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地球に優しく住むための時給自足する摩天楼

科学者や研究者が、地球温暖化や気候変動に伴うあらゆる問題解決のために提案されている多くの方法の中でも、持続可能な建築物は有望なアプローチのひとつと言えるでしょう。環境負荷の少ない優れた建築物の必要性は、建築家に自給自足をさせたり、さらに住みよい惑星にするための方法を試行錯誤させたりするのです。こちらには使用するエネルギーのすべてを再生エネルギーにして配電網の負担を減らすことのできる15提案を列挙しました。

 

10MW Skyscraper:

Studied Impact社によりデザインされた10MW Skyscraperは、ドバイのために提案されたものです。そのタワーは、必要とするエネルギーの10倍以上に作り出すことができるように設計されています。タワーには5MWの風力タービンが装備されおり、風力を活用するよう建物上部に設置されています。3MWの集中太陽光システムと補足的な2MWの太陽光システムでは、太陽熱の上昇気流を利用しています。50階建の摩天楼は、再生可能なエネルギーをドバイの配電網に供給することもできるのです。

 

Costanera Sur:

VisionDivision,社の構想であるCostanera Sur は、動物に持続可能な居住空間を与えるオフィスでもアパートでもないユニークな摩天楼です。この直立した動物園は数十年前のブエノスアイレスの高速道路の建造物の廃材で建てられており、水とエネルギーを自給自足します。直立した動物園には、近くの河川より水を引き込み建物の上部まで汲み上げるパイプ構造が中央部に備えられています。そして水は、建物の表面を流れ落ちてユニークな滝を形成します。建物の地下にはこの滝から電気を発生させるためのタービンと中央管理ジェネレータを備えているのが特徴です。

 

Water-Scraper:

空へ向かってそびえたつように設計されていたこれまでの提案とは異なり、単純に逆につまり、水中に建造されているのです。マレーシアのデザイナーであるSarly Adre Bin Sarkumによりコンセプト化されたユニークな摩天楼(skyscraper) は、近未来の自給自足する水中都市です。そのデザインは持続可能なエネルギーやその建物で必要な食糧を調達できる本格的な水中摩天楼であって、浮島の概念を超越しています。波や風、太陽光を利用して生成した電気で、農業や養殖、水耕栽培技術といった食糧生産をしています。水中に沈んだ摩天楼の地上部には小さな森を有しており、水深の浅い部分は仕事や居住のスペースになっています。運動エネルギーを生成するイカの触手のようなバラスト(重心を低くして安定させる)システムを用いて建造物は垂直に保たれています。

Oasis Tower for Zabeel Park:

ドバイのZabeel Park用のオアシスタワー(Oasis Tower)は、人口増加と農耕可能な土地不足問題への解決提案となっています。Rahul Surinによりデザインされたこのタワーは、都市型農業と持続可能な居住への解決となっているのです。建築家によると、オアシスタワーでは毎年4万人分の食糧を十分に生産できるとしています。多目的用途のタワーには風力タービンや外観表層の太陽光発電といった最新の再生可能なエネルギー技術を取り入れています。

 

Gesterbine:

ポーランドの建築会社であるMode:Lina Architektura & ConsultingによりデザインされたGesterbine skyscraper は、風力タービンやヒューマンキネティクスや水力といった一連の再生可能エネルギーを最大限活用するよう設計されています。この自給自足するタワーは降水量の少ないポーランド圏を想定しています。電力需要が大きくなる日中には、Gesterbineは風力エネルギーを使って家庭や農場、小規模オフィス用の再生可能な電力を供給します。一方、電力需要の落ちる夜間には、タービンは河川の水を陸地へ引く水力ポンプの動作で電力を生成します。

 

Aviapolis Tower:

K2S Architects社により構想されたAviapolis タワーは、細長い形状であって共有スペースやミーティング、緑化スペースに使われる球状のボイド(空隙)を持つ高さ70mのタワーです。とりわけエネルギー需要に対応するために、このエネルギーパークはデザインされています。タワーには一連の風力ジェネレータやソーラーパネルを装備しています。このパークは建造物や高速道路の狭間などに建てられます。美的観点においてもそのタワーはランドマークの類になることでしょう。

 

Gyre:

水中摩天楼(Water-Scraper)と似通ったコンセプトであるGyreも、水中に建造されます。Ziglooの提案であるフローティング開発構想は、デリケートな生態系を壊すことなく科学者や行楽客を集めるでしょう。最も深いところで水深400mであるその開発構想は、店舗、レストラン、庭園やレクリエーションといったスペースを有する快適な居住および労働環境を提供するでしょう。Gyreのユニークなデザインは、風や太陽、潮流から得る再生可能なエネルギーの恩恵を得るための集約システムとなっています。鉛直に軸を持つ多数の風力タービンに加え、Gyreは多数の太陽光セルを張り付けたガラス窓から太陽光エネルギーを得ています。さらに、水中のエンジン室は推進時のスラスター(姿勢維持)としてだけでなく構造体が停泊する際には潮流ジェネレータとして働きます。雨水も収集し、機械システムと緊急淡水貯蔵容器は構造体の最深部に据えられています。

 

BURJ AL-TAQA:

