自然はいつも人間にインスピレーションを与え続けてきました。そして、複雑な建築デザインの問題を解決するときにも、自然は建築家に安らぎを与え、建築家は物事に対処する自然な方法を理解してそこから学んでいきます。木々、植物、丘など自然の要素からインスピレーションを得る過程をバイオミミクリー(biomimicry)と呼んでいます。自然から学ぶことは、デザイン関連の問題を解決することだけではなく、環境に配慮した持続可能な建築構造を考えるきっかけともなります。
マッド・アーキテクト(Mad Architects)によるフェイク・ヒルズ(Fake Hills)
建築事務所マッド・アーキテクトは、フェイク・ヒルズと呼ばれる偽の丘、丘の形をした集合住宅のデザイナーです。ベイヘイ市に建設が予定されています。その集合住宅は、うねりのある屋根やデザインを取り入れ、部屋から見える外の風景を最大限にしました。デザインは自然からインスピレーションを得たようで、自然光が十分に入る部屋には当然電気を使用しなくても暖められ、環境に配慮した集合住宅を言えるでしょう。
HKSによるITC社タワー
新しく建設されたITC本社は、HKSによって開発、設計されました。この持続可能なビルの主な目的は、LEEDプラチナ認定を取得することでした。この26階のビルには、2、3倍に上方に成長していく植物が植えつけられています。照明と温度調節のためにダブルスキンシステムを導入し、建物内に太陽光だけを取り入れ、太陽の熱が入るのを防ぎます。緩やかなピラミッド傾斜構造は、建物が煙突として機能するためです。この煙突は、建物内に風を入れ、窓を通してオフィスに十分な換気を供給します。
ガウディ(Gaudi)の傑作
アントニ･ガウディが、代表作であるバルセロナのサグラダ・ファミリア教会を製作している間、彼はインスピレーションを自然に求め始めました。建物の装飾構造は、屋根をマグノリアの葉の形に設計し、螺旋階段や蜂の巣の門、動物を描写したガーゴイル、草の形をした小尖塔や珪藻状の窓などです。
ムドン・ラ・フォレット(Meudon La Foret)文化センター
セレロ建築(Serero Architects)によって設計されたフランスのムドン・ラ・フォレット文化センターは、自然に深く影響を受けた建築です。壁はオーガニックコンクリート・シェルを使用しています。一見、脆く見えますが、非常に強固な原料です。電力については、建物の傾斜に太陽電池を装備しています。建物は天蓋形で、十分な太陽光を取り入れるため窓は台形の形をしています。
Pini@Pigneto
GOMMAデザインによって発表された設計図は、柱が木の幹に、ソーラーパネルが木の葉の形をしています。このソーラーパネルは隣どうしが重なることなく、最大限の光を受信するために、緻密な数学的計算で傾斜しています。この作品の土台になる多数の木々は、お互いをサポートする為上部で接続しています。また、このデザインには、2つの意図があります。第一に、日中、通勤者に日陰を与えると同時に太陽電池を充電し、第二に、夜間、LEDランプを点灯することです。
アンダーカーレント建築(Undercurrent Architects)によるリーフ・ハウス(Leaf House)
オーストラリアのこの住宅団地は、アンダーカーレント建築によって設計され、葉を介して自然の中にいるようです。住宅の屋根は、落ち葉が農園のいたるところで舞っているようなデザインで設計されています。葉の形に成形された薄いガラスは、この葉の家に施工され、エネルギー消費を抑えるために太陽の熱を制限しますが、太陽の光は取り入れます。この住宅は周りの景観と調和し、室内に居ながら庭にいるような居心地です。
エノタ・ホテル・リブノ(Enota Hotal Ribno)
この計画は、コマーシャルから始まり、何を隠そうカモフラージュで終わりました。デザイナーは、ホテル側から派手ではなく、周りの景色に溶け込むような外装を依頼されました。そして、山のように見え、峰もそびえ立つホテルを作成しました。ホテルの客室は山の峰の部分の下部にあり、会議室や駐車場も兼ね備えています。また、持続可能なデザインを取り入れ、居住者のための最新の設備になっています。
