マシュー・プライス氏はコベントリー市の将来的な移動システムとして画期的なアイデアを考案しました。コベントリーシティー・センター用にトラムシステムのデザインを依頼された際に、マシュー氏のフォーカスは該当システムが将来的にどのような役割を求められているかに向けられました。その結果ライトレールネットワークのこのシステムが生まれたのです。調査内容は歴史的・近代的な雰囲気を兼ね備え、周辺エリアや歩行者道路、バスなども巻き込んだ変化が可能になるようにというものでした。初期研究段階では市中心部再開発は歩道にスペースを確保しリングロード横断歩道を含むトリニティー通りの再構築が予定されました。
さらなる実地リサーチは世界に通用する移動システムで、コベントリーを訪れる人の期待を上回るシステムを作り出すために移動システムの長所・短所などを踏まえて多くのタイプが考慮されました。このような事実に基づいてマシュー氏は利用者のココロをつかみ、パフォーマンス機能の高いシステムを作り出しました。重要なポイントとしてはアクセスのしやすさ、効率性、見た目、快適性にゆったりとした座席、そしてお得な利用代金です。こうしてデザインされたこの移動システムは市内の主要ポイントをつなぎ利用性抜群です。
車両デザインは立っている乗客にも多くのスペースを与えるようにしてあり、そのためインテリアは最小限におさえてあります。車両の中心に手すりがあり、そこに腰掛けることも出来ます。また、座席の周りにはつり革がついていて、座席の下は荷物用スペースとしても活用できます。座席は背の高い人でも座りやすいようにスペース取りに工夫が凝らされています。
車両内には自転車・車椅子などが入れるようにもなっています。ドアの近くには黄色いマットがあり足元への注意を喚起します。外側デザインはアーチ状で印象に残る見た目となっていて、窓も同じようにアーチ状になっていて、デザインパターンはドア部分にも一体化しています。アウター・トラムはインナーシティー・トラムと異なり、リングロード・トラムは建設中です。
動力は小型モーターで車輪を動かしレールの上を移動します。内蔵電池は各駅で充電が可能で、最小充電で次の駅まで進めます。トラムを道路から少し浮かせるために強力磁場が搭載され、電磁波によって車両を牽引します。インフラも整備される予定で、駅のサインも大きく見やすくなって自動発券機にタッチパッド式改札の採用でスムースな出入りが出来るようになります。線路に下りないようにガラスでカバーされ、ドアの開閉も安全性には万全を尽くしています。
トリニティー通りのような大きい駅は例外として、プロジェクトとしては駅のデザインは細めにコンパクトにするようにして車椅子や乳母車も利用しやすくなっており、発券機の高さも工夫されていて車椅子でも簡単に利用できます。駅ビルはガラスタワーとしてデザインされており、昇り降りにはエレベーターを利用します。旧リングロード用トラムでは高い位置に駅が設置され、歩道のネットワークを使ってプラットホームへアクセスできます。ワイヤやパイプは道路下部に納め、駅の下部には電気自動車用駐車場が設置されます。こうして２０３０年に出来る予定のコベントリー高速移動システムは近代的で近未来な雰囲気が織り込まれたカタチになります。
