UAV(無人航空機)は、人間には危険すぎる、地球上の活動を監視するために使用されています。しかし、時間が経つにつれてUAVの「環境へのやさしさ」が強調されるようになりました。機能や形は重要ですが、今日のエンジニアたちは環境に害を与えないUAVの開発に専心しています。よってUAVは、戦争やスパイの目的に使用されるだけではなく、よりよい地球にするためにも使用されていることになります。以下、「環境にやさしい目的」のために利用されているUAVを紹介します。読んでみてください。
1. HADA Electric UAV
スペインの航空宇宙技術国立研究所が、環境にやさしい電動UAVを初めて開発し、HADA Electricと名づけました。このUAVは、ヘリコプターと航空機が組み合わされ、VTOL(垂直離着陸)技術を利用しています。従来の航空機に比べ、3分の1の燃料しか消費しません。プロジェクト長のマヌエル・モレロ氏は、このUAVには人間が乗ることもできると言います。画像をリアルタイムで転送したり、機器を移動させたり、国境をパトロールするのに使用されます。
2. ノースロップ・グラマン RQ-4 UAV
NASAは、Grumman RQ-4を、爆撃機からより環境にやさしい航空機に改造することにしました。これは、NASAの人工衛星AURAによる大気ガス測定のためのリサーチ航空機として使用される予定です。人工衛星は、損傷しても修理のために宇宙から回収することはできません。よって、データが失われないよう、また正しいデータを確保できるよう、測定結果を記録する機器が必要となるのです。
3. KIST ソーラーパワーUAV
韓国航空大学と韓国科学技術研究所の間で、MoUが締結されました。これにより、20,000 mの高度を何ヶ月間も飛行できるソーラーパワーUAVの開発が進むことになります。このUAVには、勧告航空大学のデザイン技術と科学技術研究所のソーラーパワー・メカニズムが利用され、翼長は40 mになる予定です。翼にはソーラーパネルが搭載されており、太陽が隠れている時は、リイオン電池に蓄積されたエネルギーによって飛行します。
4. クイーンズランド工科大学のソーラーパワーUAV
クイーンズランド工科大学の研究員達は、24時間監視用のソーラーパワーUAVの開発に取り組んでいます。翼長2.5 mのこの「グリーン・ファルコン」は、遠隔視覚データ感知能力を有しており、命や財産が失われ得るオーストラリア国内の山火事を追跡します。また、搭載された赤外線カメラを通して、危険にさらされた人々の情報を転送するのにも使用されます。その他にも、大気や気象の調査や予測、海洋の監視などにも利用できます。
5. オーロラのソーラーパワーUAV
DARPAのヴァルチャー・プログラムにおいて要請されたUAV。オーロラ・フライト・サイエンスイズ社が完璧なモデルを開発しました。同社によると、この航空機は高度60,000フィート(約18000m)以上を、ソーラーパワーで5年間飛行することができます。3つの航空機をZの形に配列することで、日中に日光を最大限に吸収することができるのです。この500フィート(約150m)の長さの航空機は、日中は自己充電し、夜間はエアロダイナミクスを向上させるために平たく飛行します。日中は63 m/s、夜間は43 m/sで飛行すると、同社は伝えています。
6. バイ・エアロスペース社のハイブリッドUAV
バイ・エアロスペース社は、未来型UAVのデザインを考案しました。ソーラーパワーで稼動するこのUAVは、アセント・テクノロジー社と共同で開発されています。軍用への製造が考えられていますが、販売用にも製造される予定です。サイレント・センティネルという名のこの航空機は、ゼロ・エミッションです。一次推進力のため、改良されたウィリアムズFJ33ターボファンが使用されています。
7. ジョージア工科大学の燃料電池UAV
ジョージア工科大学は、物事を少し変わった方法で行うことで知られていますね。これにならって、今回は500Wの燃料電池で稼動するUAVの実験で成功を収めました。22フィート(約6.6m)の翼長を持つこのUAVは、圧縮水素を使用しながらプロトン交換膜燃料電池で飛行する最大の航空機だと言われています。また、離陸の際にブースターを使用しない方式の技術が使用されています。
8. イオン・タイガー 燃料電池UAV
水素電池のイオン・タイガーは、アバディーン性能試験場において23時間17分の飛行記録を持つUAVです。アメリカ海軍調査研究所で開発されたこの航空機の特徴は、ゼロ・エミッションであることです。電動の燃料電池推進システムにより、騒音もあまり出しません。パトロールや気象調査に使用することができます。
9. Falx Air社の同軸UAVヘリコプター
電動ハイブリッドエンジンによるUAVに、 Falx Air 社は、電池の高速充電システムを適用しています。重量をコントロールするために、このヘリコプターには航空宇宙認証の複合材が使用されています。積載量は70 kgで、長距離の監視用にデザインされています。
10. 色素増感太陽電池による無人機
ワシントン大学の研究員たちは、紅色細菌を利用したUAVを開発しています。彼らは、細菌から合成染料を作っているのです。染料の中の色素は、二酸化炭素を炭水化物に換えることができます。研究員たちは、日光を電気に換えるために、このメカニズムを実現させようとしています。ちなみに、この色素増感太陽電池は充電する必要がありません。