家とは、ミクロのレベルで特定することができる特別な種類のプライベート空間です。人類の住まいとして最も古い形のひとつであるイグルーにはじまり、藁葺き屋根の小屋 から城風やプレハブのものまで、家は住居に対する人間のこだわりをはっきりと示しています。家は、人が肉体的安全と精神的くつろぎを得られる数少ない場所です。
一方で、家は私たちの経済活動の重要な要素を形づくるものでもあります。他の建設業界と同様、家の建築においても相当なレベルの二酸化炭素が放出されます。（たとえば、イギリスにおける全体の二酸化炭素発生量の30％を占めています）またアメリカにおける住宅バブルは、2009年までに前代未聞の4000億ドルの損失を生みました。私たちの未来の救世主である低コストの”環境に優しい”家が重要視されるようになってきた理由が、まさにここにあります。
細部まで持続可能性を取り入れた豪華なEDGEハウス
小さいことは良いことです。そしてRevelations Architects社がデザインしたこの320平方フィート（約30平方メートル）の小さなEDGE（Experimental Dwelling for a Greener Environment / 環境に優しい実験的住居）モジュラー式住居コンセプトが、そのことを証明しています。アメリカ・ウィスコンシン州のチェクワメゴン・ベイにあるこの家は、現地で調達できる木材を使って作られています。しかしその最大の特徴は、雨水回収システムや地熱暖房・冷房、空気対空気熱廃熱回収システム、太陽熱を単純利用する窓、夜間の熱損失を最小限にするための断熱外装シャッタードア等、多くの持続可能なシステムを備えていることです。
ILEKが発表した、電気自動車の充電ができる自続的な家
総体的な持続可能アプローチを行うという概念のこの革新的な家は、ドイツ・シュトゥットガルト大学のILEK（Institute for Lightweight Structures and Conceptual Design /計量構造・概念設計研究所）によりデザインされました。プラス・エネルギー・ハウスと名付けられたこの家は、電気自動車充電用の充電器を備えており、様々な環境に優しい技術を一体化させて自家発電します。屋根には太陽電池アレイ、室内には太陽熱発電機を備え、またファサードにはインタラクティブなディスプレイがある”知的な”ファサードを備えています。さらに、この家には、電気自動車の充電が行えるほかに、余剰な電気はグリッドに戻されます。
Mod.Fabハウス −砂漠地方で自家発電で暮らすための持続可能なプレハブの家
フランク・ロイド・ライト建築学校（Frank Lloyd Write School of Architecture)がデザインしたこのMod.Fab ハウスは、完全に持続可能なモダンなプレハブの家です。この家は、厳しい砂漠の気候から人を守り、環境に優しい特性を備えた家となっています。例えば、雨水利用や水の再利用、自然の換気等、特に砂漠の環境に対処する唯一のシステムを備えているのです。またこの家は、太陽電池アレイの代替電力を使うことも可能です。
Houl – サイモン・ウィンスタンリー・アーキテクトがデザインした”ゼロ・カーボン”の家
スコットランドの美しい街、キャッスル・ダグラスに立つ独創的に設計されたこの家は、住人の最高の快適性を実現するためにその方向性から使用する建材まで、すべての構成要素が非常に巧みに考えられ、選択されています。建築家のサイモン・ウインスタンリー（Simon Winstanley)は、この家は高いレベルの断熱材と自然の換気システム、風力タービンで発電するクリーンな電力を使っており、二酸化炭素排出ゼロの家であると述べています。排出量ゼロの電力を送電網に戻すことにより、この建物の建設過程で排出される二酸化炭素は相殺されるのです。
天然資源のみを使用するソーラーエネルギーの家
その名前が示すように、ライフ・カート（Raif Kurt)のコンセプトによるこの独特にデザインされた三角形の家は、太陽光技術の進歩を典型的に表しています。未来のマヤのピラミッド（または太陽のエネルギーを意味するもの）のような形をしたもモジュール式のこの家は、プレハブスチールで作られ、太陽光エネルギーを電力に変換するソーラーパネルを備えています。さらに、これらのソーラーパネルで発電される電力は、最適な電力消費のために調整されます。
マイケル・ジャンセンデザインの、雨水と再生可能エネルギーを使う軌道を回るエコ・ハウス
この家は、持続可能な建築物におけるすべての要素が高レベルな、斬新なデザインの一つといえるでしょう。この家は、最適な日光と風を取り入れるため、主軸とともに回転します。中央の上に取り付けられた目立つ煙突は、雨水回収に使われます。雨水回収のための輪の中央には、大きな風力タービンがあります。これらで十分でない場合 のために、太陽電池と家庭用太陽熱温水パネルが風力タービンの周りに取り付けられています。
KHホームの汚染を減らす屋根のソーラーパワーの家
この家のデザインは、ありふれたランチ様式の家にみえるかもしれません。しかしHKホームズが作ったこの進化した家の試作品は、見た目よりもはるかに多くのものを備えています。傾斜した屋根にはソーラーパネルと電力を蓄えておくためのバッテリーシステムが設置されています。しかしこの家の一番の特徴は、その屋根タイルです。HKホームによると、屋根に敷き詰められたタイルには、日光にさらされると酸化を促進する触媒が埋め込まれており、スモッグの原因となる酸化窒素汚染を減らします。
クアラルンプールのゼロ・エネルギーの家
YTLグリーン・ホーム・コンペティションのためにGraft Labの建築家たちがデザインした、クアラルンプールにおける大規模なビッグ・バード・プロジェクトのきわめて重要な点は、これらのゼロ・エネルギーの家の骨組みが、軽量なオーガニックの竹で作られているということです。持続可能なシリコンガラスの生地でその骨組みを覆い、構造の柔軟性と太陽熱の受動的利用による冷却を可能にしています。この環境に優しい生地がもつ柔軟性により、家はまるで木の上にあるように風にそよぎます。また、汚水再利用システムも取り入れられる予定です。
ココポ・ハウス —環境に優しい豪華な自家発電の家
コストパフォーマンスは、環境に優しい生活の一部であり不可欠な要素ですが、この家は豪華な環境に優しい家です。Enter Architectureが、ある海運王のためにデザインしたというこのオーガニックな”自然主義の”家は、完全に自家発電です。温水システムや温度管理、照明にいたるまで、多くの機能に持続可能な資源から発電した電力を使用しています。
90％再生可能な原料から作られた、キャンディのような手触りの卵形の家
こうした最先端で前衛的な家のコンセプトはたくさんあります。締めくくりとして、この心に触れる、かつ便利なデザインをご紹介しましょう。ロベルト・カサーティ（Roberto Casati）とトスカーナの技術者たちがデザインし「卵の家」と名付けたこの家は、70平方メートルの小さな家で、木くずと廃棄された車のタイヤから作られた原料で作られます。 子供っぽい無邪気なデザイン、鮮やかな色やその卵のような形にだまされてはいけません。この形はエネルギー効率を向上させることを意図しています。またこの卵の家は、風力タービンと太陽光発電を併用して従来の家に比べおよそ70％エネルギー使用効率が高くなっています。またこの家には耐震性があり、二階建てのこの家の内部にはエネルギー節約の断熱壁が使われます。
