ecofriend.com

環境に優しい広告 −素晴らしいビルボードの例

好むと好まざるとに関わらず、現代の生活において広告は欠かせないものです。そしてある意味で、私たちの共同行動に直接関係し、経済に大きな影響を与える心理的コミュニケーションと定義できます。いずれにせよ、統計によれば2010年には5000億ドル(アメリカだけで300億ドル)という巨費が広告に使われているのです。

現在、ビルボード(屋外の広告板)はなくてはならない広告形態となっています。実際、ビルボードは様々な広告のやり方の典型です。一方で、環境に優しい技術が広告の分野にも取り入れられるようになるのは、時間の問題でした。そして、その技術をより効果的にメイン媒体、つまりビルボードに取り入れるためにはどうしたらよいのでしょうか。ここでは環境への優しさが”光る”素晴らしいビルボード9例を見てみることにしましょう。

 

ニューヨーク市初の環境に優しいビルボード

見ての通り、この看板は幅26フィート(約8メートル)、高さ47フィート(約14メートル)という巨大なものですが、同時に素晴らしい先端技術により、持続可能なものとなっています。35,000ポンド(約4500万円)のリコー・アメリカ社のこのビルボードは、16の風力タービンと64のソーラーパネルを使って、6軒の家の照明に使えるだけの量の電力を発電します。LED照明の変わりに、日光や風がなくても4日間連続で使用できる巨大な投光器機を使います。環境への優しさの面では、炭素排出量を18トン減らすことができると推定されています。

 

ホンダの環境に優しいハイブリッド・ビルボード

ホンダとAPNアウトドア社が共同で、オーストラリア初となるこの環境に優しい屋外広告を作りました。2008年に薄いフィルムのソーラー電池の市場に進出したホンダ(ホンダ・ソルテック)の新しい広告板は、100%ではないですがソーラーパワーを使っています。またバックアップ電源には環境に優しい装置を使っています。

 

環境に優しいフレックス・ビルボード「エコフレックス」

グラフィックデザイン会社、サークル・グラフィック社(Circle Graphic)は、およそ800万ドル(約1100万円)を投資して、エコフレックス(EcoFlexx)という名前の新しいタイプの環境に優しい印刷基質を開発しました。以下が同社の発表内容です。

”エコフレックス™は、有数のアウトドア会社に認めれており、今後数ヶ月の間に我々の従来の製品である PVC Flexに取って代わります。原料の向上にあたっての製品値上げはありません。”

 

使用済み電気機器を使ったビルボード

リサイクルを考えるとき、紙の切れ端やプラスチックのボトル、ポリエチレンの包み紙などが思い浮かぶでしょう。しかし危機の部品全てをつかって全く新しいデザインに生まれ変わらせたらどうでしょう?そしてこれがまさに、この素晴らしいビルボードなのです。モニターやプロセス装置、ビデオデッキから作られており、リサイクルならぬ「イー(E: 電化製品)」です。詩的だと思いませんか?

 

高い持続可能性を誇る世界最大の広告

傑出した都市、ドバイの例を見てみましょう。ブルジュ・ハリファ(世界一高いビル)ではありません。世界最大のビルボードはここドバイにあり、偶然にも(そうではないかもしれませんが)生分解可能な再生ポリ塩化ビニル(PVC)から作られています。この巨大な看板には、環境にやさしいインク、構造、輸送、清掃、化学物質が使われています。巨大な、というのは控えめな表現かもしれません。このビルボードは320万ドル(約2億5千万円)、長さはなんと1.5kmもあるのです。さらに筆頭スポンサー40社を含む計100社のスポンサーがこのビルボードに出資しており、12ヶ月間に渡って40カ国で宣伝されています。

 

ラマー・アドバタイジング社のソーラーパワーを使った環境に優しいビルボード

ラマー・アドバタイジング社(Lamar Advertising)とイスラエルのMaging社が共同で作った広告です。彼らは、ソーラーエネルギーと光反射デジタル・ライトを使って高度なデジタル式のビルボードを考案しました。この技術により、LEDボードに比べて解像度が高く、少なエネルギー消費量が少ないビルボードを実現させました。

 

ドバイの輝く33階建てLED照明ビルボード

ここに再びドバイの名前がでてくるのは、それほど驚くことではありません。この広告は、間もなく完成予定の、33階建のビルに取り付けられたLEDを使った巨大ビルボードです。このビルボードはビルのファサードとなるので、日中の日光を取り入れ、換気効果もアルので、持続可能性に対して間接的に効果をもたらします。更に、ボードにはエネルギー効率の良いLEDを使っているため、二酸化炭素排出量があまり多くありません。

 

リサイクル可能なビルボードによる屋外プロモーション

世界最大の屋外広告会社であるクリア・チャンネル・コミュニケーションズ(Clear Channel Communications)、CBSアウトドア(CBS Outdoors)、ラマー・アドバタイジング(Lamar Advertising)の3社が、再生可能なポリエチレン(PE)だけを使ったエコなポスターを全てのビルボードにつかえば、持続可能性は飛躍的に高いレベルになります。加えて、こうしたビルボードは従来のものに比べてコストは2倍以上かかりますが、取り付けにかかる時間が少なく、耐久性は3倍です。しかし最も重要なことは、最終的にはゴミとして捨てられてしまう、生物分解ができない素材の処理にかかる1億5000万ポンド(約200億円)を節約できるということです。

 

ビルボードのビニルを再生して公共芸術に


 

以前の記事で、生分解できない分厚いビニル素材は最終的にゴミになり、周囲の環境を汚染するということをご説明しました。この状況を変えるため、ピーター・シュルバーグ(Peter Schulberg)が素晴らしい試みを行いました。彼はアーティストたちを招き、廃棄されたビニルをキャンバスとして製作してもらった作品を、ロサンゼルスの彼のギャラリーの外壁に展示したのです。芸術と持続可能性の出会い、それは悪くないアイディアです。

 

Today's Top Articles:

Scroll to Top