世界最古で最もエコフレンドリーな繊維といえば麻です。古くから船のマストやロープ、紙に洋服まで何百年にもわたって使用されてきました。マリファナにも関連の深いこの麻はとても強固で長持ちする環境に優しい製品です。麻の最大の利点はどこでも短期間でおよそ100日ほどで成長ができる点です。1941年には、ヘンリー・フォードは麻プラスチックでできた車をデザインしました。環境に対する意識が高まる中、麻は今日沢山の用途に利用されています。ここではそのような例をいくつか挙げて見てみましょう。
自然乾燥ベルト
ソラゾラ社は日本の組織で洋服やカバン各種、帽子などのアクセサリー類を販売しています。そこでこの天然繊維を使用して環境と調和した製品を作り上げました。例えばベルトは完全手作りでネパールのアーティストによって作られ、ネパールとヒマラヤ生息する野生の麻を用いており、D状リングで留められるようになっています。全ての天然素材は環境への優しさを念頭に入れられており、麻や天然の脱色剤として使われる薬用ハーブなどの栽培においても薬品は一切使われておりません。
変わったフルーツボール
有名なアーティスト、サーシャ・ハバーがアメリカのアフリカ移民に対する人種差別の歴史を刻むために作り出しました。1882年から1968年の間、およそ3500人のアフリカ系移民がアメリカ国内で殺害されました。ビリー・ホリデーの歌「変わったフルーツボール」から影響を受け、サーシャは鉄のホチキスと焼けた木に麻のロープを使ってこの作品を作り出しました。
エコフレンドリーな麻の椅子
自然との調和をしてヘルシーに継続使用可能な生活しようとする人が増えるにつれて、新しい環境に優しい製品の需要が高まっています。ベルリンに本拠を置くデザイナー、ワーナー・アイスリンガーは天然の麻でできた椅子を作り出しました。デザインは複雑で柔らかな曲線と目を引く水平状の羽のような形の部分が特徴的です。軽量製造過程の採用によって、安定かつ低コストでの製作を可能にしました。天然の麻繊維に加えて、エコフレンドリーな熱硬化性バインダーも作り、フェノールやホルムアルデビドも含んでいませんが高い強度を誇ります。この麻の椅子は2011年ミラノデザイン週間で「体現された詩」という紹介で展示されました。
麻リモコン
モッダー・ドレックはニンテンドーWiiのリモコンとヌンチャクリモコンを改造して、100%天然麻の糸を使ってぐるぐる巻きにして機能はそのままに残したオリジナルリモコンを作り出しました。白いプラスチック部分をゆっくり削っていきコントローラー部分が出てきたらごつごつしすぎないように気をつけながらロープを巻いていったのです。こうして機能性はそのままで汗を良く吸い込むデリケートな麻リモコンが完成しました。エコに関心のあるゲーマーには魅力の製品です。ちなみに麻を選んだ理由はフレキシブルな使いやすさのためということです。
麻アート
現在はロサンゼルスに在住のイタリア人アーティスト、ゾイ・グルーニは世界各地で行われる有名展覧会に作品を提供しています。一般的な素材の変わりに、彼女は麻を用いて強烈で他に類を見ないユニークな作品を作り出しています。世界に1つのこのような作品は人間の体や動物からアイデアを得ているそうです。つまりヒトと動物とのつながりを訴えたいとしているのです。ちょっと変わった作品は好き嫌いが出るでしょうが注目度はナンバーワンです。