ecofriend.com

達人に学べ:自然界の造形に触発されたソーラーエネルギーシステム

太陽光発電グリーンだが効率が低い

太陽光発電のようなグリーンエネルギーは、電力需要の解決策となりえますが、その成功には障害もあります。まず、太陽の力を集めて発電するために必要な装置の建造は高額になります。次に、太陽エネルギーシステムの設置に充分な土地が必要です。最後に、現代の方法では、日光の利用を最大限にできないので、その多くが無駄になります。これらの欠点は、従来のエネルギーをグリーンな資源に置き換える試みに重大な障害となります。ソーラーエネルギーシステムに45000ドル(約409万円)がかかることを考えると、ほとんどの市町村では投資することができません。というのは、このグリーンエネルギーソースは最大の利益は、システムが数基設置されない限りは、飛躍的に増えることが望めない種類のものです。これが、世界が燃料供給が枯渇しつつあるのに、いまだ従来の資源に頼っている理由です。

生態系との比較

技術の進歩にもかかわらず、グリーンエネルギーソースを活用する試みには、さほど進歩がありません。人工のシステムとは違い、植物は自身の必要から太陽エネルギーを効率的に転換します。太陽光の全体のなかで植物の光合成は、3-5%の効率を達成しています。一方サトウキビは、はるかに多く、7-8%の最大効率を達成しています。その他にも、油ヤシ、大豆、ひまわり、紅花、トウゴマなど、バイオ燃料の生産量が目立って多い植物があります。もちろん、太陽電池などの太陽光設備は、多くのエネルギーを生産します。しかし、例えばバイオ燃料を活用する目的だけのプランテーションを建設するコストに比べれば、報酬が充分でありません。自然の造形から着想を得る場合、従来のソーラーエネルギーシステムの方が生産高ははるかに多くなります。

自然から学ぶ

幸運なことに、それをやっているすごい人はいます。これらの発明は大規模で行われると、従来型のエネルギーソースへの依存が大幅に削減されます。

1. Solar Hornet

HORNET HAS NATURAL SOLAR CELLS IN ITS BODY

提案者: テルアビブ大学Marian Plotkin氏

テルアビブ大学の研究チームはある発見の前にして驚きました。その発見とはスズメバチの外殻が、日光を電気に変えることができるということです。東洋スズメバチが持つこの不思議な能力は、Marian Plotkin 氏をリーダーとするチームに着想を与え、この虫のもつ作用について掘り下げることになりました。以前から、東洋スズメバチが日光に強い時の方が活発に働き、午後に地中の巣を掘り起こしたりする傾向があることを、このチームは突き止めていました。他の種類の蜂は、午前中の方が活発です。2008年、研究チームは、この蜂の振る舞いに隠された理由を突き止め、その驚くべき能力の発見を促しました。Plotkin 氏とそのチームは、東洋スズメバチの身体の黄色と茶色の部分が太陽光を吸収し、一方で黄色の部分の色素が光合成を助けます。

より綿密な調査により、茶色の部分にある溝の列が日光を分化させ、黄色の部分に含まれるキサントプテリンが太陽光を電気エネルギーに転換します。そこでこのチームはキサントプテリンを含む太陽電池を開発し、その実験に成功しましたが、外骨格にある複雑な溝と穴を正確に再現することができていない為に、変換率は低いままです。次のタスクは、スズメバチの驚くべき身体と能力に密接に一致する電池を考え出すことです。

2.生物学的デザイン

Biologically inspired design

提案者: マサチューセッツ工科大学

マサチューセッツ工科大学の研究では、太陽光発電を行いながら、集積したソーラー発電の設置にかかるシステムカーボンフットプリントを減らしていく技術の着想をひまわりの花から得ました。ヘリオスタットのほとんどは、中心のタワーの周りに同心円状に配置され、影は対角線上にかかり、これらのヘリオスタットが、充分な日光を集める能力が減り、そのため生成されるエネルギーが減ります。ところが、MITの研究者は、ひまわりの花を模倣し、ヘリオスタットを放物線上のらせんに配置することで、カーボンフットプリントの約16%が削減できる一方で、集光量が増え設置する場所はより狭く済ませることができる可能性があります。成功すれば、MITの発見は、時に数百ドルにもなる運営コストを劇的に削減することができます。

3. 自浄機能のあるソーラーパネル

Spider-inspired technology

提案者: フロリダ大学

フロリダ大学の研究で、蜘蛛の体毛を模倣することで、自浄機能のあるソーラーパネルで、パネル表面を清潔に保ち集光の効率を最大限にできる技術が開発されました。パネルの表面は水をはじき、蜘蛛と同じように水や汚れを寄せ付けません。さらに、水が表面に当たると、水と一緒に汚れを運び去って、清潔さを保ちます。この技術は、窓や食品の包装に使うこともできます。

利点

自然の精巧な造形に頼れば、技術の着想を得ることができ、グリーンエネルギーの進歩につながります。そればかりでなく、更に観察を重ねれば、更にサステナブルな暮らしに役立つ発明が見つかるかもしれません。

Today's Top Articles:

Scroll to Top