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未来の建築物は住居や作業スペース以上のものになり得るのか?

今日の建築

この地球上の限られた土地、そして増え続ける人口は、私たちに文字通り戦いをもたらしました。数十年前には人が住んでいなかった地域に人があふれている今、南極はごくわずかな研究者や科学者を除いては人がいない地球上の唯一の場所と言えるでしょう。こうした土地不足により、建築家たちは広い土地面積を必要としない超高層建築へと向かうことになりました。かつて広大な家やオフィスがあった街には今、スペースを犠牲にすること無く多数の人々を収容することができる、垂直方向の建物が増えました。

 

Future architecture

もちろん、使用する土地面積が少ないということが必ずしも利用する天然資源を減らすことにつながる訳ではありません。人類の需要は地球が生み出すことができるものを遥かに上回っており、そのため建築物やその周辺を自立可能なものを設計する建築家やエンジニアたちが主流になってきているのです。建物やその周辺環境を複数の目的のために使用する複合開発は、持続可能性を高めることができる一つの方法です。すべてが近接して作られれば車の使用が減り、そのことが公害を減らし、健康を増進することにつながります。

 

クリーンな未来の必要性

世界は今、従来の資源使用量の増大、森林破壊や公害により非常に高い炭素排出量に直面しています。従来の建築物は膨大な量のエネルギーを消費します。このエネルギーは建設、原料の製造や建築現場への輸送、建築物の管理、修理や取り替えなどで使われるエネルギーで計算されます。現在イギリス国内にある建物は国内のエネルギー消費の約50%を消費しており、同時に同国の公害統計において同率の責任を負っているのです。

環境への明らかな脅威の他に、健康面についても考慮しなければなりません。現在呼吸器や心臓・血管に病気を抱える人の数は増えています。このことは高額な医療費そして短い寿命につながります。そして生産性が低下し、世界経済に打撃を与えることとなるのです。この問題に時間的猶予はなく、環境への配慮はしてもしすぎるということはないのです。こうした背景により、建築家や技術者たちは環境に優しく自立し、クリーンな建築物を生み出そうとしているのです。

 

解決策としての建築

建物の設計は、炭素排出量を減らす私たちの試みに大きな影響を与えます。環境に優しい建物というコンセプトは新しいものではありませんが、それについて人々が真剣に考えるようになったのは最近のことです。太陽光や風力、波力を燃料の代替として利用すること、ゴミの管理やグリーンルーフや雨水利用ガーデンにより植栽を増やすことは、環境への配慮の一例に過ぎません。最終的な目的は、使用量よりも多くのエネルギーを獲得し、余剰なエネルギーをその後の使用のために送電系統に戻すということです。

水もまた不足してきており、廃水を管理することにより保護することが可能です。処理した廃水は灌漑や養殖、産業に利用することが可能です。こうすることにより、私たちが消費することができる真水が増えるのです。

多くの人々の予測に反して、環境に優しい建築は従来のものに比べて高価なものではありません。実際、原料費や建築費はほぼ変わりません。環境に優しい建築は光熱費が大幅に減らせるので、長い目で見れば多額の経費を節約することができるというのは良く知られている事実です。また、そうした建物を使う労働者や学生の生産性は高まり、より効率性が増します。

 

動向

1. リオの「ソーラー・シティ・タワー」

Solar City Tower for Rio

設計者:RAFAA Architecture & Design

2016年のリオデジャネイロ・オリンピックまでに完成が期待されているこの「ソーラー・シティ・タワー」は完成すれば、素晴らしい建築物となるでしょう。このタワーは日中は太陽光を利用し、夜間は揚水エネルギー使って発電します。ここで発電される電力はオリンピック村を始めリオの街で使われます。RAFAA社によれば、特別な時に水が放水されて人々に自然の威力を思い起こさせる滝を出現させます。

 

2. スペインの「Water Droplet Resort」

Water Droplet Resort

設計者:+ Orlando de Urrutia

水滴のような形をしたこの「Water Droplet Resort」は、太陽光発電の助けを受けて空気から飲料水を抽出します。建物の南側ファサードに取り付けられる太陽電池で太陽光を獲得し、北側のファサードは換気のための格子構造になっており、そこには結露を飲料水に変換するTeex Micron機器が取り付けられます。設計者のスペイン人建築家、Orlando de Urrutia氏はこの技術が温暖で湿度の高い沿岸地域で使われることを想定しています。おそらくスペインで建設されることになるでしょう。

 

 

3. ブエノス・アイレスの「垂直サファリ」

Vertical Safari

設計者:+ Influx Studio

動物もまた、物事のスキームの一部です。+ Influx Studio社は、ブエノス・アイレスにあるPuerto Madero自然保護区近くに巨大な縦型動物園を提案しました。この動物園が使う土地面積は最小でありながら、野生生物保護にも役立ちます。この高層動物園には巨大な観覧車を備えており、人々はそれに乗って各階に行き、動物たちを観察することができるのです。この観覧車は非常にゆっくりとしたスピードで動き、1周するのに30分かかります。この動物園の最上部は休憩スペースとなっており、人々はカフェで休んだり、ギフトショップを見て回ったりすることができます。

 

4. クロアチアの「Biooctanic」

Biooctanic

設計者:+ UPI 2M

+ UPI 2M社が、クロアチアのザグレブで、バイオ燃料を新たな高見に押し上げるプロジェクトをスタートさせました。藻類と竹を使ったこの建物は「Biooctanic 」と名付けられ、使われている原料をバイオ燃料に変換します。この建物はガソリンスタンドの近くに作られ、周辺の空気を濾過することも期待されています。垂直農場と同様、このタワーの建築に必要な土地面積は非常に少なくなっています。

 

5. 韓国の「垂直農場」

Vertical Farm

設計者:Lee Dongjin,、Park Jinkyu、Lee Jeongwoo

Lee Dongjin,、Park Jinkyu、Lee Jeongwooの三人が設計したこの垂直農場では、その垂直構造で家畜を飼育します。「Circular Symbiosis Tower(円形共生タワー)」と名付けられたこの建築物は高層で、都市の中で家畜を育てることが可能です。草で覆われたらせん構造のこの建物には牛や鶏が放牧され、30日ごとに生息地を変えます。このサイクルにより家畜が食べた草がまた生えて、そこにまた牛が戻ってくるのです。この垂直農場のコンセプトは2011年のスカイスクレーパー・コンペティションの最終選考に選ばれました。

 

将来のビジョン

これまで見てきた5つのコンセプトは、環境に優しい建築は土地のスペースと天然資源を犠牲にすること無く私たちのニーズに応える方法の例です。創意工夫と環境保護組み合わせた持続可能な建築は、私たちが現在直面している多くの問題の良い解決策となるでしょう。技術の進歩と組合わさったこうしたビジョンは、この地球が当初可能だと思われていた以上のことができるという証明となるかもしれません。

 

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