ecofriend.com

海の酸性化がこのまま進むと、生態系は破壊されてしまうのでしょうか

なぜ今、問題になっているのか

海が酸性化してpH値が下がるにしたがって、ますます酸性の度合いが増しています。原因はたくさんありますが、最も大きな原因は周辺環境から排出される人為起源二酸化炭素です。統計によると、過去250年にわたって海洋は約5300億トンの二酸化炭素を吸収し、30%も酸性度が上昇していることが知られています。科学者たちは、私たちが今のような排出量を続けたならば海洋の酸性度は2100年までに2倍になるだろうと予測しています。この炭素吸収量が顕著に増加している時期は脱産業時代と一致しており、過去200年にわたって化石燃料の使用が減っていないことが間接的に影響していることは明らかでしょう。

Save the Fish

この問題って深刻なの?

さて、これは単なる数字によるお話だけでなく、炭素消費の有害な影響が不吉で困難な状況を招いているということは明らかです。科学者や研究者によると、海洋と溶存炭酸とのこの新しい化学合成は、たくさんの海の生物、とりわけ甲殻類にとって有害である可能性があります。

酸性がカルシウム炭素に有害な影響を及ぼし、溶かしてしまうということがいくつかの研究で示されています。つまり、天然の貝殻や甲羅がもろくなってしまうので、ロブスターやイシガイ、そしてクリオネやサンゴモ、有孔虫、円石藻などのさらに小さな生物にマイナスの影響を与えてしまうのです。私たちの多くはこのような生物について知らないかもしれませんが、このような生物は水中の食物連鎖において重要な役割を担っています。それゆえ、大型の魚や水産業全体に連鎖反応を及ぼす可能性があります。さらには、サンゴにも悪影響が及んで、珊瑚礁が衰弱したり死滅したりしてしまう恐れまであるのです。

さまざまな取り組み:

1. 新しい海洋工学プロジェクトで海洋酸性化に挑む

New Geoengineering Scheme Tackles Ocean Acidification

これはシンプルですが効果がありそうな解決策です。生石灰を海に投げ入れて、水中深くにある炭素を回収します。投げ入れられた成分は、石灰石がバラバラに分解していく過程で約2倍の量の二酸化炭素を吸収します。さらに重要なことには、このアルカリ化の過程によって酸性化すべての影響が相殺されるのです。しかし、この試みは非常に規模が大きいため、1ギガトンの炭素を回収するためには少なくとも560億立方フィートの石灰石が必要です。

2. 電気化学ウェザリング

Electrochemical weathering

ハーバード大学にある地球科学学部の学生であるカール・ハウスさんによると、人工電子工学ウェザリングによって石がアルカリ化する自然なプロセスを促進させることができるとのこと。彼の方法では、海水に電流を流して塩素と水素ガスを分離させます。燃料電池によって、これらの要素が結びついて塩化水素酸になります。最終的には、特定の産業においてこの結果を利用してケイ酸塩岩を溶かすことで、アルカリ化を酸性の海水にもたらすことができます。これによって、海洋のpH値を安定させて、二酸化炭素を隔離させることができるようになる可能性が高まるでしょう。

おもな障壁とは

研究者たちによると、3億年の地質学史において5000年の温暖期があり、今日のシナリオではその期間が現在の酸性レベルと一致していたようです。最も考えられる原因は火山の噴火であり、それによって平均気温が華氏10.8度も上昇し、大気中の炭素量が2倍になりました。これは先史時代のことです。しかし、これほどの不都合なインパクトでさえも、過去150年における海洋の甚大で有害な変化に比べれば、小さなものにすぎません。私たちの絶え間ない産業活動がもたらすであろう結果について、深い洞察を与えてくれると思いませんか。

さらに、酸性化が石灰焼成の自然プロセスにもたらす有害な影響についてはすでに述べましたが、ロブスターなどの海洋生物は甲殻から炭酸カルシウムの結合要素を失うことになります。このことはまさに死を意味し、食物連鎖において互いに結びつき合っている魚類や最終的には私たち人間にも、広範にわたる影響を及ぼしうるでしょう。

私たちにできることとは

公平に見てみると、すべての問題は間接的であれ、化石燃料の過剰な使用によって二酸化炭素を大量に排出していることと結びついているといえます。そのため、論理的に考えると、私たちが一丸となって取り組める解決策は、代替エネルギー源に転換することでしょう。再生可能エネルギーのインフラを充分に整えて、現在の汚染規模を減らすことが重要です。

その他の方策としては、特定の地域や産業をモニタリングして規制をすることも考えられます。たとえば、アメリカの研究者によると、海岸地域のコミュニティーは連邦クリーンウォーター法案に復帰することができます。そうすることによって、暴風雨の予防策をたてたり海岸沿いにバッファーゾーンを建設したり沼沢地を多く作ったり効果のある水管理を行なったりなど、地方自治体はさまざまな緩和対策を実施することで、海に流れ出る排水を減らすことができるでしょう。

Today's Top Articles:

Scroll to Top