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消え行くサンゴ礁の意外な理由とは

わたしたちの多くがこれまでに言葉では言い表せないほどの美しさを誇るサンゴ礁を直接、もしくは間接的に見たことがあるでしょう。しかし、この海洋生物の存続がここにきて危惧されてきています。オレゴン州立大学の調査隊によると、カリブ海にかつて栄えたサンゴ礁郡は全盛期の40年前に比べて80%にまでサイズが縮小しているということです。さらに世界中の3分の1のサンゴ礁が絶滅の危機に瀕しているというのです。ではなぜ海中エコシステムのなかでなぜサンゴ礁だけがこれほど急激にその数を減らしているのでしょうか?科学者たちはその答えは以前から懸念されていた「ウイルス性の病気」の悪化だという見方をしています。

「海洋学・エコロジー研究ジャーナル」で発表された研究レビューによると、サンゴ礁の消滅現象のなかでも特にウイルス性病原体についてはあまり多くの研究に力が注がれてきていませんでした。その中において前述したオレゴン州立大学の研究では生物組織に影響を及ぼす22種類にもおよぶ病原菌が発見されています。関係多方面をカバーしたこの研究の結果、ウイルスはただのバクテリアではなくまさにサンゴ礁の減少に直接関わっているものだとの見解を示しています。

ところが、ウイルスが原因であるという発見以外にも、サンゴ礁システムにおいて大規模にわたるヘルペス痕が見つかったことは関係者に大きなショックを与えました。人間のヘルペスとは似てはいるものの本質的には異なるこのヘルペスは、ストレスが原因となってサンゴの細胞組織内に発生していることが見られました。

今回の驚くべき一連のイベントの発見は、実はサンゴ礁もヘルペスも生物組織としては古代より存在するものとして知られている点に着目すれば説明が付きます。つまり、5億年前の同じ時期にこのどちらもが進化していたという可能性が高いのです。

しかしながら研究チームはウイルスがいるからといってサンゴ自体が病気にかかっているとは言えず、この分野においてより信頼性の置ける試験と研究が必要であると指摘しています。さらにサンゴ礁の衰退におけるその他の可能性としては地球温暖化、共生している藻類の減少、さらには生活排水の混入による海水汚染などによる影響も考えられます。

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