省エネ、汚染の低減、そして自動車の様々な機能を搭載した先端の自動車技術は未来の自動車モデルの基本的属性だ。未来の乗り物はしばしば空想科学小説にインスピレーションをえているが、その拠り所はエンジンの動力源となる手ごろな価格のクリーンな燃料だ。さらに、無人の自動運転システムにより人的過誤は排除されて乗り物の安全性はさらに高まると思われる。
これから紹介する未来のモデル車両は将来の輸送にかかわる難題に対しての解決策となりうるものだ。そこでは乗り物は限られた駐車スペース、都市部の道路での交通混雑にうまく対処していかなければならないのだ。
GM EN-V
上海汽車工業（株）と提携関係にあるゼネラルモーターズは昨年の上海万博2010で環境に配慮した「Electric Networked Vehicle」（ネットワーク化された電動車両）または「EN-V」のコンセプトカーを公開した。脱石油のテクノロジーや手動走行、自立走行ともに可能な革新的な運転機能など、車両にはユニークな自動車技術が組み込まれている。
Jiao (Pride), Xiao (Laugh) と Miao (Magic)と命名されたツー・シーターGM EN-Vの改良型車両はそれぞれ電気モーターで走行する。車両に組み込まれている動的安定システムは、走行条件に関係なく、自動的に車両を安定させる。電子制御方式による運転により、車両は自律的に制御される。搭載されたリチュームイオンバッテリーが動力源となり、一回の充電で少なくとも航続距離40キロメートルが可能となる。GPSベースのナビ、高度な無線通信方式、組み込まれたセンサー類、カメラ類により事故のリスクを最小限まで抑えることができる。
Autonomi
Autonomiはアンソニー・フランツにより概念化された車両で、4基の120KW電池駆動方式の電気エンジンで駆動する完全自律走行車だ。そのコンセプトは将来現実のものとなる可能性があるが、その際だった特徴は180度まで回転可能な座席にある。車両のデザインは環境に配慮しつつ開発も確実に推し進めるために、様々なパラメータのバランスをとる伝統的な中国の原理・原則からインスピレーションを与えられている。
ZMP RoBoCar MEV
日本の自動車メーカーZMPにより製作されたRoBoCarは複数のオンボードコンピュータからなる最先端の自律走行システムおよび車速センサー、慣性測定ユニット、レーザレンジファインダを内蔵している。車両の動力伝達機構は電気を燃料とする。また、人間のドライバーの助けを借りずに車両が正しい軌道に乗って走行できるように設計されている。ZMPのモデルはステアバイワイヤシステムを搭載しているが、オプションで自動ステアリング機能、ブレーキバイワイヤシステムともに装備可能だ。
EV 2020
EV 2020は独特の丸みを帯びたデザインだ。搭載しているセンサーとプロセッサーにより自動運転を簡単に体験できる。産業デザイナーロビン・ロングにより概念化された未来の乗り物はNAV-Iドライバーシステムで駆動する。ＧＰＳベースのナビによりユーザーは混雑した都市の道路を通って安全に通勤できる。排気物質ゼロの車両は充電式電池が動力源となる。
Jaguar Mark XXI – Bionomic Autonomous Limousine
このゼロ・エミッションの未来の乗り物は太陽光のパワーを活用してエンジンを動かす。クリス・ポラードデザインのJaguar Mark XXIのコンセプトは自動走行技術と太陽電池式発電エンジンの融合にある。車体に取り付けられた光起電性パネルはオンボードの蓄電池に必要な電気を太陽エネルギーから生成する。
Zagato People Mover
この未来型の無人操縦のポッドカーは、車に装備してあるコンソールに希望の目的地を打ち込んだ途端、交通渋滞を通り抜けて目的地まで連れて行ってくれる。このemission-free vehicleは汚染物質を全く排出しない。3時間にわたってエンジンを駆動できる蓄電池が動力源となる。車体に組み込まれたセンサーが自動的に障害物を感知し、瞬時に車両を減速させ、衝突を回避する。
ATNMBL
「どこにお連れいたしましょうか？」という質問に答えるだけで希望の目的地に連れて行ってくれるそんな車があれば言うことはない。Mike と Maaikeデザインの未来の自律走行車 ATNMBLのコンセプトは電動のガラススライドドアのある電気自動車だ。自律走行システムの採用により車両には運転席、ステアリングホイール、ペダル類がない。
City Car
マサチューセッツ工科大学の研究者たちはその都市を訪れる観光客にターゲットを絞って小さなtwo-seater passenger carsを開発した。積み重ねができる電気ロボットカーは主要都市にあるキオスクで貸し出されることになる。この小型電気自動車は自律走行ブレイキングサスペンションシステムを装備している。
AXI Robot Taxi
産業デザイナーのKubik PeterはAXI Robot Taxiを2人分の座席と小さな手荷物用スペースがある設計にした。小型の車両は混雑した都市部の道路に適しており理想的といえる。その動力源は蓄電池式の電気エンジンだ。人間の運転手は自律走行ユニットに取って代わられるだろう。
Guardian Vehicle
未来のエミッションゼロの自律走行車はたいてい小型の2人乗り車両だ。ジョン・ブカサは大人4人と子供3人、計7人が乗車可能な大きめのサロンカーを設計した。Guardian Vehicleの４インホイールモーターは太陽光発電、電気のいずれでも再充電可能なリチウムイオン電池で駆動する。自動運転システムに組み込まれた高度な安全機能により、衝突のリスクを最小限まで抑えることができる。娯楽面では、大型のタッチパネルテレビ、映画ユニット、ゲームコンソールなどの設備がある。
