤用車です。このコンパクトなデザインと操縦性は渋滞エリアでの走行にぴったりです。主に都市部での走行を想定していますが、田舎でも何ら変わることなく走行できます。電気モーターを動力源とするこの車は環境汚染物質の放散がありません。乗車定員は2名です。
KTM AX
街を走る自動車というよりは、宇宙ミッションで使われるもののように見えます。車高が低く、地面を這っているいるように見えますが、どんな荒れた道でも容易に走行できる高いグランドクリアランスが特徴です。ハイブリッドの駆動モーターが車輪部分にあり、石や砂利などの路上の障害物を寄せつけません。また車台の空気力学デザインにより、動きがスムーズです。