人間が引き起こした最大の環境災害の幾つかに、海面に原油を流出し海の生態系を破壊した事が挙げられます。悪名高い原油流出の画像は1990年代初めに中東で起こったもので、海洋生物は厚い真っ黒な油の層にまみれて死んでしまうという、世界で長く記憶されている惨事です。勿論放って置かれた訳ではなく、遺伝工学者達はこぼれた原油を清掃するために油を食べるバクテリアを提案し長く試行しています。ライス大学とペンシルバニア州立大学の研究者達はナノテクノロジーに向かい、今後数年のうちに生命を救う事が出来る可能性のある素材を合成しました。
彼らは新素材のカーボンスポンジを作り、カーボンナノチューブに少量のホウ素を加えて生産されます。これによって素材の吸収力が増し、軽量で強靭な耐久力と原油を吸収する絶大な力を与えています。このカーボンナノスポンジは連結構造を形成する能力を持っていて、ホウ素のような不純物を添加する事なく形成する事は出来ません。半導体技術の場合と同様、少しのドーピングは常に正しい結果を生み出すようです。
ホウ素を添加したカーボンナノチューブの共有結合形成力の増加は、望ましい性質の配列を示している事を意味します。中でも最も重要なのは超疎水性を持ちながら親油性を兼ね備えている事です。簡単に言うと、油に興味があり水を寄せ付けず、海面に浮揚しやすくオイルを吸収します。ナノスポンジは非常に耐久性が高く、吸収した油を集め何度も繰り返し使うことが出来ます。自身の重量の100倍の油を吸収できます。科学者達の次の挑戦はマイクロレベルに合成して日常生活に使えるようにする事です。
Via: ライス大学
