生物学者と研究者達の何人かは、生物のDNA構造を変える多くの酵素が、生物の全体の特徴を微調整することができるように操作することができることを発見しました。初め、これは少し失礼な感じもしましたが、これらの研究者達は、これらの形質を変えることで、生物だけでなく、環境にも益をもたらすと信じています。遺伝子操作の技術は、特に医薬や農業の分野など、様々な産業で試みられていて、いくつか成功も収めているものの、今研究者達は、 遺伝子を複製することで、ある程度のエネルギー問題の解決の一助にしようとしています。環境にやさしい排泄物を出す豚から、電気を生成する植物まで、遺伝子工学は、今の時点でサイエンスフィクションのような感じを受けるものすべてを可能にすることができます。ここにご紹介するのは、そんな不思議な12の生物です。
環境にやさしい排泄物を出す豚
ゲルフ大学の研究者達は、地球にやさしい排出物を出すことで、水生生物の保護になる、そんな遺伝子操作をした豚を、頭数を限定して作り出すことを承認されました。“エンバイロピッグ（Enviropig、環境と豚を掛け合わせた言葉）とあだ名されるこの豚は、尿や糞が、普通の豚よりも65％リンを減らすように遺伝子操作されています。
セルロース系エタノールのための遺伝子操作されたバクテリア
ダートマスのThayerエンジニアリング学校の研究者たちと、Mascomaコーポレーションは、好熱性細菌からセルロース系エタノールを生産する方法を発見しました。この好熱性細菌は、余分な熱を加えずに廃棄物をバイオ燃料に変換するプロセスでトリガー（引き金）となるように遺伝子操作されています。 また、カーボンニュートラルプロセスは、バイオ燃料を、コスト削減の形で供給することを約束してくれます。
えさを少なく食べて、メタンガスの排出を少なくする牛
カナダの研究者達の何人かは、より少ないえさを食べ、結果としてより少ないメタンガスを出すように、牛の遺伝子操作をすることを試みました。研究者たちは、平均で、３頭の反芻動物が、中型車１台と同じくらい地球の温暖化に影響を及ぼすとしており、家畜のメタンガス排出を削減するということは、車をより環境にやさしいものにするのと同じようなものだとしています。これらの研究者達は、普通の牛より２５％メタンガスを少なく排出する家畜のラインを作り出しました。
二酸化炭素を食べて燃料を作り出すように遺伝子操作されたバクテリア
アメリカからの研究者たちのチームは、大気中にある二酸化炭素を食べるようにバクテリアを遺伝子的に変え、イソブチルアルデヒドを生成しました。イソブチルアルデヒドは、そこから進んでイソブタノールを作るのに使われます。 変えられたバクテリアは変換のプロセスでかなり効率的で、太陽光で働きます。研究チームは、水素の製造よりも１０倍の速さのプロセスで燃料を作ることができるためにバクテリアを遺伝子操作しました。そのプロセスはまた、遺伝子操作されたエタノールの製造よりも１００倍の速さです。
地球にやさしいプラスチックを作るためにバクテリアを遺伝子操作
サンディエゴを拠点とした会社のGenomatica Inc.社の科学者たちは、1,4 – ブタンジオール（BDO）を生成するために、通常腸で見つかる大腸菌を遺伝子操作しました。BDOはモノマー（単量体）、もしくは基礎的要素で、様々なプラスチック、ゴム、合成繊維を合成するのに使われます。大きなスケールでBDOを生産するためには、 大腸菌は砂糖と水をベースとした発酵タンクで培養され、作られたBDOは精製して分離することができます。
炭化水素を作るのに光合成を使う、遺伝子組み換え生物
カリフォルニアを拠点とするJoule Biotechnologiesは、ソーラーコンバーターを使い、二酸化炭素を液体のバイオ燃料に変換するシステムを作り出しました。バイオ燃料に変換するために、このコンバーターの中には、生活排水、栄養素と、光合成を行う、名前のない遺伝子操作をされた有機体を含む培養液が入っています。 この会社は、Heliocultureと名づけられたこのプロセスが 、化石燃料と同じコスト程度で、土地1エーカーにつき年間20,000ガロン程度まで、利用できる燃料をもたらすことができると考えています。
遺伝子操作されたタバコの葉が合成の太陽電池を育てる
カリフォルニア大学バークレー校の研究者達は、タバコの葉を、合成した太陽電池と光化学細胞を育てるように遺伝子操作する方法を見つけました。これは後に抽出されて、溶液に溶かされ、太陽電池をつくるのに、どの基板にもスプレーすることができるというもの。
無害なバッテリーのための、遺伝子操作されたウイルス
マサチューセッツ工科大学の研究者達は、セルの全体の容量やパフォーマンスに影響することなく、リチウムイオンバッテリーを環境にやさしく作る、新しいテクニックを発達させました。研究者達は、リチウムイオンバッテリーのプラス、マイナスの両面に、遺伝子操作されたウイルスを組み込むことができることを証明。この新しい技術は、アイポッドから電気自動車まで使うことができる、異なるサイズのバッテリーを作るのに使うことができます。
遺伝子操作されたバクテリアは、砂糖からバイオ燃料を作り出す
アメリカの生物学者たちは、大腸菌のバクテリアに、燃料の分子を出す木のチップ、わらやバイオマスの廃棄物に見られる糖分を与えるように遺伝子操作をする試みをしました。組み込まれた遺伝子は燃料を直接生産することができて、燃料を取り出すためにわざわざセルを破壊する必要はありません。
木を新たなエネルギー源に変える遺伝子操作
科学者達は、木材の組成を、木が新たなエネルギー源に変わるように変えることのできるようにする、物議を醸し出す遺伝子操作のプロセスを生み出しました。その主な目的は、木のセルロースを、バイオ燃料のようなエタノールに変えるのを妨げている、リグニンという化合物の量を減らすことです。
バイオ燃料の大量生産のために、“ディーゼル・ツリー”をクローンする
生物学者達は、熱帯の“ディーゼル・ツリー”が、バイオ燃料の大量生産のために、他の植物にクローニングできないか調査しています。 ディーゼルツリーは、ディーゼル燃料と似た特性を持つ化合物である、オレオレジン（樹脂油）を生成します。 調査に携わっている研究者達は、その木から遺伝子をクローニングし、藻、雑草や非作物の、コロラドに特有の植物の中に再育成させたいと思っています。
遺伝子操作された根っこで、水分を見つける能力が改善
テルアビブ大学の研究者たちは、植物が、自ら生き残るのに必要な水を見つける能力を改善するために、植物の根っこのシステムを遺伝子操作しようと試みました。研究チームは、植物が水の方向に自らの根を伸ばす能力である、屈水性をコントロールしている遺伝子を発見。その技術で、空中栽培と屈水性を一緒にして、最善の結果が出るように試みられました。 水分をより鋭く感知することのできる植物は、将来的に、経済的な価値がありますし、この技術も、そうしたことを目的に開発されたものなのです。