Eckhard Gerberによりデザインされた322mのタワーは、中東での開発事業のために提案されたものです。このゼロエネルギー開発事業(zero-energy development) は、太陽光、風力や水力を利用し必要なエネルギーを生成するものです。最新技術を駆使したタワーには、室内に涼しい風を取り込んで吹き降ろすイランの風採り塔を模した自然空調を活用しています。太陽光の増幅コントロールはまだ開発段階である新しいタイプの真空ガラス次第ですが、現在の技術と比較して60%以上の効率が望めます。建造物の周囲の6分の1をカバーして開店する太陽シールドは、入射角が大きくなるようにして日陰をつくると共に電気用に太陽光エネルギーを得る太陽光セルを使用しています。

 

食糧都市(Food City):

GCLA Architect社による食糧都市摩天楼(Food City skyscraper) は、ドバイにおける開発事業のためにデザインされたものです。完全に配電網のないこの開発は、できる限り地球に優しい暮らしができるように考えられたものです。この食糧都市(Food City)は、緑化された壁、水耕栽培、人工的な屋根やこれまでにない規模で作られる再生可能エネルギーを特徴としています。大都市ではソーラーコレクター(太陽熱収集器)、太陽光発電モジュールで覆われたタワーやすべての歩行帯に設置された圧電パッドを用いてすべての電力を生成します。さらに太陽が照らない間には、コンプレックス(複合建造物)で汚水タンクからメタンガスを抽出します。

 

海水鉛直農場(Seawater Vertical farm):

他に例をみないこの摩天楼はイタリアの建築家にStudiomobileより構想され、ドバイの淡水不足問題を解決するためにデザインされました。鉛直農場(vertical farm)は、作物を潤すために海水を用いています。冷却された後、海水で加湿された温室に入る空気は、植物が成長するための必要な条件を提供しています。この空気は栽培エリアを通過すると温かく乾いた空気と混合されてさらに温かく湿った空気になります。その後この温かく湿った空気は、再び海水を用いて淡水の滴になるまで液化されます。その後これらの滴はタンクに集められて作物を潤すために使用されるのです。

 

Valdrade:

Axel Cailteux、Céline Hautfenne、Julie NeuwelsとDelphine TermoteによりデザインされたValdradeは、相互に依存する3つの方向性―密集度、持続可能性、多様性に基づき、新たに都市の密集空間を定義しています。外観デザインは、その環境に応じた外壁面でできています。個々の外壁面が自然要素から影響を受けています。これらの外壁面は、再生エネルギーをつくったり雨水を確保したりといったことに最大限活用されます。

回転する風力発電タワー(Rotating Wind Power Tower):

ドバイ用に提案されたもう一つの自給自足するタワーであり、Dynamic Architecture社による 回転する風力発電タワー(Rotating Wind Power Tower)は、太陽光や風力といった持続可能な電力を供給するタワーであり、回転するタワーと命名されている通り、それぞれのフロアが中心軸まわりに回転可能です。絶えず動いて形状を変えると共にボタン操作をするだけで居住者は新しい眺めを選べます。各フロアが回転して新たな眺めを得られるように建物形状は絶えず変化します。デザイナーによると、各フロアが回転するとき、建造物は地震に対して高い耐久性を確保しているとのことです。

 

トンボ(Dragonfly):

Vincent Callebaut社による トンボ(Dragonfly)は、ニューヨークでの開発事業用にデザインされました。600mの高さの建造物は、トンボの羽からインスピレーションを受けており、果物、野菜や酪農品など生産用に28種類の農業分野に対応するために、132ものフロアに及んでいます。果樹園、農場や生産室の間に配置される、オフィス、研究室や共有エリアのスペースをその構造体は有しています。鋼材とガラスの翼の間のスペースは、寒い冬の間には暖かい空気を貯めることによってソーラーエネルギーを活用しています。この100%自給自足のエコシステムは、外装の垂直庭園を使用して雨水を集めた後、建物内で出た液体廃棄物と混ぜられます。この液体廃棄物は処理されて、農場で再利用されます。居住者の水や食糧は別として、この構造体には十分なエネルギーを生成する風力タービンとソーラーパネルの配線網が必要ないよう設計されています。

 

Suspended City:

Coolie CalihanとCharles JohnsonによるSuspended Cityは、都市建築を洗練して自然環境と調和することを目指しています。提案されている地域は、リオデジャネイロの密集した水辺の都市に位置しており、2016年のオリンピックに間に合うように整備されています。この自給自足する都市は、必要とするすべての電力を天然資源から得ることができます。

 

人工頭脳を持つエコ都市(Eco-Cybernetic City):

 

Orlando De Urrutiaによる構想されたEco-Cybernetic Cityは、日光を求める木々で構成された森に類似しています。その建造物はエネルギー面で自給自足するだけでなく、エネルギーを節約してエネルギーから水に至るまですべての天然資源をよりどころとするシステムが特徴です。150階建ての建造物は、周辺環境に調和して影響を受けるので、デザイナーによって“生きているマシン”と謳われています。Eco-Cybernetic Cityには、建造物用の太陽エネルギーを作るために太陽電池が格子状に並べられた外壁と、周囲の環境に応じて変化するマルチメディアを使用したユニークなLED外壁が採用されています。

 

 

 

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