原子力発電は世界のエネルギー危機の切り札となりうるのかということは永遠の課題です。再生エネルギーを利用する新技術はここ数年で飛躍的に向上したので、危険を冒してまで原子力に行く必要があるのかということになるのです。つまりここでお話しするような利点と難点が絡んでくるのです。
良い点
より効率的なカーボンフリー電力
化石燃料に比べて原子力発電所は効率的でカーボンを発生しないエネルギーです。原子力発電過程で生じる温暖化ガスは石炭やガスによる発電の１００分の１で硫黄やその他の汚染物質も発生させません。コストに関してもとても低く、これはウラニウムの使用量が少なくて済むことに由来しています。
世界各国でエネルギー源不足に四苦八苦している中で、原子力は化石や生物エネルギーへの負担を減らしてくれるものです。これによって各国のエネルギー供給が確保され、原油価格も多少は安定してくるでしょう。
果たして本当に優れているのか？
最新の研究では原子力発電に伴う問題のほとんどが最新の発電機によって解決されるということです。既存のウラニウムの埋蔵量でこの先５０年、まだ発見されていない分は１５０年先まで世界の電力を賄えるということです。ウラニウムの他にもソリウムを有効活用すれば半永久的に世界のエネルギーを確保できるかもしれないのです。
悪い点
発電用のウラニウムの採取にかかる費用
ウラニウムの採取に関してはいくつかの問題点があります。放射性が大変高く、健康へ及ぼす被害は大きなものです。現状の採取技術もチェルノブイリや福島原発の例を見ると分かるように完璧ではありません。その為にインドなどで原子力発電の話が持ち上がると大きな反発にあうのです。
加えて発電所の建設も安くはありません。ＮＳＧに加盟していない発展途上国において原子力発電所を建設することはほぼ不可能に近く、独自で研究を送った際には、原子力爆弾との関連性を疑われたりもします。イランなどが良い例です。
避けられるのか？
原子力にまつわる全ての事で正確性や綿密な計画が求められます。自然災害は予期できませんが、人間の力でどれだけ避けられるかという事は見過ごすことは出来ません。コストにしても最初だけです。発電所のほとんどは２ヶ月以内に利益を生じることができ、政治がらみにおいても、基本的にはどの国も平和に原子力発電をする機会は与えられるべきです。
最悪の点
事故と核廃棄物の危険性
一番の問題点といえば核廃棄物や使用済み核燃料です。放射性の高さや核廃棄物の寿命の長さは排気の際に大きな問題となってきます。ＩＡＥＡのガイドラインでは核リアクターから５－１００年隔離してしっかり処理をすることが必要となってきています。しかし、各国共に最適な廃棄方法は見つけられていないのが現状です。
加えて原子力発電所が自然災害や人的災害に対して弱いという考えもあります。いわば核爆弾の上に座っているようなものなのです。３マイル島や福島原発の事故はその良い例です。
批判的になるわけ
今では大きなジレンマとなっているからです。原子力発電の是非に関しては環境団体や世界各国政府の間で多く議論されているものの、確固たるコンセンサスは得られていません。
基本線
世界各国における平等な開発は電力供給あっての事です。健康に関するだけでなく技術開発においても欠かすことができません。原子力発電こそ未来の希望の光です。さらに排ガス問題に対する解決にもなりますから、一刻も早く議論の段階から解決策の提示に移行できるようにすることが求められています。
