この特別に設計された空力車は、チーム・ファントムの期待に応えるものとなりました。マネジャーのティム・コルベット(Tim Corbett)率いるチーム・ファントムは、大会で第一位を獲得、この厳しいイベントにおいてチームの名は絶対的なものとなりました。動力テスト実験では、ドライブライン（動力伝達装置）からの動力が断たれていることが明らかになりました。この問題解決のため、車体下部に変更が加えられています。ドライブラインの様々な設定を実験し、世界中のあらゆるメーカーからローラーを取り寄せて、自作のローラーでテストが行われました。
この改良により、ドライブラインの抵抗をおよそ20ワット減らすことに成功しました。このことが、プロフェッショナルの大会での勝利に大きく貢献しましたのです。この大会に向けて、車体のかみ合いなどの細かな調整が行われました。車体前部をわずかに上に向け、これにより最適なグランド・クリアランス（最低車高）が実現したのです。
車体重量の調整も行われ、総重量はおよそ1.5kg軽くなりました。
これらの変更点以外の他の部品は以前のチーム・ファントム製作のバイクとほとんど同様のものが使われています。内部流れの設定も以前チームが使ったものと同様になっています。デュアル・リッドは2009-2010年に使われていたものと同様のものを使用しています。
大会での勝利のためには、トレーニングも欠かせないものでした。チームのメンバー全員が実際のバイクを使用してのトレーニングに膨大な時間を費やしたのです。メルボルンを本拠地とするこのチームは、ベン・ハーネッティ（Ben Harnetty)製作のS字型シートの背もたれに慣れなければならなかったのです。
Via: Phantomhpv
