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集中光電池の全て

ソーラーパワー発電容量は2010年には2倍に跳ね上がり2009年の23GWに比べて40GWに達しました。特にヨーロッパではドイツとイタリアを中心にして13GWを発生しています。世界経済の停滞にも関わらずこうしてグリーンエネルギーが成長しているのは嬉しい限りです。

光発電技術の大多数は屋根に見られる平らな太陽電池パネルです。これはクリスタルシリコンを使用して太陽光からの変換レートは15-19%です。しかし、当然ながら晴れの日の話ですから曇りの日にはこの割合は下がってきます。また朝早かったり夕方遅かったりすると太陽の角度の問題で効率が落ちてきます。

新型技術のCPVはこのような状況を変えてくれるものです。CPVでは鏡とレンズのセットで太陽光を電池部分に集中させます。さらに太陽の位置も追いかけて電気発電効率も高めます。このようにCPV技術は太陽エネルギーの普及に大きく寄与するものと期待されます。

トレンド

1.ソルフォーカス

カリフォルニアにある同社は南スペインに数箇所CPV発電所を建設して10MWの発電を実現する$1億の契約を勝ち取りました。10MWだと40000人の需要を満たすのに十分です。同規模のプロジェクトはすでにギリシャで行われており、アメリカ国内でも小さな規模で採用されています。

ここでも鏡やレンズを使って太陽光を集中させます。最初の鏡が反射させた光を2枚目が650倍に集積してPVパネルに照射するのです。この機能は宇宙開発用に発達した技術ですで、マルチジャンクションと呼ばれるこのシステムは1000分の1のシリコン素材しか使わず従来のシリコンの15-19%の変換率に比べて26%もの数値を可能にします。

鏡とレンズはモーターで動く土台に載せられていますので太陽の動きに合わせて最大限の太陽光を取得できるようにプログラムされています。こうして40%もの効率化を実現しています。太陽光が集中して発生する熱を逃がしてやるためにアルミのパネルが設置されています。

太陽の陰にならないように工夫されたこのシステムは効率性においては大変重要で1MW容量のCPVには6-8エーカーの土地を必要とします。

2.膨らまし式ソーラー

カリフォルニアのリバーモアにあるクール・アースソーラー社は風船式で空に浮かぶCPVを開発しました。ペットプラスチックでできていて通常は食品包装に使われる素材です。直径8フィートの風船は上部半分が透明ですから太陽光を吸収できます。下半分は反射プラスチックですから風船中央部に太陽光を集めることが出来ます。ソーラーパネルは軽量ストラットで取り付けられており、冷却水循環システムによってオーバーヒートを防ぎます。

完成にはあと2年ほどかかりますが、このプラスチックフィルムの発明で太陽収集機の低価格化を実現します。宙に浮きますから地上のスペースも節約し太陽光線をより多く集めることが出来ます。

3.CPVプロジェクト

コロラドはアラモサにできる30MWの発電所です。まだコンセプト段階ですがゴールドマン・サックス社の子会社コジェントリックス社によって進められています。アメリカ政府はこのプロジェクト用に$9000万の資金援助をしておりカリフォルニアのアモニックス社が電気供給会社に選ばれました。幅23.5mのソーラーパネルには1000個以上のフレスネルレンズが各面についていて太陽光を収集させます。また効率の高いマルチジャンクションソーラー電池と太陽光追跡システムを搭載しています。225エーカーをカバーして30MWの発電量を可能にします。

メリット

鏡とレンズの費用は従来は1ワット当たり$7-8でしたが、PCVでは$1に抑えられています。変換効率は40%で従来の15-19%に比べるとその差は歴然です。6ヶ月ちょっとで元が取れますが従来は3-4年かかっていました。

土地を農業用などに有効活用できる点もソーラーパワーの魅力です。

デメリット

追跡モーターとコンピュータ制御システムは設置をややこしくして常にメンテナンスを必要とします。これは従来の固定式には必要なかった点です。

CPVはまた屋根には取り付けるようにはできていません。パネル背後で生じた熱を有効利用する方向で開発が進み、理屈ではこの熱でエアコンの水分蒸発を促進したり水を温めてビル内に使用したりできます。屋根取り付け式のほうがこれへの対応は簡単です。

インパクト

変換効率19%の動かぬ山をついに動かすことができるのです。2020年までには現在の化石燃料並みの供給可能量に達する見込みで、政府も積極的に資金援助をしています。CPV技術はソーラー電気の普及を加速させるでしょう。

シリコンPV電池メーカーは世界でも日本と中国、台湾の3国にしかありません。コストがかかりすぎて他国では真似できないのです。日本もそんな中この業界から手を引きそうです。その代わりアメリカとヨーロッパでCPV用のシリコン製品が開発されるので供給が安定すればここ3-4年で値段が高騰したようなこともなくなるでしょう。

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