処理木材は、木材を圧縮加工して作られるため、薄い緑色をしています。圧力をかけて木の細胞構造の奥深くまで浸透する防腐剤が、長期間にわたってシロアリや腐食に対するバリアとなります。その耐性はおよそ40年以上持続すると言われており、内装材及び外装材として有用な建材です。また処理木材は水に浸かったり、埋まったりしても腐食せず、害虫により破壊されることもありません。
殺虫剤としての効力も持つ処理剤には大きくわけて水性、油性、クレオソート（ブナ材のタールを抽出した液体。殺菌や防腐剤として使われる）の3つの種類があります。水性処理剤で処理された木材は、主に工業製品、業務用製品、住居用の製品や塗料に使用されます。クレオソート処理された木材は、フェンスやドック、鉄道の線路などに使われます。油性処理剤で処理された木材は工業製品や線路の枕木などに使われます。家や庭で使われる木材の処理剤である除草剤や殺虫剤は通常ペンタ（Penta)と呼ばれる油性の保存料を含んでいません。
高圧加工された処理木材のメリットはたくさんありますが、そこから生じる危険をいくつか見てみましょう。
処理木材は健康被害を引き起こしたり、環境に影響を与える可能性があるため、その選択、使用そして廃棄には細心の注意を払わなければなりません。
高圧処理木材の危険
1. 屋外のごみ捨て場に廃棄されるゴミの大半は、業務用建築物やその取り壊しにより生じたものです。
2. 高圧処理木材を燃やしたり、粉砕したり、また不適切に使用したりすると、健康被害が生じたり、環境に影響を与えます。
3. 無機ヒ素やクレオソート、 ペンタ（高圧処理木材に使われる殺虫剤）も大変有害です。ですからこれらの物質を使って加工された処理木材の取り扱いや廃棄は、細心の注意を持って行われなければなりません。
4. 腐葉土や堆肥として使用するために粉砕された処理木材は、ガンのリスクを飛躍的に高めます。
5. 処理木材を燃やすと発生する有毒ガスは、近隣にも影響を与えます。
6. 木材自体は分解されますが、処理に使用された薬品は分解されません。つまり、木材内部にまで浸透したこうした薬品は、いつまでも残るのです。
7. いくつかの処理木材で使われているヒ素に長期間さらされると、人の生涯にわたって膀胱がん、肺がん、皮膚がんのリスクを高めます。
人に危害を及ぼすのは加工の過程で使われる化学薬品であって、圧力処理木材の性能ではありません。人間、特にこうした薬品にさらされる家の住人は、その有害な影響を受ける危険があります。化学薬品は周囲に溶け出す性質があるからです。
古い木材や再生木材を使用した建物の改修を行うときには、有毒物質の露出を考慮しなければなりません。
処理木材の代替品
圧力処理木材には上記のような害がありますが、その代替品を知っておくことは役に立ちます。毒性の少ない木材製品が処理木材の代替品となります。こうした代替品を取り入れることにより、今後廃棄される処理木材に関する不安を取り除くことができます。
1. アメリカスギ（杉や檜などを含む）は虫や腐食に対して素晴らしい耐性があります。またカットや釘うちも容易です。しかし高価であり、湿度に影響を受けやすいというデメリットがあります。
2. 熱可塑性物質である高密度ポリエチレン（High density polyethylene / HDPE）は、耐候性に優れ、農業目的にも適しています。また、高い薬品への耐性もあります。しかし、紫外線に対する耐性は劣り、建物の建築には向いていません。
良くある質問
1. 高圧処理木材から子どもが受ける影響はどんなものでしょう？
答え：木材処理に使われる農薬であるヒ素にさらされる危険があります。木に皮膚が触れたり、触った手を口にいれたりすることにより、子どもたちは危険にさらされます。処理木材に使用された殺虫剤はゆっくりと周辺の土壌に浸透し、そうした土壌に子どもが触れることによっても子どもたちは危険にさらされる可能性があります。
2. 処理木材の危険を減らすにはどうしたら良いのでしょうか？
答え：処理木材の危険を減らすには、以下のような方法があります。
• 屋外の遊具やデッキで子どもが遊ぶときには、親は常に気をつけなければなりません。外で遊んだ後や食事の前には必ず手を洗わせましょう。処理木材が使われた遊び場ではものを食べさせないようにしましょう。
• 遊具のハンドペグ固定に粘着テープを使えば、危険性を大幅に減らすことができます。
• 処理木材を使ったプランターで野菜を栽培するのは避けましょう。
• ピクニックテーブルの上にテーブルクロスを敷くことで、処理木材との直接接触を避けることができ、危険性を減らすことができます。
• 殺虫剤を使った処理木材にドリルで穴をあけたり、のこぎりで切ったり、ヤスリをかけたりする場合には、ゴーグルや手袋、マスクを身につけましょう。
